21-臭い
1日かけてポラリスの近くまできた。次の日は俺とライアンで拠点周辺の捜索をし、アーロとフィンはポラリスへと最終確認のため偵察へ行った。
そしてアーロの話から3日後。迎えた決行の日。
「では、作戦を言います」
アーロがホムラ攻略のための作戦を言い始めた。
「ポラリスには3つの国境門があり、そこに警備が集中しています。逆にそこ以外はたいしたことがありません。国に入ることができたら城へは簡単にいけるでしょう。だから、ここにある抜け穴から国に入ります」
アーロが地面に簡単な地図を描き壁の1か所を指していった。
「城に入ってからはフィンの案内でホムラのもとへ行きます。それでいいんですよね」
フィンはアーロの問いにうなずいた。
「では行きましょう」
ポラリスの国境門近く。近くには魔族一体もみつからない。壁にある穴まで誰にも見つからずに到達することができた。
「ここから入ります」
穴をくぐりぬけてポラリスに入る。
「ここがポラリス……」
街並みは完全に廃墟と化していた。崩壊した家や焼け焦げた家がずっと並んでいる。
街を呆然と見ているとアーロが声をかけてきた。全員穴を抜けたみたいだ。
「いきますよ」
目に見えるなかでゆういつ残っている建物城へ向かって全力で走る。アーロが言っていたように魔族は全く見えない。何事もなく城へとたどり着いた。城付近にも魔族は全く見えない。
城は堀で囲まれて橋が一つだけかけてあった。
「なんでこんなに誰もいないんだ?」
「わかりません。偵察のときから門の付近や城の中にはいますが街にはまったくいませんでした」
そこからフィンを先頭にして走る。フィンはまず堀に飛び込んだ。
……え?
アーロもライアンも迷わず堀へ飛び込む。堀は水が濁ってて底が見えない。
ここで迷って残るわけにもいかない。とにかくわからないが堀の中へ飛び込んだ。
「……わっぷ、わっ、わっ」
……溺れる。溺れる。
そう俺は泳げないのだ。体力がつきもしかしたら泳げるかもしれないと思っていたがやはりだめだったようだ。
溺れそうな俺をフィンが気づき肩を担ぎながら先へと進む。
息を止め目をつむりフィンにすべてを任せて流れていく。
……臭い。
あまりの臭いに鼻も指でふさいでいく。
顔の周りに水がなくなったと気づき目を開け息をした。そこは下水道のようなところだった。まっくらで足がつかるほどの水が流れている。
……もし、本当に下水道だとしたら当然糞尿なんかも流れているよね。どうりで臭いはずだよ。
フィンは全員が来たことに気づき奥へと歩いて行った。
下水道を奥へ奥へと歩いていく。目が暗闇になれ多少は見えるようになったがそれでも先が見えない。
「ここだ」
だいぶ歩いたところでフィンが唐突にそう言い出した。そこには木製の扉があった。フィンは扉を開け中へと入っていく。
扉のなかは狭い階段だ。階段をあがるフィンについていく。
そのあとも階段を上ったり、下りたり、狭い通路を通っていく。
そして、またあった扉の前でフィンが止まった。
「この、……先が王の、寝室だ。この先にいるとお、もう」
つまり、ここを抜ければ戦闘が始まるのだ。全員息を整えこれから闘いの準備をする。
「いきますよ」
アーロの小声の掛け声で扉を開け飛び出した。




