45.温泉大作戦
俺はプールの脇にあるベットでくつろいでいた。
「ばあ!」
いきなり目の前に、ミルキが出てきた。
「何をしにきた?」
妹のルーシーはそう言うと俺とミルキの間に入ってガードしてくれた。
「ジーコ、一緒にお風呂に入りに行こうよ」
「夜に襲いにきたお前と風呂なんか行くわけないだろ」
「嫌だな〜〜、同じガーディアンとしてコミュニケーションを取ろうとしてただけだよ」
「夜に何のコミュニケーションするんだよ」
俺とミルキが話しているとエミリアが来た。俺はエミリアが身につけている水着を見てびっくりした。ほとんど紐のような水着でエミリアの豊満なボディーがほとんど見えていて目のやり場に困った。
「エミリア会長とてもセクシーですね」
ミルキが言うとエミリアはとても喜んでセクシーポーズをして見せた。ますます目のやり場に困った。
「何を話していたんだ?」
「エミリア会長聞いてくださいよ、ジーコはここにきてずっとシャワーしか使ってないんですよ」
「何? 本当か? 勿体無いぞここの温泉はセンチュリオンでもかなり有名で、入ると全身がすべすべになるんだぞ」
エミリアはそういうとベッドで寝ている俺の上に四つん這いの格好で乗っかってきた。目の前にエミリアの豊満なバストがあって目のやり場に困った。
「ちょ……エ……エミリア……そ…その退いてください」
「なんで? 恥ずかしがらずに私と一緒に入るか?」
エミリアに迫られ今度ご一緒します、とだけ言ってその場から退散した。
◇
その日の夜目が冷めてしまった。俺は昼間エミリアに言われたことが頭をよぎった。
『ここの温泉はセンチュリオンでもかなり有名だぞ』
俺は何故か無性に温泉に入ってみたくなり、とりあえずパルタの部屋に行った。
部屋のドアをノックするとパルタが出てきた。
「こんな夜中に何の用?」
「パルタ、いま温泉に入っている人はいるか?」
俺がそう言うとパルタはしばらく沈黙した。ストレイシープに通信しているのだろう。
「……居ないわよ……それがどうしたの?」
「そうか……温泉に入ろうかなと思って」
「それだけ? もうしょうがないわね。んーーー、データーから見てこの時間に温泉に入る人はいないわね」
「本当か? よし温泉に入りに行こう」
そう言うと俺はパルタを連れて温泉に行った。
ビルの最上階にある温泉はとても広くて眺めも最高に良かった。パルタの言う通り誰も人が居なかった。こんなに広いお風呂を独り占めできると思いうとテンションが上った俺はパルタにお願いをした。
「誰も人が居ないから男の姿に戻せないかな?」
「大丈夫だけど……なんで?」
「女の体のままだと……その……体が洗いにくいんだよ」
「んー、そういうものなの? まあいいわ」
そう言うとパルタはこれでいい、と言って俺を男の姿に戻した。
久々に男の姿に戻った俺は嬉しくてテンションが最高潮だった。すぐに裸になって温泉のドアを開けながらパルタに言った。
「誰か来たらすぐに女の姿に戻してくれよ」
「わかったわ」
俺は誰も居ない温泉に入ると体を伸ばして目を閉じた。
(エミリアの言っていたとおり、ここの温泉は最高だな)
俺が目を閉じてリラックスしているとジーク、とパルタに呼ばれたので、目を開けるとパルタが立って居た。
「な…どうした?」
「何者かがこのホテルのコンピュータに不正にアクセスしているわ」
「なに? 何のために?」
「わからないわ」
パルタは少し沈黙のあとまた口を開いた。
「プレア皇女のハイカーが制御不能になったこと、覚えている」
「ああ、原因はわからないと聞いているが?」
「そうよ、でも何者かがハイカーのコンピューターをハッキングした形跡が見つかったの」
「何だと? 本当か?」
「はっきりとした形跡は見つかってないので、なんとも言えないのだけど……」
「パルタが見てもわからないのか?」
「ええ、ほんの僅かしか証拠を残していないの」
「ネオAIのパルタが見てもわからないなんてことあるのか?」
「もし何者かの仕業だとしたらそいつはかなりの優れたハッカーである可能性が高いわ」
「今、コンピューターにアクセスしようとしている奴がそいつの可能性があるのか?」
「どうかしら? ここからではなんとも判断の仕様がないから少しここから離れるわ」
「俺も一緒に行くよ」
「いいえ、あなたと一緒だと相手に気づかれる可能性が高くなるから私一人がいいわ」
「そ……そうか、わかった。なるべく早く帰って来てくれよ」
「ええ。もちろんよ、相手がわかったらすぐに帰ってくるわ」
