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地獄は日常と共に。  作者: ぬい ぐるみん
5/28

第四鬼 続かない平和


ん、やぁ。鬼神の鬼龍だ。

今俺は浄化させた亡者の魂をえーちゃんに持っていく所だ。


鬼龍「死死ちゃん行こうか。腹膨れただろ?」


死死ちゃん「うん!お腹いっぱい!じゃあ鬼龍の中に戻るね」


そう言うと死死は鬼龍の右肩にずるりと音を立てて融合し入っていく。

さぁ!魂をえーちゃんに届けよう!


俺は生死熱冷の能力のお陰で空を飛べるのだが、此処はそうはいかない…。空を飛べない程の重力呪術がかけられていて妖怪”烏天狗”ですら歩いていかなければならないんだ……。

ん?何で呪術がかけられているのか?


閻魔殿とは現世で言う裁判所の事だ 亡者の逃亡など先ずあってはいけない事だ。

だが思い通りにいかないのが世の中だ…現世でもそうな様に地獄界も例外ではない

逃げ出す亡者に耐え兼ねた大王が考えたのが……今目の前にある道……俺がここに来た時からあるんだ


 俺は勝手にこの道の事をこう呼んでいる。


重力砂利道グラビティバラスト


…うん!我ながら恥ずかしいくらいに安直だ!



…はぁ……。

ん?なにか来る…!


ドドドッ!ズサァァー!!!


これは…地面が抉られる程の慌てぶり…何かトラブルか?


鬼龍「烏天狗の警官か」


[烏天狗]妖怪の中では知るものも多い彼等

烏天狗は正義感が高い事も有り、遥か昔より地獄では町奉行の代わりとして「大鴉取栗役所おおがらすとりくりやくしょ」と言う警察署が存在する。警察署には烏天狗の長「大天狗だいてんぐ 金剛団斬こんごうだんぎ」を始めとする 烏天狗一族 並びに様々な妖怪で成り立っているんだが……



烏天狗「……どうも…こんにちは…。鬼神様」


鬼龍「大丈夫か?血だらけだぞ」


血だらけはさて置いてもあんなスピードで落ちて来たって事はこの子閻魔殿の超重力の道知らないのか?誰でも知っていると思ったが…えらい血が出てんな……さて置けなかったわ


烏天狗「私の事より今は…はぁ…はぁ…来て…いただいても…よろしで…」


落ちて来た跡が血で満たされてる…こりゃあかん

烏天狗は自分の事より他人の事を優先するから放って置いたらこの子死んでしまう……


鬼龍「ぬううああ!そんな状態じゃ話は聞けん!」


烏天狗「い……いえ!この通り……ピンピン…してま…す…か…ゲホ!ゴハガァ!」


痩せ我慢にも程があるだろ!


ん〜こんなボロボロになって果たしたい正義って何だろうか…。

仕方がない…治すか…。



鬼龍の左肩がモゴモゴとうねり 現れた。


???「鬼ーちゃん〜どこか痛いのかしら?」


鬼龍「俺じゃなくてこの子を回復して欲しいんだ、頼める?”生ちゃん“。」


???「ん〜これは酷わね……」


生死熱冷 生属性の化身

魂 生命力の化身 生属性の天使「生ちゃん」

人の形をしていて天使の様な容姿をしている

白銀の髪に浅葱鼠の眼 白いワンピースを纏いて全ての生き物に癒しを与える。

髪の毛はセミロング いつもは優しいんだけど特定の条件があると発動者の俺でも手が付けられなくなるんだ。

俺もそうだが生死熱冷の子達も傷と腕や足に色が現れる。その傷は全部白色。

頭に白の玉の髪留めがある。

性格はおとなしく極端に優しく 生死熱冷のリーダーであり

面倒みの良いお姉さんの様な子だ。


俺は生死熱冷を完全にはコントロールは出来ていない

四人の手を借りないと使えない技がある。


鬼龍「説明してる間に出来たな」


鬼龍が手にしてるのは生ちゃんの技

「生水」

生き物の生命エネルギー…”その“濃度を高め更に取り込め易くする為に水に変化させた技だ。大半の動物はこれに触れるだけで二年は飲まず食わずで生活出来る。


鬼龍「ほら、飲んでくれ 何があったんだ?」


烏天狗「はい。……ぷは!助かりました。…実は…地獄行きの亡者3名。厄介な能力を持ち「地獄商店街」で暴れております。どうかお力添えを…。」


まーた逃げた亡者か、最近多いな。えーちゃんに文句だなこりゃ…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


