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哀しき聖女に救いの手を  作者: 凪咲琥珀
二章臆病者の彼に武運を
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村への道中

聖都から離れるために見渡す限りの草原を真っ直ぐ進む

あれから数時間歩きっぱなしだ

体の傷はすべて塞がったが一気に修復したのもあって疲労感が抜けない

そのためリリアナに支えてもらえながら移動しているのがなんとも情けなく思える


「リリアナ大丈夫か?」

「これくらいへっちゃらですっ」


そういうも額からは汗が伝っている

結局スザンナに助けてもらってその後はリリアナに助けられている

一度休憩しようかと思ったがこの道は良くも悪くも見晴らしが良すぎる

現状聖都からの追手は来ないと思うが、それでも聖都外にいた聖騎士がここを通らないとも限らない

できる限り今日中に身を寄せる場所に辿り着きたい

これ以上は負担になりたくはない


アランははやる気持ちと悔しさを胸に押し込め、これ以上リリアナに余計な心配をさせまいとする

それからリリアナはアランから離れることはなかった

なんとか歩けるまで回復したからと離れるように促すも支える形からピタっとくっついて離れない

アランがまた目の前の少女の力になれずにいたと思い焦っているように、リリアナも自分のせいで誰かが傷ついたと思い目の前の少年がどこかに行ってしまうのではないかという恐ろしさに苛まれているのだ

これまでリリアナは三度の別れを経験している

二度あることは三度ある、そしてこれからも起こらないとは言い切れない

だからこそもうお別れは嫌だと感じ今回のようにずっとくっつくような状況になっているのだ

アランとしては異性にここまで密着されたことは今までなかったためどうしていいかわからずあたふたしている

何度かの説得を試んだ末諦め黙々と道を進む


草原に一本の大樹が見えた

一度大樹の下で休憩することにし、事前に持たされていた携帯食料を食べる

内容は水と乾燥させた肉と野菜を煮固めたものだ

正直いって味は最悪だ

それでも二人は文句を言うことなく食べ進める

食べているときも相変わらずリリアナは離れることはなかった

ただ無言というのもなんか嫌だったので他愛もない話をした

お互い一人で過ごすことが多かったので話せることは多くはなかった

寂しい食事に少しの雑談、それでも二人にとっては十分な時間となった


「あれ?アランさん、大樹の後ろに何か見えます」

「あれは、村か?」


丁度道を進んでいたときには大樹で隠れていたようだ

目の前には小さいが畑と家屋が幾つか見える

ようやく休める場所に辿り着けそうだ

恐らくあれが一番聖都に近い村だろう


「いってみようか」

「はいっ」


そうしてまた二人くっつきながら村を再び目指す

心なしか二人には先ほどまでの焦りや恐怖は薄らいだように感じた

今回短いです…

次週はついにあのプロローグの人がでます!

お楽しみに!


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