39.新たな火種
ゲートを通過するとすぐに惑星センチュリオンが見えてきた。地球によく似た青い綺麗な星だった。
大陸のほとんどを緑に覆われていたが、中央部に大きなビル群が立ち並ぶ都市部があり半透明のガラスのようなもので街全体が覆われていた。
俺たちは都市の高いビルの屋上に設置されたドックに入ってストレイシープから降りると一人の女性が深々と頭を下げて俺たちを迎え入れた。
「はじめまして、私はカレン様付きの秘書を担当いたします。アンドロイドでございます」
「え?……、あ…、はい、はじめましてよろしくお願いします」
カレンはいきなり声をかけられて驚いていた。
「カレン様付きと言うことは?……専用と言うこと?」
「はい。そうです。皇女様達には私のようなアンドロイドが一人一体づつ付いています」
「そ……そうなんだ。すごいわね。それであなたのお名前は?」
「私たちに決まった固有名詞はありません。名前はカレン様の好きな名前で呼んでください」
「え? 名前無いの?」
「はい。カレン様の呼びやすい名前で結構です」
「えーーー、どうしようかな。担当は私が初めて?」
「いえ。カレン様で十人目となります」
「そうなんだ。前の皇女様からはなんと呼ばれていたの?」
「以前の私が担当した皇女様からはメルと呼ばれていました」
「じゃ、メルで良いわ。あなたもそっちの方が親しみやすいでしょ」
「はい。承知しました。それではカレン様惑星センチュリオンにようこそいらっしゃいました。私から簡単にこの星のことを説明させていただきます」
俺たちはメルから惑星センチュリオンの情報を聞いた。なんでも惑星の人口は全部で1万4千人で学園の運営やら商業施設で働いている者が1万人でガーディアンが三千人、皇女が千人いてそのほとんどがこの都市部で住んでいる。
この都市部は二階構造になっており、一階部分はビル群が立ち並ぶ都市区画で学園もここにあり、学園都市と呼ばれている。二階部分は自然豊かな森林区画となっている。
二階部分は高密度圧縮無限空間技術が使われており、インフィフォレスト(無限森林)と呼ばれている癒やしの空間で、都市部の面積が東京都ほどしか無いにもかかわらず森林区画の面積は北海道と同じ面積があるそうだ。
アンドロイドのメルから一通り説明を受け終わった頃にいきなり背後から何者かが走ってこちらに近づいてくるのが見えた。髪はロングで綺麗な藍色の瞳で何よりもタワワなバストが揺れていた。その人物は近くに来るとパルタを見て叫んだ。
「パルタ! やっぱり! パルタだったのか?」
「あなたは?……、ああ。久しぶりですね」
「ええ。久しぶりね。アル=シオンの姫が来ると聞いていたから、もしやと思って駆けつけてきたよ。そんなことよりジークは元気にしているか?」
いきなり名前を呼ばれて俺はビックリした。なんで名前を知っているのか以前にあったことがあるのか俺は思い出そうとしたが誰か分からなかった。
「ええ。元気にしてるわよ」
「そうかそれはよかった。婚約者が元気にしてるのを聞いてホッとしたよ」
「「「え”ーーーー」」」
カレン、ルーシー、エレオノーラの目が一斉に俺を睨んでいた。俺はたまらずパルタにこの人物が何者なのかを聞いた。
「この人はジークの婚約者のルビオラ星のエミリア皇女よ」
「はじめまして、ルビオラ星のエミリアと申します」
「ルビオラ? エミリア? あーーーーー!」
俺は全てを思い出した。そういえば六年前ウロボロス海賊団に捕まっていたエミリアを救出して、そのままエミリアのルビオラ星で婚約の儀式を交わしてしまった。 ※5話(海賊団殲滅)参照
俺は顔から冷や汗が垂れるのを感じた頃、パルタは俺をジークの双子の妹だとエミリアに紹介していた。ジーコと紹介されてしまった以上、いまさら訂正することもできないので、このセンチュリオンにいる間はジーコで過ごすしかないと覚悟した俺の背後から、三人の冷たい視線が注がれていた。
俺はこの先のセンチュリオンでの生活のことを思うと頭が痛くなってきた。
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