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異世界転生してもハーレムは作れません  作者: ミカン
第二章 偽モノ
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47-こんなに人と長時間話すのは何年ぶりだ

今回からキリュウ視点に戻ります

 アルカイドを出発して1週間、俺たちはアルカイドとスピカの間にある商人の国アルデミランへとついた。

 この国はスピカとアルカイドを繋ぐ大きな道路が通っている。他にもいろいろな国と道路が繋いであり、商業がとても活発だそうだ。

 都市の門で俺は門番に将軍からもらったアルカイドの使者の証を見せる。そして、兵士からの質問に答えていく。


「今回はどのようなご用でございますか」

「スピカに行こうと思いまして」

「滞在日数は何日でしょうか」

「3日です」

「すみません、その馬は」

「私の馬です。魔物ですが人を襲ったりしないので大丈夫です」

「上に相談しますのでお待ちください」


 そう言われ、待合室へと案内される。天馬や連れてきた馬も馬用の部屋へと送られる。待合室は高そうな椅子や机がある最高級の部屋であった。


「おおっ、やわらけぇ」


 ライアンが椅子に座り、興奮している。椅子は座面がクッションになっていて大変柔らかい。そうして待つこと10分、1人の人がやってきた。


「失礼します。私はこの門の兵士長です。アルカイドの証が確認ができましたので入国は許可します。ただ、魔物は都市内が混乱するかもしれないので門で預かってもいいでしょうか」


 たしかに魔物を連れて歩いてたら目立って問題が起こるかもしれない。それにどうせ宿に預けることになるならそれが門に変わるだけだ。


「分かりました。行く前に天馬に話しますがいいでしょうか」

「はい」


 天馬がいる部屋へと行き、天馬と話す。


「天馬が国に入ると目立って問題が起こるみたいだから3日間ここに預けておくね。明後日迎えにくるからおとなしくしててね」

「フーン」


 これで天馬が勝手に門から出てくることはないだろう。



 門を出て兵士長に宿へと案内される。

 アルデミランの大きな道路を馬車に乗り宿へと向かう。道路はかなり広く、馬車が4台は通れそうだ。馬車の中から街を見ると人が大勢いて道路の脇にはたくさんの大きな店があった。


 ……お、女の人がいる。


 アルカイドでは街のどこを見ても男しかいない。ここへの道中も商人がたくさんいたが女の人は一人もいなかった。だから、この光景が新鮮に思えた。

 よく見ると道路の脇が少し高くなっていてそこを人が歩いている。ここの道は車道と歩道に分かれているということらしい。店も馬車が入れそうな車庫のようなものがあり、そこから道路まではスロープとなっている。

 外を見ていると馬車が止まった。前を向くと交差点の真ん中に兵士が両腕を左右に上げて立っている。


「あれは何ですか?」

「交通整理です。馬車も人も多いですからそれをきちんと統制しないと事故が多いですので」


 信号の役目をしているということか。交差点には白い線が引かれていてその線付近を人が通っている。あれは横断歩道というわけだ。片手を親と手をつないでもう片方の手を上げて歩いている子供もいる。


 ……賢い、まじめ。あれやる大人はゼロ人説だろう。俺も小学校卒業以降やった記憶がない!


 ここの道路は信号機はないものの元の世界と交通整理が大変似ている。兵士が今やっているポーズも警察官が停電で信号機が使えないときにやっていたやつと同じだよね? よく見てないから知らんけど。事故を減らそうとするとどこもこうなるのかな?



 馬車の中から街を見ていると宿へと着いた。高級そうな立派な宿である。

 一般人は門を出たら自由で宿も自分で取るようだが、国の使者となると自由が利かないようだ。そのかわり、最高級の宿に無料で泊まれるみたいだが。


 ……だが、これだと観光ができそうにないな。明日出発の方がよかったかな。


「明日観光とかしたらダメですかね?」

「か、確認してきます。わかったらまた伝えに来ます」


 そう言って兵士は帰っていった。


「荷物をお預かりします。部屋へと案内しますので」


 宿の人に部屋へと案内される。宿は1部屋4人の8部屋用意されている。急に来たのにすぐに部屋をとれるのはこの国はこういうことがよくあるということなのだろうか。

 部屋はベッドが4つ、高そうな椅子や机があり、壁には絵画なんて貼られている。


「お食事が用意できたら運びに来ますがいつがいいでしょうか」


 もうすぐ夕日が沈む。もうすぐ夜ご飯の時間である。


「では、1時間後で」



 夕食を食べ終わると旅とかもろもろの疲れで眠たくなったので寝る。ご飯はステーキ、パン、サラダ、スープであった。サラダにもスープにもいろんな野菜が入って具だくさんでおいしかった。特にパンは白くて日本で食べるパンのように柔らかかった。ただステーキはそんなりだった。理由はソースがなかったからだ。


 ……肉料理って肉は食感だけでほぼソースが本体なのかな?



