エピローグ
意識がはっきりしたのは門を出て少し経った頃だった
「どうなったんだ?」
アランに肩を貸すような形で隣で歩くリリアナに尋ねる
「スザンナが来てくれて時間稼ぎをしてくれています。後で先に向かった子供たちと合流すると言っていたので大丈夫だと思います」
「そうか……」
リリアナは大丈夫だというがどうなんだろうか
確かに俺よりもスザンナのほうが強いんだろう
でも騎士はどんどん迫ってくる状況で逃げられるだけの余力を残せるのか不安だった
もしかしたら俺たちを逃がすために言った嘘ではないのだろうかと思わずにはいられない
いやきっとそうなんだろう
だとすれば結局俺は守ることができずに守られたんだろう
(オレが言うのもなんだが気にするな。やっぱりお前はまだまだ未熟だ。でもこれからの伸びしろがある。そういったものを守るのが大人の役目だ)
そうなんだろうか、でもやっぱり自分の力で何とかしたかった
(だったらもっと力をつけろ。それしかない。何も失わずにあれもこれも守りたいと言えるのは強者の特権だ。お前に今できることは限られてる。それに聖女を守りたいんだろ?だったらせめてそれくらいできるように強くなれ。そのための進路だ)
そうだった、これから鍛えるための場所を目指しているんだった
わざわざ他の子達と別れてでもこうすると決めたのは自分だ
スザンナの安否も気になるが今は自分がやることをしっかりとこなさなければならない
せめてスザンナが無事でありますように
(ああ、その意気だ)
ノロイはノロイで今回不覚を取ったことを気にしていた
結局はアランの身に宿る存在なのでアランの気持ちに左右される
それでも見守る身としてはいただけない
いつ今回と同じようなことが起こるかわからない以上、これまでより一層気を引き締めなければならない
「リリアナ肩を貸してくれてありがとう。とりあえずもう大丈夫だから」
「でもまだふらついてますし……」
正直なところリリアナに触れていると治りが遅い
でもせっかく助けてくれたのにそんなことを言えない
「大丈夫だよ。とにかく一度二人とも休めるように近くの村で数日腰を落ち着けようか」
「わかりました」
そうして俺たちは一度近くにある村のうちの一つを目指すことにした
一応あの門の状況と騎士の被害だと半月ほどは動けないだろう
それも踏まえて数日足を止めても問題はないという判断だ
もちろんノロイには相談済みだ
一度何も考えずにリフレッシュできればいいのだけど……
そうして二人は近くの村うち比較的森に近い村を目指す
こうして二人の旅は始まる
次の目的地はスーラウ村、森に近く豊かな自然の恵みを受ける村
そして臆病者が住まう村とも呼ばれている
今回で一章はおしまいです!
次回からは二章を書いていく予定です
基本的に日曜日に一話投稿予定ですので良ければブクマの登録や応援などしてもらえれば幸いです!
そして二章を書くにあたり少し一章を見直しつつ誤字とか脱字がないか、あとは文章の前後など修正をしていきます!!
あと、もう一つ別で物語を書こうか迷ってます。二章書いていて余裕がありそうなら土曜日に別の物語を投稿しようと思ってますのでそちらもお楽しみに!
それでは次回お会いしましょう!”二章臆病者が住まう村”