おっこちた
歩いて、歩いて歩いて歩いて...。
ただひたすら歩き続けた。
正しいことをしていたら報われるのだと思ってた。
できなくても繰り返しやり続ければ身につくと思ってた。
空回りだと思っても、もう引き返せなかった。
だって私は、それ以外を知らないのだもの。
でも本当は少しずるい子が報われていた。
できない姿を見せていた方が褒められていた。
世間一般の【できる子】は、褒められもしなかった。
確かに繰り返せば見に着いた。
その繰り返しを見せはしなかったけれど。
だけどその過程なんて無いものとされていた。
いつだって、そうだった。
できて当たり前。
できなかったら不審に思われた。
そうしておっこちて最後は壊れていった。
気がつけば私は【言われたこと】がないと動けなかった。
それは人間である必要はあるのだろうか。
そんな事、誰にも聞けないけれど。
命令通りにしか動けないなら機械で十分だ。
わかっているけど、誰にも言えない私の悩み。
聞けばきっと嫌な顔をされると思う。
聞けばきっと悲しい顔をされると思う。
朝なんて来なければいいのに。
暗い暗い闇の底、深い深い眠りの彼方。
醒めぬ夢を
明けぬ夜を
永遠の眠りにつきたかった。
そんな願い、誰にも話せないけれど。
なんの為に生きるのか。
誰に問いかけることもできない。
永遠の難問。
きっと、生かしてくれる人がいなくなったら生きていけないと思う。
知ってる。
知ってた。
ここまで壊れてしまうのには時間がかかったんだ。
でも壊れるまでは気が付かなかったんだ。
壊れた私はもう誰も、なおすことなんてできないんだわ。
ハンプティ・ダンプティおっこちた。
彼女も同じように、おっこちた。
ねぇ、助けてよ。
なんて。
もう誰も直せないのにね。




