閑話 いつもの戦い方
キリュウと別れてから俺、アーロ、ライアンで騎士寮に向かう。ほとんどの魔族をアルカイドに送ったのか騎士寮までは魔族に1匹たりとも出会わなかった。
騎士寮は3階建てだ。ということは1人1階が適切だろう。
「アーロは3階、ライアンは2階を頼む」
2人にそう指示をだして、前に歩き出す。足音がたたないよう静かに。部屋のドアを開けると中にはゴブリンが1人。眠っていた。俺は剣を喉に刺し即死させる。
次の部屋、次の部屋へと進んでいき、あと1部屋で最後というところで上から戦闘音が聞こえてきた。その音で目の前の部屋からゴブリンが槍をもち1匹出てくる。
俺に気づき、戦闘態勢をとろうとするが遅い。ゴブリンに突っ込み一撃で心臓を貫いた。
……1階は終了か。
一息つき、息を整え、戦闘音に集中する。
……2階か。ライアンが向こう側だな。
足音で敵とライアンの位置を把握し、魔法の準備をする。手のひらの前に魔力を集中させ、火の球を出す。火の球が十分な大きさになったらライアンに当たらないよう再度狙う場所の確認をしファイアボールを放つ。
ドゴーン‼
天井が崩れ、下から緑色の魔族が落ちてくる。
……ミノタウロスか。
「あっぶね」
上でライアンがこちらを覗きながらそうつぶやく。
「あー、やってくれやがって。賊が3人か」
ミノタウロスがそう聞いてくるが答えるつもりはない。剣を構え、ミノタウロスに迫る。
ミノタウロスの斧と俺の剣がぶつかり合う。そこへ上からライアンが剣を振り下ろしながら降りてくる。ミノタウロスは気づいたのか後退し、それを避けた。
……それなりに強いな。
「フィン2人で行くぞ」
ライアンがミノタウロスに迫り、俺は剣を降ろし魔法の準備をする。手のひらに火の球を作り、それを自分の足元へと置く。置き弾だ。キリュウみたいに複数ファイアボールを出せたらもっと効果がでるのだがあいにく俺は一つしか出せない。
準備が完了したので俺もミノタウロスに迫る。2人で相手を殺すというより相手を動かす戦い方をする。いつもの戦い方だ。2人で敵を動かし、アーロの弓で相手の頭を打ちぬく。ホムラと戦うときもキリュウを後衛に3人で動かす作戦だったのだが、俺が仇を見て、冷静になれなかったのと、ホムラに火の魔法が効かなかったことで失敗した。
……発射!
指定の場所に動かし、ファイアボールを放つ。ミノタウロスは壁に激突し、ミノタウロスの重さと魔法の威力で壁を破壊された。そこへ俺が斬りこむ。しかし、これは防御された。だが、だいぶ弱っている。不意を突いたとはいえミノタウロスなら人間より力が圧倒的にあるのに力押しで吹き飛ばすことに成功した。
「隊長‼」
そこへ騎士寮の入り口の方からコボルトが2匹やってきた。
「ライアン、頼む」
「あぁ」
俺は破れた壁から外へ出る。
……さすがだな。ミノタウロスはもう立ち上がり、構えていた。
俺がミノタウロスの元へ歩いていると城から火の弾が飛んできて魔族を6匹殺した。
ミノタウロスが城の方を向く。
「賊が、まだいたか‼ ……いったいお前たちは何をしている‼」
そのまま、ミノタウロスが援護に入った魔族4匹を斧で殺す。
……強いが、バカだ。
5人相手となると少し難しかった。キリュウの援護があるとはいえ、キリュウの魔法がどこへくるか予想がつかないので助かる。
火の弾がミノタウロスへと飛ぶ。と同時に俺もミノタウロスへ突っ込む。ミノタウロスは斧でキリュウの魔法を防ぐ。が、俺は注意が向いていない左腕を斬り落とした。
「ぐっ」
……休む暇など与えるか。
そのまま肉迫し剣と斧がぶつかり合うが左腕をなくし重心がうまくとれないのか俺の剣をすべて防ぎきれず体にいくつも傷を作る。
「はぁ、はぁ。ここまで追い詰、んっ」
……喋る暇など与えない。お前はもう殺されるだけだ。
腰に剣を突き刺す。あとはこれを胸の方へ上げるだけで俺の勝ちだ。
そこでミノタウロスが上から斧を振り上げてくる。剣は腰に突き刺さって抜けない。
俺は剣を離し右へとかわす。そのまま右側の腰にあるナイフをとりミノタウロスの首に突き刺した。
「っ……」
ミノタウロスが斧を落とした。腕を回し首をえぐる。
カランコロン
筋肉が弱まったのか腰に刺してあった剣が落ちた。そしてミノタウロスが牛ろへ倒れた。
……絶命確認。




