表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
哀しき聖女に救いの手を  作者: 凪咲琥珀
1章傷だらけの君に救いを
6/25

スザンナ

何かに後ろから強く引かれる

俺もリリアナも必死に抵抗する

が、どれほどもがいても振りほどくことは出来ない

そうこうしていると口元を塞がれる


「静かにしな」


静かな声で、でもとても圧力の感じる低くひしゃげた声が聞こえた

抵抗するとまずいと思いとりあえず従うことにした

リリアナはとても驚いた様子だった

どうしたのか聞きたかったが今は声を発することが出来ない

そうこうしてると外から声が聞こえてくる


「おい、誰もいないぞ!」

「た、確かにこちらに逃げるのを見たはずなんですが……」

「どう見ても行き止まりではないか!ええい、散開してもう一度探せ!!」

「「「はっ!!」」」


どうやら騎士達は別の場所へ移動したようだ


「もう大丈夫かね」

「あ、あぁ。ところでアンタは――」

「スザンナ?」

「え?」


リリアナがスザンナと呼んだ老婆を見る

蛇のように鋭い目に怖い印象がある


「久しぶりだね、リリアナ」

「っ……」


リリアナは泣き出しそうなのを堪えスザンナの胸に飛びつく


「急に、いなくなるか、ら何かあったんだって……でも、誰も教えてくれ、なくて」

「全く、泣くんじゃないよ」


感動の再開に口を挟めるわけもなくただただ状況を理解できないアランは置いてけぼりにされていた


「とりあえずここじゃなんだ、移動するよ」


そうしてスザンナはリリアナを抱き抱えて奥へと進む

それにアランは着いていくことにした


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

そのまま奥に連れられていくとまた行き止まりがあった

スザンナが何かを唱えて壁に触れると壁が静かにズレていき地下への道が開かれた

そこには広い空間と食料、そして子供がたくさんいた

どうやらシェルターのようなものだろうか?

色々ときになることが多すぎる

リリアナが落ち着いた頃に状況確認も含めて話し合うことになった


「改めてアタシはスザンナ。昔は教会で修道女をしてたんだけどね、追い出されちまって今はここで子供達の面倒を見てるんさね」

「俺はアラン。リリアナの騎士だ」

「ほう?騎士とな」


それからここに来るまでの経緯を軽く話した


「なるほどね、見た目と違ってなかなかやるじゃないか」

「その為に色々修行したからな」

「ふむ、とにかくよくやったよ。アタシも今の教会(ボンクラ)は気に入らなかったからね。リリアナもどうにかしてやりたかったしそういった意味では最高だね」


カッカッカッとスザンナは声を出して笑う

なんというか豪快な人なんだな……

少しだけ警戒というか緊張が溶けた気がした


「で、これからどうするんだい?」

「ラステの樹海を目指そうかと」

「ほう、なんでまたそんなとこに?」

「どこかの村を経由することにはなると思うけど追いかけられる身であるから滞在は厳しいし人の目があるとこだとすぐに見つかりそうだからな」


村に滞在すると行商も多いためどうしても人の目が多くなるし閉じこもっていても周りに怪しまれる

それに数で攻め込まれると周りにも迷惑がかかるし逃走率が下がってしまう恐れがある

その点ラステの樹海にはラステの部族がいるが外との交流は全くない

そういった面でも人との関わりを経つことが出来るのだ


「なるほどね、悪くは無いが食料問題はどうするんだい?」

「そこらへんの知識は入れてるから何とかなるかと」


そう、この2年の間に力だけでなく知識も身につけた

樹海にある食べれる野草や食材の処理方法など必要などあらかた調べた

樹海というだけあって未開地も多いが広い樹海に紛れていればそうそう見つからないし大隊を相手にせずに済む


「でもずっとそのまんまって訳には行かないだろ?」

「まぁ未開地でも探してそこで生活するのも考えたがダミーをある程度の期間で置いて死亡した事にしようと思ってる。そうしてほとぼりが冷めた頃に辺境の村にでも移動するつもりだ」

「ふむ、悪くは無いね。でも聞いといてなんだけどそんなに喋ってよかったのかい?」

「まぁ個人的には信用出来るかわからんが……リリアナがそんな感じだからなぁ」


そう、先程から会話に入ってこないリリアナはスザンナの膝に頭を乗せて寝息をたてていた


「全くこの子は……」

「いいんじゃないか?リリアナもずっと1人で抱え込んでたんだろうしようやく気の許せる人に再開出来たんだそっとしておこう」

「そうさね……そういえばアタシは5年ほど前に追放されてたから何があったか詳しく知らないんだけどそこら辺も含めて教えちゃくれないかい?」

「そうだな……正直俺も詳しくは分からないがそこら辺は()()()()()()に補填してもらいながら話そうか」

「ふむ……何かあるんだろうけどそこも含めて頼むよ」


(ちっ……勝手に決めやがって)

まぁいいじゃないか

俺だって知りたいしちょうどいい機会だ


そうしてスザンナと別れてからの話とリリアナとの出会いをノロイに補填してもらいながら話すことになった

途中リリアナも起きたので一緒に話してもらおうかな?

次回は少し遡って過去編になります!

さてリリアナに何が起こったのか……そしてアランとの出会いはどのようにして起きたのか……

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