2-彼女が作れないじゃないか!
目が覚めると洞窟で寝ていた。キャンプ地の中にはだれもいない。
昨日はあれからの記憶がない。
……たしかこの世界のことを説明されているうちに……。うん。あれは夢だ。夢だ……。
考えてもみろ。初対面のそれも同性をいきなり襲うやつがいるだろうか。否、いない。そんなの世界観共通。地球だろうが異世界だろうがいるわけがない。
「ウィンドウ」
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ソウキ
年齢20
魔法熱
魔力810
経験回数1
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……あ、はい。夢ではなかったんですね。俺の常識、ここでは非常識。
魔力が増えていた。
どうやらここでは初対面の同性でもところかまわずやる文化のようだ。
……てか、810て悪意あるだろっ。この魔力誰が決めてんの? 神様か。神様はあの先輩をご存じなのか?
服を着て外へ向かう。服は相変わらずの匂いだった。
外へ出るとアーロがいた。
「アーロ昨日のことなんだけど……」
「ああ、昨日の説明の続きですね。では朝食を食べながら話しましょう」
「いや、それも大事だけど、その~、あの~。セック……」
「はい?」
「男同士でセックスやるのはどうかと思います」
「あ~、そうゆうことですか。それについてもあとで説明しましょう」
そうして全員そろって朝食が始まった。朝食は干し肉だった。
……そういえば、昨日は何もたべてなかったなぁ~。
「では、昨日の説明のつづきを始めます。まず、尋ねますが魔力は増えましたか?」
「うん」
「ちなみにいくらくらい増えましたか?」
「810」
「え?」
……え? なにその反応。もしかしてこの世界にも810は何かの隠語とかあるの?
「すみません。あまりの量に驚いてしまって。それだけ魔力があるなら魔法使いになれそうですね。」
……あ、多かったから驚いたのか。これはチート主人公になれるのでは。
「このように人間は魔法を得て、性行為をすることで魔力が増えるようになりました。魔法を得てからは人間は魔族とも対等に戦えるようになったのです。ただ、魔法を得てから魔族は女性だけを狙うようになりました。この近くにあるアルカイドという国には女性はいません」
女の人がいない。その事実は俺に衝撃を与えた。
……だって。それって。彼女が作れないじゃないか!
「女性がいなくなってから世の男性は性行為を行えなくなりました。男性の性欲はどんどん高まり、魔力も増やすことができなくなりました。ただ、最近になって男性同士で性行為を行う人が現れました。そうしたら魔力が増えるようになったのです。だから男性同士で性行為をするようになったのです。」
……つまり、この世界はゲイしかいないのか。なにその世界。ヤダ。
「なあ、坊主それだけ魔力が多いんだ。俺たちと一緒に魔族と戦わないか。」
「でも、俺戦闘の経験なんてないけど」
「私たちが教えます。魔法使いがいると僕たちとしても戦いやすくなると思うので」
……異世界転生といえばチートとハーレムだ。そのうちのハーレムが失われたのだ。もうチートしかない。チート主人公に俺はなる。
「うん。戦うよ」
そう言って干し肉を食べた。
……まずい。
異世界初の食事は塩が効いたかたい肉から始まった。
小説読んでいたら自分も何か書いてみたくなって始めて見ました。
楽しんでいただけたら嬉しいです。