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異世界転生してもハーレムは作れません  作者: ミカン
第一章 女のいない世界
12/84

11-やった

「ファイアボール」


 ……あれ? 昨日の夜に比べて球が出るのが遅い。


 2日目の初めはまた失敗に終わった。昨日あれだけ練習して最後の方にはラグがなくなり解決したと思ったのにまたもやこの問題が発生した。自転車に乗れたときみたいに1度できても次できるものではないようだ。


「フィン。ファイアボール撃つとき唱えてから魔法が出るまでに時間差があるんだけどこれってどうやってなくしているの?」


 今日の最初の監督はフィンだったので聞くことにしてみた。フィンは昨日すごい早さで魔法を放っていた。だから解決策はあるのだろう。

 しかし、フィンの答えは俺の予想と違っていた。


「……ならない」

「え?」

「なくならない」

「でも昨日フィンは唱えてからすぐだしていたよね」


 早すぎて見えなかったから多分だけど。


「俺は……唱え……ない」


 ……唱えてない?


 確かに、昨日フィンの口からファイアボールと聞いていない。でもそれは小声で言っていると思っていたがまさか唱えてないとは。

 ということは唱えなくても魔法は放てるということなのではないだろうか。


「ファイアボール」


 適当に呟いてみる。しかし、火の球は出なかった。魔力も減っていない。


 地面に手を向けてファイアボールをイメージしてみる。火の球が出てくる感じを思い描くと手の平に火の球が出ていた。それを発射を思い浮かべるとその球は地面に向かって飛び出した。


 ……あぁ、呪文はそういう感じね。


 呪文はただイメージしやすくするためだけのものか。別にファイアボールと言わなくても火の球を出そうと思えば出るし、発射と思えばすぐ出る。

 水平リーベとか言ったら元素周期表が思い浮かべやすくなるのと一緒でファイアボールと言ったらこの魔法が思い浮かべやすくなる。それだけのことだ。


 ……これでラグなくなったりして。


 火の球が出る感じその後すぐ発射する感じをイメージしてみるがファイアボールと言ったときと違いが分からない。もしかしたらコンマ1秒くらい早いのかもしれないがわからない。


「しゃべらなくて気づかれにくいのが利点かな」



 いた。


 見つけた動物は昨日最後に逃がしたウサギだった。

 昨日と同じように忍び足で近づいていく。

 

 よし位置に着いた。


 俺は木の影に隠れて火の球を作って準備をする。草を食べているウサギはまだこちらには気づいていない。


 木から体半分を出し、腕をウサギに向ける。


 ……直径1cmくらいの火の球を出し、それをすぐ発射する。



 撃った球はウサギに向かって一直線に向かいウサギに直撃した。


 ……やった。


 ウサギが転がっているところまで行く。ウサギを見ると足を火傷して動けないだけでまだ生きていた。


「おいしくいただきます」


 ウサギに手を向け目をつぶり、とどめのファイアボールを放つ。


「ふぅ」


 達成感で体から力が抜けていく。


「お……めでと」


 離れていたフィンが出てきてそう言った。


「ありがとう」

「ただ、目はそらすな」

「はいっ」


 フィンにすごい目力でそう言われた。とぼとぼ喋るフィンがはっきりと注意してきて背筋に緊張感が走った。



 昼食はウサギの丸焼きだった。少し焦げている。

 昨日食べたカレーの方が手間も材量も凝っていて絶対おいしいはずだが自分で狩った若干焦げたウサギの方がおいしく感じた。


 ……これが大人が感じている『仕事終わりのビール』なのか~。


 午後からも狩りは続く。監督はアーロになった。

 次に狙う獲物は鹿だ。隠れて近づき木に体を隠しながら魔法を放つべく火の球を準備する。

 そして木から半身をだし、火の球をだす。


「待ってください」


 魔法を出そうとしたときアーロが急に静止の声を上げた。ただ、俺はアーロの静止の前に魔法を止めていた。

 それは一瞬で目の前に現れ、鹿を殴り殺した。あまりの出来事にイメージが途絶えてしまった。

 そこには熊がいた。獰猛な目をした。そして最悪なことに木から半身が出ていたせいで熊と対面しこちらを睨んでいる。

 まるで『次のターゲットはお前だ』と言われているように。

読書に夢中になりすぎて1週間投稿できませんでした。ごめんなさい。

PV数がリア友の数*話数より多いのに驚きました。読んでくれてありがとうございます。

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