20-敬礼ポーズなんかないのかな
1月ほどいたこの国と離れる時が来た。アイゼンベアードを倒してからの日々は特に何もなくいつも森へ行って狩りをするかルーカスの家で訓練をするかだった。
もちろん魔力を増やす行為もアーロ、ライアンと行った。まぁそのせいかおかげかでだいぶ魔力が上がった。
----------------------
キリュウ
年齢19
魔法熱
魔力4278
経験回数 17
----------------------
本当は2週間で発つ予定だったが俺の装備ができるまで待つことになったそうだ。
ライアンの父親ルイスに作ってもらった装備は上は赤黒く、ダッフルコートみたいな装備。下は長ズボンである。ものすごく暑そうな恰好だが肌が見えていたら装備の意味がないからと、俺自身が戦闘中に熱血を使うせいで体温が上がり周りの温度とか関係なくなるからそういう装備になった。さらに、余った革でグローブも作ってくれた。グローブはサービスでなんかかっこいいからくれるそうだ。
できた装備を着て出発の準備をする。カバンの中には衣服や保存食が入っている。準備を終えたら酒場の1階へと向かう。ライアンとフィンはすでに待っている状態だった。
4人合流したのでアーロが宿代を払い酒場を出て門へと向かう。
「おう、行くのか」
酒場を出ようとしたときマスターが声をかけてきた。
「はい、行ってきます」
「死ぬなよガキども」
「はいっ」
それぞれが返事をし、俺は右腕を頭に持っていき敬礼のポーズをとり店をでた。
「なんだそれは」
ドアが閉まる直残そんな言葉が聞こえた。こっちでは敬礼ポーズなんかないのかな。もしかしたらポーズが違うのかも。
この国へ来た時と同じ道を通り森の中へ入る。俺も背訓練の成果なのか来た時はかなりつらかったが今回は大変だがそれでもマシになっている。そして、日が沈む時間にあの洞窟へとついていた。以前は2日かかった大変な道が1日で踏破できる距離になっていた。
その日の晩はこっちにきて初めての夜を過ごした洞窟で野宿だ。以前はフィンが火起こしをしていたが魔力が最も多い俺がその仕事をすることになった。魔法で火が起こるって楽だね。現代サバイバルだったら風を防いだりしながら気を付けてマッチやライターで紙に日を付け、木炭とか薪に火がつくまで気をつけなくちゃならないのに、魔法を使えば簡単に火が付く。
かたいパンとお湯で夕食をとる。あぁ、今思えば街での食事がなんと贅沢だったか。香辛料でできたカレー、日本に比べればかたいがそれでもこれより柔らかいパン。串焼きや果実などいろいろな食べ物があった。
……あ~、異空間収納みたいなチートアイテムがあればなぁ~。
「ではこれからの行動についてお話します」
突然アーロが真剣なまなざしで話し始めた。
「私達はあることを目標にして動いています」
「あること?」
「ポラリスに住む四天王ホムラの討伐です」
四天王。やばそうだな。
「ポラリスはフィンの故郷であり、いわばこれはフィンの復讐でもあります」
アーロがフィンを見て言う。つられて俺とライアンもフィンに目を向ける。全員から視線を受けたフィンは構わずパンを食べている。何か話す気は一切ないそうだ。
「ポラリスは10年前四天王ホムラとその配下たちの手により陥落しました。フィンはその生き残りです。キリュウさんが囚われていたときのゴブリンたちもポラリスに向かっていたと思われます。ポラリスは鉱石の国と呼ばれていて、金属の一大産地でしたが陥落して以来鉄や金なんかの金属が高騰したり魔族の装備が向上してかなりの影響がでました。これから戦う魔族たちは鎧を着て武器も持っていると思います。次にホムラですが、ホムラの魔法は炎を操ったり、爆発を起こす魔法のようでポラリスの人々や建物を焼き払ったそうです」
……それめちゃくちゃ強いよね? 勝てる、4人で?
「国の魔族たちとも戦わないといけないよね? 勝てるの?」
「魔族たちとは戦いません。あくまで倒すのはホムラただ一人です。そのために今までポラリスに潜入していろいろとホムラがいるところへの経路、警備体制などの情報を得てきましたから」
アーロの作戦からは戦闘というより暗殺に聞こえる。
「明日はポラリスの近くまで行きそこを拠点に最後の情報確認。3日後ホムラを倒しにいきます」




