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創星のエクソダス  作者: 白銀 一騎
皇女教育惑星奮闘編
43/45

43.お披露目会

 俺たちはカレンのお披露目会の会場に向かっていた。会場の近くに着くと周りに人だかりができていた。


「そんなに人は来ないと聞いていたが、何かこの近くで別のイベントでもあるのか?」


「いいえ、このあたりで開かれる別のイベントはありません」


「まさか、この人達全員カレンのお披露目会に参加する人じゃないよな?」


「あり得るわよ、ほら。あれを見て」


 パルタがビルに設置されているハイビジョンモニターを指差した。


 ハイビジョンモニターには、昨日俺が暴走車に引きづられている映像が写っていた。俺と首にしがみついているパルタの姿もしっかりと写っていた。おまけにモニターに映っている俺達にはアル=シオンのカレンのガーディアンのジーコとパルタであると紹介するテロップまで写っていた。


 俺が呆然とそのモニターを見ているとメルが小さいディスプレイを持ってきた。


「昨日からずっとTVで繰り返し流れてますよ。ほら」


 そこには暴走車に引っ張られながらフライボードを操作する俺の姿が写っていた。


「あまり目立ちたくはなかったのに……」


「初日からヒーローね」


 パルタが他人事のように言った。


「誰のせいでこうなったんだよ」


「あなたが助けたいと言ったからでしょ」


「う……」


 俺が言葉に詰まっているとカレンが俺たちに言った。


「言い争っていても仕方ないわ、とりあえずハイカーから降りて会場に行くわよ」


 俺は観念してハイカーから降りる決心をした。もしかしたらこの人達は何か別の目的で来た人可能性もある。そんな淡い期待を持ちつつ俺たちはハイカーから降りて会場に向かった。


 俺たちがハイカーから降りた途端に会場に集っていた群衆から歓喜の声が聞こえてきた。やっぱり群衆の目当ては俺たちだったようだ。


「見て! アル=シオンのカレン様とガーディアンのジーコ様とパルタ様よ!!」


「キャーーーー、ジーコ様、パルタ様ーー!!」


 あっという間に群衆に囲まれてしまった。


「カレン様、私と友達になって!」


「ずるい、私も友達登録お願いします」


 カレンに皇女たちが押し寄せてくるのをメルは素早くガードするとすぐに皇女達に向かって言った。


「カレン様と友達登録したい方はここに並んでください」


 メルは端末を取り出して並んだ皇女たちのアドレスを入力していった。


 カレンはメルが対応してくれるが、俺は皇女たちに囲まれていた。


「ジーコ様、すごくかっこよかったですわーー」


「本当にかっこいいですーーー」


「今度一緒にお食事でもいきましょう」


「まって! 私と一緒に行きましょう」


「ちょっと! 私のほうが先に約束しましたのに」


 少し険悪な雰囲気になってきて俺が困っていると誰かがいきなり皇女たちを押しのけ俺の後ろから飛びついて来た。


「ジーコ♡」


 そいつは俺に抱きつくと首筋の匂いを嗅いでいた。顔を見るとミルキだった。そういえばプレア皇女もお披露目会に参加すると言っていたなと思い出していると、顔に生暖かい何かが触れた。見るとミルキが俺の顔をなめていた。


 離せ、と言って力を込めるが、ミルキはびくともしなかった。さすがガーディアンだけのことはある力が桁外れに強かった。


「ちょっ! や……やめろーー!!」


 俺は悲鳴に近い声を上げた。


「あなた! 何すんのよ!!」


 怒ったルーシーがやめろ、と言って俺からミルキを引き剥がしてくれた。


「なにすんだよ、キルギル星の挨拶をしていただけなのに!」


 ミルキが怒ってルーシーに詰め寄った。二人がにらみ合いを続けていると横からやめなさい、と声がした。見るとキルギル星のプレア皇女だった。


「それはキルギル星の挨拶じゃなくて、ミルキが好意を寄せた相手だけにする挨拶でしょ」


 プレア皇女はそう言うと俺の前に来て頭を下げた。


「命の恩人に向かって失礼をして、申し訳ありません」


「本当ですよ! ガーディアンは皇女様が躾けていただかないとダメですよ」


 エレオノーラも怒ってプレア皇女に抗議した。


「本当に申し訳ありませんジーコ様、ミルキは発情期になっていて見境がなくなっているようなんです。本当にあなたが男でなくてよかった」


 俺はドキッとしてプレアに聞いた。


「男だったらどうなるんですか?」


「確実にミルキに襲われます」


「そ…そうですか、は……はは…それは恐ろしいですね」


 抱きつかれた拍子に少しはだけてしまった服を直しながら言った。俺とプレア皇女は助け出されたヒロインと助けたヒーローということでしばらく会場に集った人の興味を引いていた。俺たちが皆からの注目を集めていると、少し離れたところで黄色い声援が上がった。


「キャー! エミリア様よーーー!!」


「キャー! 本物よー!」


 会場の皇女たちが一斉に叫びだしたので、声のする方を見るとエミリアが立っていた。エミリアは俺の方にづかづかと近づいて来て『ガシ!』といきなり抱きついてきた。


「大活躍じゃないかジーコ! 流石、私の婚約者の妹だけのことはある」


 ガッシリと抱きつかれて、エミリアの柔らかい胸の感触が全身に伝わった。


「チョット、く……苦しい……」


 俺が苦しがるとすぐに悪い悪いと言って解放した。

 

