44.リゾートホテルへようこそ
「すご〜い! すご~い! まるで空を飛んでるみたい〜〜!!」
カレンはエアープレーン内を興奮しながら走り回っていた。
俺たちが乗っているエアプレーンという飛行機は内部が全面モニターになっていて、外の景色が周りのモニターに映し出されていてまるで本当に空を飛んでいるような気持ちになる。
「見て! 見て! あそこに鳥の群れが飛んでいるわ!」
足元の雲の切れ間から鳥が隊列を組んで飛んでいるのが見えた。
カレンは床に四つん這いになってキラキラした目でそれを見ている。
「もういいだろ、早くこっちに座って食事をしろよ。スープが冷めちゃうぞ!」
ダイニングテーブルでコース料理を食べながらカレンを呼んだ。このエアープレーン内部は高密度圧縮無限空間技術が使用されていて、内部は体育館のように広い空間にダイニングテーブルがいくつも設置されていてグループごとに食事を摂っていた。言われなければここが飛行機の中とは誰も思わないだろう。
「前方に宿舎が見えてきたぞ!」
エミリアがそう言うとその場に居た全員が視線を前方に移した。見ると大きなビルのような建物が見えた。
「あれが宿舎? 大きなホテルみたいね」
ビルの周りには大小様々な建物があり、大きなプールが見えた。またホテルの前方に白い砂浜と海が広がっていた。
「宿舎というより、リゾートホテルみたいね」
◇
宿舎に到着したところで、エミリアがここの説明をしてくれた。まずは、大きなビルのようなホテルを指さして説明をしてくれた。ホテルは20階建てで中には食堂や会議室、いろいろな物を販売している店があり、高級な服や装飾品や水着も売っているそうだ。
また、ビルの屋上に巨大な温泉施設があり24時間いつでも入れる。食堂は10ヶ所あって和洋中好きな料理をいつでも食べることができる。
俺たちはビルに向かって歩いているとエミリアに呼び止められた。
「どこに行ってるんだ? 泊まるのはそこじゃないぞ」
「え? このビルのようなホテルに泊まるんじゃないのか?」
「宿泊施設はこっちだよ」
エミリアはそう言うとビルとは反対の方向へ歩き出した。ジャングルのように木が生い茂っている所に木の板を敷き詰めて小道にしてある遊歩道を俺たちは歩いた。しばらく進むと視界が開けて建物が建っていた。
「ここはプレア達のコテージだから、プレア達だけ入って。あと人たちは自分のお付きのアンドロイドに案内してもらってくれ」
エミリアはそう言うと先に進んでいった。
「カレン様こちらです」
アンドロイドのメルが立っていて俺たちを案内した。暫く進むとメルは大きなコテージの前に着くと立ち止まった。
「我々の宿舎はここです」
森の中に大きな建物が建っていた。
「ここ?」
「はい」
「ここに五人で住むの?」
「はい、そうです」
建物に入ると大きなダイニングテーブルがありその先に広々としたリビングがあった。
「すごい広〜い! ここを五人だけで使用するの?」
「はい、2階にも部屋が十部屋ありますので、どれでも好きな部屋をご使用いただけます」
2階の部屋の真ん中には大きなキングサイズのベットがあり、それぞれの部屋には大きなベランダが付いていた。
一階のリビングに戻り大きなガラス扉を開口すると目の前に大きなプールが広がっていた。
「すごい! 綺麗ね〜♡」
カレンはリビングから裸足で目の前に広がるプールに近づいた。
「お〜〜い!」
声のした方を見ると、ミルキが手を振りながら近づいてきた。
「ここがジーコのコテージなのか?」
「お前は?」
あそこ、と言ってミルキが指を挿した方をみると同じようなコテージが立っていた。よく周りを見ると俺たちの所と同じようなコテージがいくつも立っているのが見えた。
それぞれの建物に大会に参加する皇女達が宿泊しているのだろう、そしてそれぞれの建物のリビングの先がこのプールに繋がっているようだった。
プールの周りには白いベッドやソファーがいくつも設置されていた。プールの中央に建物が迫り出していた。メルの説明ではそこは24時間ビュッフェになっていて好きな時間に軽食や飲みのもを楽しむことができると言った。
「とりあえず何をすればいいの?」
カレンがメルに聞いていたが、メルも返答に困っていた。その時エミリアの声で放送が聞こえてきた。その放送によると午後五時にプール中央のビュッフェ会場で歓迎パーティーが開かれるので参加するようにということだった。
とりあえず俺たちはホテルに行って水着を貰ってこようと言う話で落ち着いた。
◇
(一週間〜〜、ん〜!)
夜中に自室に戻った俺はベッドの上で考え事をしていた。
歓迎パーティーでエミリアが言っていたことを思い出していた。なんでも大会が始まるのは一週間後と言うことだった。それまで各自ここで自由に過ごしていいというものだった。
俺がなかなか寝付けないでベッドで考えことをしているとベランダの扉がゆっくり開いて誰かが侵入してきた。
真夜中カレンがジークの部屋の前に来るとジークの妹のルーシーがドアに手をかけて扉を開けようとしていた。
「何してるのよ!」
「あなたこそお兄ちゃんの部屋の前で何してるのよ」
「わ……私は大会に向けて作戦会議をしようと思って……」
「大会に出場しないのに何の打ち合わせするのよ」
「あ……あなたこそ何してるのよ?」
「わ……私はお兄ちゃんと兄妹の絆を深めに来たのよ」
「どんな絆よ。そんな歪んだ絆深める必要ないわよ」
二人がジークの部屋の前で言い争っていると部屋の中から『ガシャーーン』と物音がしてジークの声が聞こえてきた。
「なんだ! やめろーーー!!」
あわてて二人が部屋の中に入ると、ミルキがジーコに馬乗りになって服を剥ぎ取ろうとしていた。
「あなた! 何してるのよ!!」
カレンがミルキに叫ぶと、ミルキが悔しそうに二人を見た。
「チッ! あともう少しだったのに」
そう捨て台詞を言うとミルキはベランダから飛び出していった。
俺はあと一週間も自分の貞操が守れるか不安になった。
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異世界恋愛物語も新たに連載スタートしました。
題名:不滅のティアラ
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