「ああ、そうしてくれ」
そう言うとパルタはいなくなった。
俺は温泉にゆっくりと浸かって体を休めていた。エミリアの言う通り体を触るとすべすべになっているのがわかった。
(こんなにいいんだったら毎日この時間に入ろうかな)
俺がそう思っていると『ガラガラガラ』誰かが風呂のドアを開ける音が聞こえた。
俺は咄嗟に温泉の中にある大岩の影に隠れた。一瞬パルタが帰って来たのかと思ったが、パルタであれば実体がないので、ドアを開けることはない。
大岩に隠れながら入って来た人物を見てるとエミリアだった。
(まずい! この状態で見つかったら一生牢屋暮らしになってしまう)
見つからないように身を潜めて遠くに行こうとした時、『バシャ』と小石が湯船に落ちる音がした。動いた時に波ができて側壁の小石を動かして風呂に落下したようだった。
「ん? 誰かそこにいるのか?」
エミリアが音に気づいてこっちに向かってきた。温泉の湯気で遠くであれば気づかれることはないが、流石に近くに来れば気づかれるだろう。俺は目だけを湯船から出して息を殺して隠れるしか無かった。近くにきたエミリアと目が合った。
「え? お……お前は? ジークか?!!」
そういうとエミリアはどんどん近づいてきた。
「エミリア会長!」
エミリアはいきなり後ろから呼ばれたので、ジークから目を逸らして振り返るとパルタが立っていた。
「お前は? パルタか? どうした? 服を着たまま入ってきて、そうだ、ジークがここにいるのだが?」
エミリアが俺の方を見たが、すでに俺はパルタに女の姿に変えられていた。
「あれ? そこにいるのは……ジーコだったのか? ジークに見えたんだが、私の見間違いだったのか? それにしてもジークに似ていたな……さすが兄妹だけのことはあるな」
俺は何とか誤魔化せたという安堵の気持ちと長湯が祟りそのまま湯船に沈んでしまった。
「おい! 大丈夫かジーコ!!」
「大変エミリア会長! ジーコを助けてください」
「おい、しっかりしろ〜〜!」
◇
俺は、目が覚めるとベットの上にいた。
「おお、気が付いたか?」
見るとエミリアが心配そうな顔で見ていた。
「ここは?」
「私のコテージだよ」
「そうですか。もう大丈夫です」
そう言って俺が起きようとすると、エミリアが制した。
「無理に動かない方がいい、今夜は大事をとってここに泊まっていくといい」
「でも……帰らないと……」
俺がそれでも起きあがろうとするとパルタが俺の耳元で言った。
「だめよ、今帰るとルーシーやカレンやミルキにまた襲われるかもしれないわ。ここはセキュリティーレベルが他より高いから誰にも寝込みを襲われることがないわよ」
「本当か?」
「ええ、今は戻るよりここの方が何倍も安全ね」
「じゃあお言葉に甘えて一泊します」
「ああ。ゆっくり休んでくれ」
エミリアはそう言うと部屋から出ていった。俺はエミリアがいなくなったのを確認するとパルタに聞いた。
「ハッキングした相手は見つかったのか?」
「ええ、ドロイド星のゼノア皇女に付いてるキルというガーディアンだったわ。そいつらも大会に出場するためにこの宿舎に泊まっているわ」
「ドロイド星だって? どこかで聞いたことがあるな……ん? まさか?」
「そうよ、グロリアの生まれた星よ」
グロリアと聞いて一年前のインバルト星の事件が思い浮かんだ。インバルト星の第二皇女ソフア失踪にまつわる一連の事件でアル=シオンのドミニク大公とその部下のグロリアが絡む事件で大変苦労した思い出が蘇った。
「何者なんだそいつは? グロリアとの繋がりはあるのか?」
「まだわからないわ、ただガスパールが調べたところだと、キルという奴の祖父は有名なゼロというハッカーということがわかったわ」
「ハッキングして何をするつもりだったんだ?」
「さあ? そこまでは分からないわ、今ガスパールが調べてくれているので明日にはわかると思う」
「そうか、何にしてもドロイド星の奴らはマークする必要があるな」
「ええ、ガスパールとルーシーにもマークするように連絡はしてあるから今は彼女らに任せておいて大丈夫よ」
俺はパルタからそれを聞いて安心して眠りについた。
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異世界恋愛物語も新たに連載スタートしました。
題名:不滅のティアラ
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