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創星のエクソダス  作者: 白銀 一騎
皇女教育惑星奮闘編
40/45

40.本当の目的

 俺はゆらゆらと燃える焚き火を見ながらこれからのことを考えていた。すぐ横にはパルタが呑気に椅子に座っている。


 俺は広大な砂漠にある大岩の上でキャンプをしていた。砂漠の至るところに300メートルはある大岩が点在している。地球で言うところのモニュメントバレーに似たところだった。その大岩の一つの頂上で岩の上に座って焚き火を楽しんでいた。


 辺りは徐々に薄暗くなってきていたが、眼下には遮るものがなく遠くまで見渡せて気分が良かった。


 惑星センチュリオンは一階の学園都市部とこの二階の自然エリア(インフィフォレスト)の2つに分かれている。


 学園都市部の部屋にトランスファーというベットの様な転送装置があり、トランスファーの上で行きたい場所をイメージするとイメージと合ったインフィフォレストに転送してくれる。それにより惑星センチュリオンで生活している者は誰でも学園都市で生活しながら気が向いた時に気軽に大自然でキャンプを楽しめる。


 ルビオラ星のエミリア姫との再開のあと、ルーシーとカレンとエレオノーラの三人に詰め寄られ誤解を解くのに苦労したので疲れ果てていた。


 八年前ウロボロス海賊団からエミリアを救出した俺は、なぜかその後の流れでエミリアと婚約させられたみたいだった。それに気づいた俺はすぐに婚約を破棄してもらおうと思っていたが、その後のアル=シオンに帰って俺を待っていたのは、ドミニク大公によるライカ王の殺害や一人娘のカレンを亡き者にしようとする陰謀だったため、エミリアとの婚約のことなどすっかり忘れてしまっていた。


「はあぁぁぁーーー」


 俺は深い溜め息をついた。


「深い溜め息ね、どうしたの?」


 パルタが訝しげにこちらを見て言った。


「ため息もつきたくなるよ、三人からたっぷり絞られたからな」


「それで? 納得してもらったの?」


「なんだよ? 納得って?」


「結婚の承諾に決まってるじゃない」


「冗談じゃない。結婚なんてしないよ」


「婚約したのに結婚しないの?」


「当たり前だろ! そもそも俺はエミリアと婚約した覚えはないよ」


「こちらになくてもあちらさんは婚約したと思っているわよ」


「なんとか破棄してもらうように説得するよ」


「納得させることができるかしら? 向こうはすぐにでも結婚する気満々だったわよ」


「本当に君は嫌なことをズバズバ言うよね」


「そうかしら?」


 パルタはおどけた表情で俺に答えた。すごいムカつく!!


「そうだわ。言うの忘れていたけど………」


 俺は嫌な予感がした。パルタがこう言う時はたいていろくなことを言わないことが多いからだ。


「エターナルエネルギーはあまり使わないでね、エターナルマターなんて論外よ」


「え? なんで? 使用するとどうなるんだ?」


 俺は嫌な予感がした。


「女性化が消えて男に戻ってしまうわ」


「なんだと? そんな重要なこと聞いてないぞ!!」


「当たり前じゃない、言ってないもん。大丈夫よ此処で生活しててエターナルエネルギーなんて使う機会はないわよ」


「そ……それは……そうだけど……、万が一ってこともあるかも?」


 俺が渋い顔をしているとパルタは笑顔を作って、大丈夫だよ……ね!、と言って俺の顔を覗き込んだ。


「なんで? エターナルエネルギーを使用すると変身が解けてしまうんだ?」


「力が強すぎるからよ。私の電磁パルスを跳ね返してしまうのよ」


「そ……そうなのか。わかったよ。でも……どうしても敵を倒したいときはどうすれば良いんだ」


「そうね……。だったらこれを使うようにしましょう」


 そう言うとパルタは俺の目の前を指差した。しばらく眺めて居るとそこの空間に四角い箱が浮かび上がった。パルタが物体を転送させたようだ。


 四角い箱の中身を見るとレーザーガンがあった。俺はレーザーガンを受け取ると胸ポケットにしまった。


「威力はそんなに強くないけど、ここの住人にはそれで十分だと思うわ」


 俺は渋々納得した。というか納得するしかない。


「あと……もう一つ重要な話があるわ」


「な……なんだよ。重要な話って」


「ここに、惑星センチュリオンにファーストヒューマンが居るかもしれないわ」


「な! なんだと!! それは本当か?」


「実際に居るかどうかはまだわからないけど、ここには奴につながる何かがあるわ」


「なんだと? どうしてそんなことがわかるんだ?」


「ソフィーが疾走するキッカケとなったデーターのこと覚えてる?」


「確かフューリアス彗星の軌道データーだったかな?」


「そうよソフィーはフューリアス宝石を採取するために失踪したのよ」


「それがなぜここにファーストヒューマンがここに居ることにつながるんだ?」


「そのデーターはここから送られていたのよ」


「ここから?……でも……データーが送られていただけでそれがファーストヒューマンだって、どうしてわかるんだよ?」


「フューリアス彗星の軌道はファーストヒューマンしか知らないことなのよ」


「なんだと? そ……そうなのか。で……でも、なんで? いつからファーストヒューマンは俺達のことに気づいていたんだ?」


「私達がエレオノーラに接触した時点ですでにファーストヒューマンはこちらの存在に気づいていた可能性が高いわ」


「そ……そんな前から……で……でも、なんでそれを知ってて、この星にカレンを連れて来たんだ? ここにファーストヒューマンが居るならカレンが危なくなるんじゃないのか?」


「もうどこにも逃げる場所が無いからよ」


 パルタは残念そうに言った。こんな弱気になっている彼女を初めて見た。


「おそらくすぐには襲って来ないと思う……たぶん……でも用心はしたほうが良いわね」


 俺はいよいよファーストヒューマンという謎の人物と直接戦えるのかと思うと少し緊張した。これでこの謎の敵を倒すことができれば、今後は隠れて暮らすこともなくなると思うと気が引き締まった。


読んでいただきありがとうございます。


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