鬼龍「で。来たはいいが こりゃ相当暴れたな…半壊してるじゃん…。」


逃げ惑う妖怪。その中に地獄で働くことを許された亡者もいるな。ちなみに今は空から見ているよ。にしても何か臭うな……。黒煙ももくもくと立ち上がっている。


鬼龍「さてさて、今日のメニュー共は……」


探していると、周りの妖怪から声があがった。


妖怪A「おい!あの空にいるの あれ血飛沫の鬼じゃないか!?おいおいおあぁぁい!こんな地獄商店街にあんな問題児!どうすんだよぉ〜」


まーた変な通り名を聞いてしまった。まぁいいか。それにビビってくれて逃げてくれば被害が減る。


亡者「ん!?あの空にいるのか!見たことあるぞ!」


鬼龍「あれ?こいつこの前逃げた亡者だ、、、」


まさか前に逃げ出した亡者が仲間を引いきれて暴れていたらしい。にしてもこいつそれほど強いか?あんまりそう感じないけど。


亡者A「今ならやれるぞ!お前ら行くぞ!」


亡者B「この前あったやつか!チィ やるしかねぇ!地獄堕ちは嫌だ!」


亡者C 「にゅわーー!俺なら殺せるぜ!」


鬼龍「にゅわーって何?」



いやどうでもいいや

さてと。どんな能力だろ、その前に……。


鬼龍「生死熱冷!」


鬼龍は手を合わせる。

鬼龍の肩、腰からうにうにとそれが出てきた。

それは生死熱冷の女の子達。


「生ちゃん」

「死死ちゃん」

「熱ちゃん」

「冷ちゃん」


四人は俺から完全に分離した。


鬼龍「任せる!殺れ!」


四人 「はーい!」


……年頃の女の子とは思えないほど殺しに関して積極的だな。

そう言い放った瞬間。女の子達は亡者に飛びかかった。


亡者A「やべぇ!逃げろ!殺される!」


亡者B「おい!いくぞ!逃げろー!」


亡者C 「笑ってごめんなさーーーーーい!!!!」


あぁ笑ってたのね…。

……俺は逃げようとする亡者共に結界をはる。


鬼龍「魂の結界(ソウルバリア)!」


魂の結界。

生ちゃんの能力を使った技だ

結果以内の能力を使う魂を震えさせ力を底上げする能力。

入ってる者 全ての能力の力を上げるため、使用にはリスクを伴う

危険な技だ。


それを使用したことによって、

亡者共と四人は大幅にパワーアップした。


亡者A「なんか!元気が湧いてきた!これならやれる気がする!いくぞ!」


亡者B「あいつら向かってきてるけど……これなら行けるか!?」


亡者C 「ぬゅわーー!活力祭!行けるかぁぁ!!!」


亡者共は、攻撃を始めた。一人は、、、あれは糸を使う能力か。

次は炎、最後は氷か だが死死ちゃんと生ちゃんには関係ないな。なぜならこの2人は、あらゆるものに”死”を与える能力を持つ死死ちゃんと全てのものの生気を吸い取る能力を持つ生ちゃんがいる。

生物 魔法や物質さえこの二人の前には無残に消えゆくだけなのだから。

……と言うか活力祭ってなんだ?


死死ちゃん「死玉玉からの〜死柱棒!」


生ちゃん「むふふ♪生玉玉〜!生柱棒!」


今繰り出した武器、死死ちゃんの死玉玉(しぎょくだま)は魂を恨みなどの悪の因子でコーティングした。要は悪魂の玉だ。触れるだけで身体が崩れる。そして死柱棒(しちゅうぼう)は、死玉玉を形態変化させて棒状にしたもの。


生ちゃんの生玉玉(せいぎょくだま)は魂を幸せな気持ちなどでコーティングした。要は善魂の玉だ。今回は与える方じゃなくて吸収する方だから身体はシワシワの御老人…いやそれ以上…もうミイラの域くらい生を吸い尽くすからなぁ…ある意味 生ちゃんが一番恐ろしいかも…見た目が天使な分余計にね。

そして生柱棒(せいちゅうぼう)は生玉玉を形態変化させて棒状にしたものだな。



これらの二人が出す能力はそれぞれ触れると特別な後遺症が残る。

二人の場合は、死死ちゃんは鬼になり、右腕が真っ黒になる。生ちゃんは天使になり、左腕が真っ白になった。

他の者たちはと言うと……


亡者A「か…身体が崩れて……」


亡者B「お…俺の身体が……しわくちゃに…これじゃあぁぁぁ…………」


亡者C「て……天国に……いぎだ……がっ…ったぁ…。」


さぁて。いよいよ能力を貰うか。


死切世界しぎりせかい


名の通り、相手の魂と身体を切り離し殺す技だ。

今回は亡者だから魂と”意識“を切り離し完全に消去する。


亡者共「アアアァ…………。」


俺は彼らの能力と魂を回収した。意識は死死ちゃんが食べている。あんだけ喰ったのにまだ食うのか……。


死死ちゃん「別腹ってやつだよ〜」


そうかい。ん?よく考えたら俺元々魂を持ってたよな?道理で重い訳だ。

そうさ、魂はすごく重いのさ。よく人が亡くなったら亡骸の体重が軽くなったとかいうだろう?考え方としたらあんな感じだ。

今は、純粋な魂を四つ持ってるのか。やっとこさ えーちゃんに渡しにいけるな。



読んでくれてありがとうございます!(*´∀`*)いかがだったでしょうか?

今鬼龍は純粋な魂を四つ持っていますね!一体何キロあるの?そして?飛べるの?

次回作に乞うご期待です(๑•̀ㅁ•́ฅ✧

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