13-火柱
火柱が熊を燃やしている。これは俺が仕掛けた罠だ。
俺は踏んでも発動しないのだが、誰かが踏むと地面から炎の柱を吹き出す。
俺は熊とアーロの戦闘へ向かっているとき戦いやすそうなこの場所にこの罠を仕掛けた。
熊が木をドンドン倒し、飛ばしてくれたおかげでちょうどあまり木がない空間ができていた。この木がない空間なら火力は気を付けないといけないが森を燃やさずに戦える。といっても、切り株とかもあれば、葉も落ちているのだが。火が木を伝って上の方まで燃えにくそうではある。
それに周りは木々に囲まれているから隠れるのにも最適だ。
そしてこの魔法。『火柱』は踏んだら足元から炎が噴出する魔法だ。熊を倒すときどうやったら殺せるか考えたときこれを思いついた。
火柱に込めた魔力がなくなったのだろう。火が消えてそこから前進焼けた熊が出てきた。
「まじかよ……」
生きていた。その熊は前進を焼かれてもまだ生きている。
しかし、熊が燃えている間に木の陰に隠れたからこちらの位置はばれていない。
「次はプランBだ」
プランAはファイアボールでヒット&アウェイしながら罠までおびき寄せる作戦だった。しかし、これでは熊を殺しきれなかった。
次のプランBは火力のごり押し。つまり、熊の周囲でファイアボールの連射だ。
ファイアボールを体の周りに5発同時に球を出して熊に向かって放つ。
火の球は出してからある程度操作することもできる。だから、ある程度だしたら自分から遠ざけて放ち、多角的な攻撃をする。
あたりはしているがあまり効いてないように思える。
熊が俺がいる方へ突進してくる。
「とわっ」
とっさに違う木の後ろへと飛び逃げるとさっきまで後ろにいた木が飛ばされていた。
……あぶない。
熊の方を見ると目があった。ひらけたこの空間を熊から逃げ回るように全力で走る。
ドーン!
そして、俺が仕掛けた火柱にまたかかった。
「何個か作っててよかった」
火の球を出し火柱の周りに置いたまま、火が消えないうちに木の後ろへ隠れる。火柱が消えてもその熊は立っていた。
「いけ」
置いてある火の球を熊めがけて発射するも全然効いているように見えない。
……うーん。中まで火が通らないとかかな?
今の熊は外がこんがり状態だ。それでも生きれるということは暑い毛皮で心臓や頭などの重要なところを守ているということなのだろう。
正直外側が焼けてもまだ生きるとかいう生命力がわけわからない。もう倒せそうなのにそれでも倒せない。
「こうなったら最終手段だ」
最終手段。それは突撃。アーロに言われた魔法使いの戦いでもないし、実際にこれで倒せるかもわからない。
でもこれだけやっても死なないところを見るとこのままやり続けても無駄な気がする。
熱血で体を覆っている熱を右手に集め、そのままドンドン熱くなるようにイメージする。そうしているうちに手が黄色く光りだした。
「はあああああ」
俺は思いっきり熊に向かって突撃をした。狙うは首。首を焼き切れば脳の伝達が体に伝わらず生き物は死ぬ。それに、胸や頭は自然と手で守ろうとするかもしれないけど首はあまり守らないし、一番細い。
熊は腕を広げて待ち構えている。そのまま両腕で止められた。このままじゃ手が熊の首まで届かない。
そのまま、抱き寄せ熊が腕と体を使ってつぶそうとしてくる。
「うぐっ」
……このままだと抱き殺される。でも、届く。
首めがけて思いっきり殴った。
「いっ」
しかし、熊の首は硬い。それでもあきらめず手を広げ首とつかむ。
「ああああああっ‼‼」
熊の首と密着していた手が突然滑って熊の首を貫いた。
熊が抱きしめていた手も緩み俺は熊から解放される。
顔を上げると熊の首が溶けてなくなり頭と体が離れていた。
そしてついに熊が倒れた。
「はぁ、はぁ」
中腰になり肩で息をする。
……疲れた~。死ぬかと思った~。
「キリュウさん大丈夫、です……か?」
アーロが森から飛び出てきた。倒れた熊を見て驚いた顔をしている。
その後ろからライアンとフィンも出てきた。
「あっ」
熊が倒れ緊張が解かれたのかはたまた、3人が来て安心したのか急にめまいがくる。動くことも難しい感じだ。
俺はそのままぶっ倒れた。