「今日はどうしてここに来たんですか?」


 パルタがエミリアに問いただすと、少し場所を変えて話がしたい、とエミリアが言ってきたので俺たちはエミリアについて行った。



「学園最強ガーディアン選手権ーーー?」


 俺たちはエミリアについて行って部屋に通されるとエミリアに学園最強のガーディアンを決める大会の参加を提案された。


「興味がないなそんな大会」


 俺は出場したくないので、真っ向から否定した。


「私もあまり出場はしたくないです」


 カレンも興味がないらしく俺の意見に同調した。


「カレン様、アル=シオンの名声を高めるいい機会ではないでしょうか?」


 なぜかラディアはすごく乗り気でいる。


「でも……危険だわ……」


「そ……そうだよ、そんな危険を犯してなんのメリットがあるんだよ」


 俺とカレンはラディアを説得した。ラディアもカレンにそう言われて何も言えずにいるとエミリアがカレンに言った。


「そうだな、メリットと言われると困るのだが、好きな場所を独占できたりすることかなー」


「そうですか……名声を得ること以外これと言ったメリットは無さそうですね」


「そうだなー、あとは、この学園の生徒会に入れるだけかな」


 エミリアがボソリと言った言葉にカレンの動きが止まった。


「なんですって! 生徒会があるの? 生徒会に入れるの?!」


「え? ええ、優勝すれば生徒会に入れる資格を待つ事になります。私も去年その大会でうちのリリイが優勝して生徒会長に就任できたんだよ」


 カレンの目が爛々と輝いている。そうだこいつは小学校の頃から生徒会という組織に入ることが自分のステータスになると本気で思っているやつなのだ、みんなのために何かをするということに生きがいを感じる人種だった。


「参加します。絶対に!!」


 カレンはエミリアの手を掴むと大会出場を懇願した。それを見た俺は焦った。


「お……俺は出場しないぞ」


「大丈夫だ、ガーディアン代表者一名だけの出場だから問題ない。」


 エミリアが俺たちに言った。


「ふん、意気地なしが! カレン様、こんな根性なしは放っておいて私が出場するから何も問題ないです」


 ラディアは俺を睨みながらカレンに言った。何も知らないで良い気なものだと俺は思った。


「よし、それで良いだろう」


 エミリアが話終わると同時に部屋のドアが開いてゾロゾロと人が部屋に入ってきた。その中にはプレア皇女とエレオノーラたちの姿もあった。


 プレア皇女とエレオノーラはカレンと俺達に気づくとすぐに近くに寄ってきた。


「カレンも大会に参加するのか?」


「え? プレアもエレオノーラも参加するの?」


「「そうだよ」」


「昨夜エミリア会長から話があってルーシーに相談したら出てみたいという事になった」


「なんで? ルーシーが出たいと言ったんだろう?」


 俺が不思議に思っているとルーシーが近くに来た。


「優勝すると生徒会に入れるんだろう? カレンが飛びつかないはず無いだろう」


(そうか、ルーシーも俺と一緒にカレンを守ってきたからこいつの思考は把握していたのか)


 俺が妙に納得していると、大会の出場者全員が部屋に入り終えたところでエミリアが会場の壇上に立って喋り始めた。


「今日は学園の最強を決めるガーディアン選手権に出場するチームにご参集いただいて感謝する。これから君たちは大会が終わるまで同じ宿舎で寝泊まりすることになるからよろしく頼むぞ」


「え? 宿舎?」


「そうだ、参加者は同じ場所で共同生活をする決まりになっている」


「そ……そうなのか? でも俺は参加しないから行かなくて良いだろ」


 俺がそう言うと周りの目が一斉に俺を見た。中には少し失笑している者もいた。


「何を言っている。皇女とガーディアンは一心同体だからいついかなる時も皇女に付き従うことになっているんだ」


 俺が反論する前にエミリアが遮った。


「ジーコも当然宿舎に泊まってもらう。心配するなこれから長い時間一緒に暮らすことになるんだから」


「一緒に暮らすって?」


「ああ、私も一緒に宿舎で共同生活を送ることになるからな」


 そう言うとエミリアは俺にウインクして、この先家族になるんだからお前のことや兄のジークのことを色々と聞かせてもらうぞ、と言った。


 俺は最悪の事態になったと思い肩を落として崩れ落ちた。


 俺が四つん這いになっていると上から誰かが乗ってきて耳元で囁いた。


「これからしばらく一緒だねジーコ♡ よろしく頼むね♡」


 声の主はミルキだった。俺は背筋が寒くなるのを感じて身震いした。


「よし! みんな! そうと決まれば宿舎に案内しよう!!」


 エミリアの合図で俺たちは半ば強制的に宿舎に行くことになった。 

読んでいただきありがとうございます。


下の☆☆☆☆☆に評価をつけて頂けると嬉しいです。


面白ければ☆5個、つまらなかったら☆1つで結構です。

感じたまま評価して下さい。


また、ブックマークの登録もできればよろしくお願いします。


異世界恋愛物語も新たに連載スタートしました。

題名:不滅のティアラ

小説のURL:https://ncode.syosetu.com/n9982hm/

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