 次の朝、宿に兵士がやってきた。


「観光の件ですがしてもらって構いません。ただ、魔物の件で話があるので一人は宿に残ってほしいそうです」

「そうですか。分かりました」


 兵士に言われたことをみんなに伝える。宿に残るのは俺一人でほかのみんなは観光へと行った。


 ……俺も観光に行きたかったよ。



 みんなが観光へと行ってしばらくたった後宿へある商人がやってきた。


「こんにちは。私はアルデミラン国家理事会特九席の1席、ギルバート商会のエルトンと申します」

「はい。アルカイドの使者のキリュウです」


 自己紹介されたから俺も自分の名前を名乗っておく。よくわからない理事会だが多分国の偉い人なのだろう。40歳くらいでお腹が出て、少し剥げている。


「お話があるのですが、ここではなんですので私のお気に入りのカフェでどうですか」

「わかりました」


 エルトンに連れられあるカフェの個室に入った。


「このカフェは個室でねぇ。商談に向いているのですよ。好きなものを頼んでいいですよ、私が持ちますので」


 ……商談? あぁ、いろんなのがある~。


 少しよくわからない言葉があったがメニュー表にすべての思考を持っていかれた。

 パンケーキ、パフェ、クレープと美味しそうなものがたくさんある。俺はパフェと紅茶を、エルトンはヨーグルトと紅茶を注文した。


 ……健康に気を使っているのかな?


「ギルバート商会は肉や魚の食料品や動物の毛を使った服など動物関連の商いをしているのですが、その中でもペット産業を主としていまして。各地から珍しい動物を取り寄せ、調教してスピカやリゲルの貴族などに売っているのですよ」


 注文が来るまではギルバート商会がどういうものを扱っているかを教えてくれた。はっきり言って全く興味がない。うちには超強いペットがいますんで十分です。注文が届き、パフェを食べ始める。パフェはクリームやフルーツが詰まっていててっぺんに砂糖菓子が置かれている。


「いただきます。……うっ、ごほっ、ごほっ」


 ……甘っ。


 あまりの甘さに咳き込み、急いで紅茶を飲んだ。

 パフェのクリームがついたリンゴを食べたが想像以上の甘さであった。口の中でじゃりじゃりなっている。リンゴについたクリームに溶けないほどの砂糖が含まれている。


「アルカイドの方には甘すぎましたか。アルカイドはカレーや塩漬けされたものなど辛いものが多いですからね」


 とりあえず、口をじゃりじゃりさせながら甘すぎるパフェを食べる。


「それでお話なのですが、あなたの魔物拝見しました。大変いい馬ですね。毛並みも綺麗でおとなしい。翼があるということは空も飛べるのでしょう。あんな魔物初めて見ました」

「はい」

「それで、アルカイドでは魔物の調教に成功したのでしょうか。できたのでしたらぜひ我々と取引をと思いましてね」

「いえ、そんなことしてないと思います。天馬は俺の騎獣ですし」

「なんと、一体どうやって騎獣に」

「ポラリスにいた魔族の赤兎馬がなついてくれただけで特に何もしてないのですが。最初から俺に好意的でしたし」

「ポラリス? あなたはポラリスが故郷で」

「いえ。先の戦争のときにポラリスに行っただけでポラリスが故郷ではないですよ」

「キリュウ……。あなたは第2次アルカイド侵攻で勲章をいただいた方ですね。なんでもそれで将軍の部下となった」


 そこから、戦争の話を聞かれたり、天馬がどんなことができるのか聞かれたりと根掘り葉掘り聞かれた。

 あまりにもいろいろ聞かれて、話が長く、お昼になっていたのでそのままカフェで昼ご飯にトンカツサンドを頼んだらその豚は自分の商会の豚だと商会のことについて話し始めた。


「お疲れのようなので今日はこれでおしまいとしましょう。大変有意義な話が聞けました。今後どうかギルバート商会をごひいきに」


 俺が疲れているのが分かったようで話は終了となり、エルトンは宿まで俺を送ってくれた。


 ……疲れた。こんなに人と長時間話すのは何年ぶりだ。初めてか。


 宿につき、俺は昼寝を開始したのだった。

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