38-若っ
俺は今フィンと2人でアルカイド城に来ていた。周りには鎧を着た兵士がたくさんいて、目の前には高そうな服を着た人がたくさん。そして、その中心にいる青年? がしゃべった。
「先の戦争で四天王ホムラを倒した2人に勲章を与える」
ホムラを倒した後、アルカイド軍は魔族の兵士をドンドン捕えるか殺したらしい。そして、逃げた兵士は将軍みづからが引き連れてポラリスまで追撃したそうだ。そうして、戦争はアルカイドの勝利で終わった。
……その間俺が何をしていたか? もちろん寝てましたよ。ぐっすりと。
戦争中激しく魔力を消費し、ホムラに半殺しにされたせいで魔力、体力ともになくなっていたのだ。それで起きたら朝すぐに城に連れてこられた。
叙勲式だそうだ。城門が開放され、国民が城に集まり、功績を残したものを称える会だそうだ。城の庭にはたくさんの鎧を着た兵士。その周りにはこの国の人たちが大勢いる。城壁の上から見ている人たちもいる。兵士に囲まれて見えにくいが女の人もいる。今日は保護中の女性も家族と会えるのだろう。久しぶりの再会で話すことが多いのか城の中はガヤガヤといろんな声が響いている。ライアンもルーカスと一緒に女の人と話している。あれがライアンのお母さんなんだろう。
青年は後ろからバッチを受け取りそれを俺とフィンの2人の胸に付けた。
「これが軍の人間なら昇進とかになるんだが、君たち2人は傭兵だ。だから私、武装国家アルカイド国主兼将軍ウィリアムがかなえられる範囲でなんで聞いてやろう」
「え? 将軍? 若っ⁉」
……髭とか生えたおっさんかと思ってた。
「だまされるな。こいつは33だ」
驚いている俺にフィンは小声で告げてきた。それでも若いと思う。俺はてっきり4,50代の老獪なおっさんとかだと思っていた。
……ていうか本当に33? 20代でも通るぞ。
それくらい若く見える。年齢詐称していても不思議でないくらいだ。
「なら、妹を返してくれ」
フィンは将軍を睨みつけそう言った。
「アビゲイルちゃんか~。彼女は僕のお気に入りなんだよね~。うーん」
「おいっ」
フィンが怒鳴ると周りの兵士が槍を向けてくる。
「まぁ、いいよ。今の君なら守れるだろう。まぁ、彼女はもう守られるだけの存在でもないのだが」
将軍は手を挙げて兵士を静止させるとフィンの妹を開放する許可をだした。
「次、君は?」
将軍はこちらを向いて聞いてきた。
「謝って」
「ん?」
「戦争中に引きこもっていたこと、民を見殺しにしたこと、家族を奪ったことをここにいるみんなに説明して謝って」
「おいっ」
将軍の後ろに控えていた高官が合図をだし、兵士と一緒に迫ってくる。それを将軍は手で止めてこちらを見返してきた。
「別に構わないよ。でも君の願いは本当にそれなのか?」
「……みんなに、家族を返してあげて」
「それはできないな。もし、返してほしければ私に決闘を申し込み、勝って僕の代わりに将軍になることだ」
すごい圧を感じる。動けず息苦しさを感じる圧だ。この人と戦ったら負けることがわかってしまった。
「まぁ、決闘をするかどうかは君が決めなさい。私は言われた通り説明と謝罪をしよう。まず、なぜ城に引きこもっていたかというと、私が高熱をだして倒れていたからだ。戦争の前、もっと言うと魔族軍の進軍を発見する前から私や国の要職に就く人材すべてが熱をだして城内は混乱していた。その時に魔族軍が発見され、何も行動がとれなかった。そのせいで多くの被害をだした。住むところを失った者、知り合いを失った者とたくさんいるだろう。すまなかった。私は復興を手動するとともに家を失った者は城に仮住居を提供する。」
そう言った将軍の姿は独裁者などではなく民のために精一杯やろうとする主導者のようだった。
「戦争の最中に起きた私はすでに決着のついた戦争に諦めていた。ここから出陣しても負けるだろうとでもその時北門を占拠していた魔族が全滅したという情報が入った。チャンスだとは思ったが出陣するには上空にいる魔族たちが邪魔すぎた。その時、君が出てきてくれた。君が上空の魔族をいなくし、ホムラに深手を負わせてくれたおかげで私は出陣することができ、この戦争に勝つことができた。改めてありがとう」
そういうと、周りの兵士が拍手をした。それにつられ外から見ている人たちも拍手をくれる。
「次に女を保護、いや監禁する理由だが国を強くするためだ」
……は?
「まず、大前提として魔力の増強を図るには性交をしなければならない。これには男女どちらもいる。だが、それだと戦わない弱者や、対して魔力が育たない者ばかりが行い、強き者、才のある者ができなくなってしまう。だから、この国のすべての女を城に集め功績を残した者には強化と褒美を与えないといけない。次に、強い人間から生まれた子供は強い遺伝子を産まれながら持っている。それを幼少から鍛えることで何人もの強い人間を育成することができる。強者から才ある子供を作り、その子を強者にしていけば、魔族なんて滅ぼせる最強の軍隊ができあがる。これは人類を救うための計画なのだ。だから、功績をのこした者には夜をともにすることを許可している。」
「女性の気持ちは?」
「本当に嫌な人間は逃げる。実際僕が将軍になってからこの国を去った人間は多い。それでも逃げないということは全員わかっているからだろう。ここにいれば安全だ。下町よりも城のほうが裕福な暮らしができると。何より相手はイケメンで超強い僕なのだ文句などあるはずなかろう」
周りの反応を見るとうなづいている者もいれば下を向いている者もいる。誰も異を唱える者はいなかった。
……これは俺がおかしいのだろうか。これがここの文化だったということなのだろうか。
悩んだ。悩んだ末、答えていた。
「決闘を申し込む」
将軍結構真面目に長期の策を言っているけどこれ後付けで将軍になった時はただただハーレム作りたかっただけ。ただ、それだといくら権力あっても部下が納得してくれなかったのでこういう言い訳を思いついた裏話。実際その言い訳を現在進行中。
次回 主人公VS人類最強




