48-将軍め~
3日目の朝フィンと共に天馬を預けた門へ向かう。証を見せると天馬の元へ案内された。
「天馬久しぶり」
「フーン」
天馬と共に門のところへ行き、兵士が確認してくる。
「この門から出るのがキリュウさんだけで、他のかたは西門からですね」
「はい。フィン、これ」
俺はフィンにアルカイドの証を渡し、都市を出る。フィンも受け取ると馬に乗り宿へと戻っていった。
さあ、ここからみんなのいるところまで走らないといけない。天馬を低空飛行で走らせ北を経由して西門へと向かう。
走っている最中急に天馬が高度を変え右へ曲がった。
「何?」
天馬が急に動きを変えた時は攻撃を避ける時だ。俺は熱血を発動させて戦闘状態へと入る。
天馬がまた、高度を上げた。天馬の真下に矢が通る。飛んできた方向を見る。アルカイドの周りは森が多かったが、アルデミランの周りは一面平野だ。隠れる場所などなくすぐに発見できた。平野にぽつんと3人組の黒づくめがいる。
「何か用?」
俺がそう言うが聞く耳持たないのか矢を撃ってきた。天馬が俺の意思を汲んでくれたのか矢が届かない高度まで上昇する。
「ファイアボール」
俺は小さい火の球を10個だした。相手は人間だ。殺さないまでも手を出してきたからには反撃くらいはさせてもらう。これは正当防衛だ。
真下に向かったファイアボール3人に着弾した。威力はしぼってある。確認できるくらいまで高度を下げると3人とも気絶していた。
……火傷くらいだよね。
死んだふりして降りたところを攻撃されたらひとたまりもないから詳しく確認せずにさっさと移動を開始した。するとまた、天馬が急に高度を変えた。振り返ると一人起きて弓を構えている。
……やっぱり死んだふりしてたか。
「ファイアボール」
火の弾を飛ばすがかわされた。そのあとこちらへ向かって走ってくる。
火の球を10個出して迎撃の準備をする。今まではかなり遠くから撃っていたが、次は絶対に決められる距離まで待つ。
「ロックキャノン」
黒づくめの足元から岩の壁が出る。それをカタパルトにして黒づくめが飛んできた。黒づくめは飛んでいる間に剣を抜き上から振り下ろす構えを取っている。
「ファイアボール‼」
「はあああ」
振り下ろした剣に向けて火の球を5つ、相手の体に向けて2つ放つ。ないとは思うが避けられたように3つを右、左、下へ放つ。剣の攻撃を火の弾で防ぎ、体へ放った火の弾はちゃんと着弾した。黒づくめが燃える。そこへ天馬が追撃に蹴りを入れた。黒づくめは腹に直撃をもらい下へと落下していくった。
俺は黒づくめの生死を確認せず逃げるように北へと向かっていった。
……死んでませんように。死んでませんように。人殺しになりませんように。指名手配されませんように。
そのあとは特に襲撃されることはなくフィンたちと合流できた。
「そんなことが」
合流してから襲撃されたことをアーロに相談した。
「一応魔物ですからね。間違えて攻撃したのか。でも、門の近くですから張り込んでた可能性もありますね。捕らえて売るつもりだったのか」
「どうすればいいかな。翼が消せれたら目立たなくなるんだろうけど」
「大丈夫ですよ。アルカイドの紋章が入った馬車を引いてれば喧嘩なんてかけてこないと思いますし」
「うん、わかった」
天馬に馬車を引く縄をかけ出発する。俺が御者馬車を先頭に6台の馬車。馬車には1台5,6人乗りスピカへと向かう。
……あぁ、今日は静かだ。
昨日人生で初めてあんなに長時間話したが今日は馬車の中で全く話していなかった。昨日疲れたから? 違う。アルカイドからアルデミランに向かっている最中も同様フィン、アーロ、ライアン以外誰とも喋ってない。なぜなら、嫌われているから。ポラリスで救出した時や、ポラリスからアルカイドへ向かう時は嫌われていなかったがここにきてほぼ全員から嫌われた。理由は将軍のせいだ。
フィンの妹アビーが将軍のところから帰ってきたことで将軍のところでどうゆう生活をしてたかを聞かされた。それが、まあ、酷いものであった。そのせいで全員将軍をさらに嫌いになり、今この旅が将軍のお金でできていることに腹を立ち、その対象が将軍の部下になった俺に向けられることになったわけだ。
……はぁ、馬車内ハーレムとか思っていたのに。将軍め~。
ここで天気の話をして、誰かといい感じの雰囲気でもなれたらなぁ~と思っていたがそんなことは全く起こらなかった。だから、天馬と寂しく1人と1匹で話しながら旅を続ける。
新年あけましておめでとうございます。今年はもっと投稿を忘れないようにしていきたい。
次回 情報収集




