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哀しき聖女に救いの手を  作者: 凪咲琥珀
1章傷だらけの君に救いを
13/25

子供は子供らしく

リリアナは子供たちと遊んでいる

みんな笑っていて見ているととても穏やかな気分になれる

リリアナも最初はぎこちない笑顔だったのが今では心の底から楽しんでいるように見える

こういった時間を過ごせるのは良かったと思う

本来の予定だと今でも逃げ続けて休まる暇がないはずだからだ

当然この場所は見つかりにくいが安心しきっているわけではない

常に周辺には気を使うようにしている

ここに来てからアランはあまり休めていなかったがそれでも体調は問題ない

きっと体が変質している為だろう

……ノロイの言葉を思い出す

確かに頭のどこかで闇夜の呪鎧に頼ろうとしていた部分はあった

あれだけ強力で気分も悪くなるんだ、そのデメリットについても全く考えていなかった訳でもない


「回数制限ねぇ……」


正直あまりピンとこないというのが本音だ

自分の命が削られる、確かに大変な事だとは思う

でもそれで彼女を守れるのならそれでいいのでは、と思えてしまう

体が変質してからそれが顕著な気がする

確かに苦しいけどもそれが逆に心地よく思う時もある

恐らくその感覚が生命力を削られているときで死が迫っているんだろう

ノロイの更に中にある何かがそうしているのかもしれない


「まぁそれでも、」


最終的に彼女が幸せを手に入れることができるなら俺の命くらい安いものだろう


どこかで溜め息が聞こえた気もするが周りには誰もいない


「気のせいか」


そうしてアランはリリアナに合流して子供たちと一緒に遊ぶ

その光景は子供らしく、尊いものであった



(分かっているのかねぇ……オマエがいないときっとリリアナも悲しむだろうに)


ノロイのその言葉はアランには届かない

全く、世話のかかるやつだと再度溜め息をつく

アランにはアランの目的があるようにノロイにもノロイの目的がある

その為にもアランには生きていてもらわなければならない

そう簡単に死なれては困るのだ


(オマエももっと幸せな未来を想ってもいいんだぞ)


アランの理想にはすべて自分が含まれていない

リリアナの幸せしか見えていない

リリアナもアランも結局はまだ子供だ

2人とも育った環境によって周りよりも早く大人になることを選ばされたもの達だ

だからせめて、子供らしく夢見て欲しい

それを叶えるのが今のノロイにできる精一杯のことなのだから


今笑っている2人が遠くない未来でも笑いあっていられるようノロイは2人を見守り続けるのだ

今回は短めです!

ちょっとノロイの視点での話にしてみました

まぁノロイの独り言です

実はこのノロイたくさんの秘密を抱えています

いつそれが明かされるのか……楽しみにしてもらえればと!

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