真っ白の世界と真っ黒の世界、どちらがいい?
___僕の居る世界は?
“真っ白な世界なんだ!” 全ての色は白に染まり。
僕の見るモノは、なんでも白だよ!
もちろん! そこに住む人たちも皆、白色に変わるんだ!
___白って? ステキだね!
透き通るような、真っ白の世界に僕は居るんだ。
心が清らかに、透明な気持ちになるんだよ。
こんな世界って? 素晴らしいよね!
___何故なら?
僕は、【転校生】だからなんだ!
___元々は? 【真っ黒の世界にいたんだよ!】
▽
___僕の名前は、『リルト・ウオーター』 12歳の男の子なんだ。
黒の世界に、僕が居た時は、、、?
心が荒々しく、いつも怒っていたように感じるんだ。
別に、何かあった訳じゃないのにね!
___いつも、機嫌が悪いんだよ。
だからなのか? 僕の友達も、みんな機嫌が悪いんだ!
全てのモノや人も、“真っ黒” でね!
活力がみなぎるような気分になるんだよ。
___ケンカは、日常茶飯事でね!
みんなが、何かしら? イライラして喧嘩していたように感じるんだ!
【みんな、アクティブで! 本能のままに生きていたように思う。】
・・・と、僕がそう言うと?
真っ白の世界のお友達は? ビックリしたのか? お目目を真ん丸に
して僕の話を聞いてくれたよ。
『___ねえねえ? リルト君!』
『___うーん? どうしたの?』
『リルト君は、どうして? 野蛮な人達が集まる “真っ黒の世界” に
居る事になったの? 君は、ぼくが見る限り! とっても優しくていい
男の子に見えるけど?』
『___そうだね! でもね? 真っ白の世界に来てから、僕の性格も
随分と変わったんだ! きっと、真っ白の世界のこの透き通るような色
が僕の心を和らげて、僕の性格も変えたのかもしれないね!』
『・・・そうなんだね! 実は僕は、、、来週から“真っ黒の世界” に
行く事になったんだ! ぼくは、怖いんだよ! ぼく自身が変わってし
まう事がね!』
『・・・僕も、実はそうだったんだ!』
『___そうなの?』
『___うん! 今でも、どちらの僕が本当の僕なのかは分からないよ!
だけどね? それでも、“僕に違いない” から! 僕自身を信じるしか?
ないのかもしれないね!』
『・・・うーん? そうだね!』
『___うん!』
*
___せっかく、真っ白の世界で最初に仲良くなった。
デルト君は? 次の週の日曜日に、真っ黒の世界に転校してしまった。
___まだまだ僕のように “真っ黒の世界から真っ白の世界へ” 転校生
としてきた子達はたくさんいるのだけど、、、?
___どうしてなのか?
“真っ白の世界から真っ黒の世界へ” 行く子達は一人もいなかったんだ!
・・・これって?
ひょっとして、決まりがあるのかな?
【真っ白の世界から真っ黒の世界へは行けない理由?】
___そういえば?
僕のお父さんが、僕にこんな話をしてくれて事があったんだ!
『___なあ、リルト! お前は、真っ白の世界をどう思う?』
『・・・えぇ!? どうして、そんな事聞くの?』
『お前は、真っ白の世界を知らないからそう言うんだよ! この真っ黒の世界
と違って! 真っ白の世界は、素晴らしい世界なんだ!』
『___うーん? 僕にはまだ、良く分からないな!』
『___いつか? お前も、真っ白の世界に行けば分かるよ!』
『・・・・・・うん、』
___今は、お父さんが言っていた意味がよく分かるよ。
こんな素晴らしい世界は、僕は何処にもないと思っているからだ!
*
___でも?
同時に、真っ黒の世界から真っ白の世界に行ける事が決まっていたの
かもしれないと! そうも、思うんだよ。
___だけど?
どういう法則で? “真っ黒の世界から真っ白の世界に行けるのかな?”
___誰が決めるのか?
僕には、さっぱり分からないのだけど、、、?
今は、とっても穏やかで優しい男の子になったよ。
それにね? 好きな女の子もできたんだ!
___この真っ白の世界は、素晴らしい!!!
ずっとずっと、この世界にいれたらいいな?
*
___その頃。
『___やめてください! 真っ白の世界からグレーの世界になんか!
絶対に行きたくありません!』
『___お前は、決まり事を破った罰だ! 罪を償え!!!』
『・・・・・・えぇ!? そんな、』
最後までお読みいただきありがとうございます。