32-天馬
広場に来た魔族の兵隊を倒していく。この狭い広場のおかげで火柱をセットしていおけば勝手にかかり倒していく。しかし、火柱が目立つせいで魔族の兵隊が続々とこちらに来ていた。だから、火柱が発動すればすぐに火柱をセットしていく。広場に来る魔族を次々と丸焼きにしていると日が暮れた。それでも魔族の猛攻は止まらなかった。ちょいちょい休憩をはさんでいるが昼からずっと戦っている。さらに魔族の来る間隔がだんだん短くなっている。
……はぁ、はぁ、やばい……魔力が。
昼からずっと魔法を使っているせいで魔力がもうほとんどない。にもかかわらず敵の数は増え、暗くて相手の姿が見えずらい。
「ライアンとキリュウさんは逃げてください」
「はぁ、はぁ。……え? それじゃアーロとフィンは? みんなはどうするの?」
ここに残るものが不安で聞く。しかし返答は帰ってこず、ライアンに担がれ路地へと逃げていった。
「大丈夫か」
「大丈夫。それより戻らなと」
敵はどんどん増えている。だから逃げている場合ではない。俺はライアンから逃れて戻ろうとする。
ズーン!!
しかし、ライアンにずつきされ倒れた。
「ッ‼」
「お前は周りが見えていない! 落ち着け!」
ライアンの言っていることがわからない。
「他のやつはとっくに逃げている。残っているのはアーロとフィンだけだ」
「え? ……でも1頭俺じゃないと動かない赤兎馬がいるよね?」
「馬車3台で逃げたからな。だから、俺たちも逃げるぞ」
「いたぞー」
そのとき、後ろから声がした。暗くてよく見えないがおそらく魔族の兵士だろう。こちらへ走ってくる音が聞こえる。
「逃げるぞ」
「うん。……うわっ」
俺はライアンに言われた通り前へ走ろうと立ち上がった時疲れからか足がもつれて転んでしまった。
「くそっ」
すぐにライアンに背負われ走り出す。
後ろからは俺たちを追う音が聞こえてくる。一人を背負い走っている人間と重い武器を携えた魔族の兵士どちらが速いかなど分かり切っている。
「うわっ」
突然後ろにいた魔族たちが悲鳴を上げた。
「チャンスだ。このまま逃げるぞ」
「うん」
ライアンは俺を降ろし、俺たちは逃げるため走る。しかし、まだ何か追ってくる。しかも足音が魔族とは違うような気がする。しかし、どこかで聞いたことのある足音だ。気になって振り返る。追ってきているのは赤兎馬だった。それも、耳がかなり長い。俺が引いてきた赤兎馬だ。
「ヒィ~ン」
赤兎馬は俺のところへ着くと止まり、姿勢を少し下げた。そして、いななく。
「乗れってこと?」
質問をするとうなずいた。馬に乗ったことはないがこの馬は行きたいほうへ行ってくれる。大丈夫だろうと思い俺は馬にまたがった。
そのまま姿勢を戻して、走ろうとする。
「待って待って、待って。ライアンも」
そういうと、赤兎馬がすごくいやそうな顔でライアンを見ている。ライアンは魔力が少ないから難しいのだろうか。
「大丈夫だ。俺は走って……にげるから……」
ライアンは気にしないでいいよと言っている最中赤兎馬は姿勢を低くした。「いいよ」っていう合図だろう。
「ライアンいこう」
ライアンは俺の後ろにまたがって赤兎馬は走り出した。
「赤兎馬ありがとう」
そういうと赤兎馬は嬉しそうに嘶いた。
「なんでこいつお前にそんななついてんだ? 元は魔族たちのだろう」
「なんでだろ?」
……魔力多いとなつくのかな? でも他の馬は別段俺になついてないけど。一緒にいた時間? 4日だよ。
「天馬」
唐突に名前を付けたくなってつぶやいてしまった。
「は?」
「この子の名前。名前あったほうがいいでしょ? こんだけなついているんだから。天馬よろしくね」
「ヒィ~ン」
「バカ魔物に名前は」
そのとき、俺の体から魔力が抜けていった。そして、天馬が光りだした。しかし、元々魔力がなかったので天馬の上で寝てしまった。
「起きろ、起きろ」
「……ん。っん」
起きると目の前に建物の屋根と壁と半分まであがった太陽があった。
「へぁ?」
俺たちは屋根の上にいた。どういうことと思って後ろのライアンの方を見ると天馬の背から白い翼がでていた。体は赤いまま。鬣やしっぽの毛は茶色から黒に変化している。ただ耳は変わらずウサギのように長くてペガサスぽくない。
「え? え~? どゆこと?」
困惑しかない。どうして天馬から翼が。赤兎馬って羽生やさせるのか。
「魔物にとって名前は重いものなんだ。お互いが認め合って初めて名が付けられるんだ。名前を付けると魔力を奪われ魔物は主が望む姿へ進化するんだ」
それで、飛べるようになってこんなところまで行けたのか。納得した。名前をつけたら姿が変わる作品とかあったし。
「は?」
……いやいや納得できない。信頼? 4日だぞ。それに俺飛びたいとか、考えたっけ?
天馬はイナズマイレブンギャラクシーにでてくるペガサスレッドにうさ耳足した感じ。名前は馬に羽といったらこの字しか浮かばなかったからそのまま。




