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地獄は日常と共に。  作者: ぬい ぐるみん
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第二十七鬼 暴走じいちゃん 倒れぬばあちゃん



熱風「なぁあアタイ仙果食べたいな!こんなにあるんだからさ!一個くらいいだろ?」


鬼龍「ここは仙果農家の 乗岡(のりおか)さんの仙果だよ。後で買ってあげるからここのは食べちゃダメ。」


ぶ〜と口を膨らます熱風だが次第に何かの音を感じとる、このエンジン音…毎回思うがどうしても暴走族の音だよな…。

ブロロロ音とクラクションを鳴らし乳白色とエメラルドグリーンの二層構造のタクシー運転手


???「鬼龍様!!ご無沙汰しております!これからどうですか?いい日本酒ありますよ〜!」


鬼龍「アホか真人…。一応仕事中だ。お前もそうだろ…。というかタクシー運転手が昼間から堂々と酒勧めんな。それと俺はカルーアミルクしか飲めんって何回言ったら解るんだよ…。」


天人界の大手タクシー会社 廻流苦(ミルク)の古株でありながら最も自由な暴走運転手 吉井(よしい)真人(まさと)。


真人「まーだカルアしか飲めんのかい!!絆鬼ともあろう方がお酒は世界を繋ぐもんですぜ!まぁ流石に飲酒運転はしませんよ!冗談です冗談!はっはっは!!鬼龍様は真面目だからな〜!そんなんじゃ外交もできやしませんぜぇ〜はっはっは〜。」


……。いや、アンタが言うと冗談に聞こえんのですよ……確かに冗談なんだろうけどさぁ!!

見た目は完全に輩、だが飲酒運転は生前全くと言っていい程していない。体の傷も猫やら子供やらを大好きな車から守った物だしな。ガタイがいいのも鍛えまくったらモッリモリになっただけ。正真正銘善人の方だ。


鬼龍「…仮にも今から人を乗せる人の発言ではねぇよ。」


善正「相変わらず乱暴だなぁ…だる絡みも程々にな真人さん」


真人「おぉう善さんじゃねぇか!どうだ?絆鬼仙絆名物の洞穴!天人界(こっち)じゃ閑古鳥が鳴いてるが、地獄界(あっち)は!?」


善正「いやぁ…中々来ないねぇこの前はると様が地獄界に行って今鬼龍様達が来てくれたんだけどねぇ…確かに閑古鳥が鳴くほどにねぇ…折角はると様と鬼龍様が繋いで下さったて言うのに…。」


鬼龍「お互い平和協定結んでもまだ互いに頑なだからなぁ…」


真人「……ん?鬼龍様達って言ってたが鬼の部隊の方々か?」


シキゲロウ「いえ!鬼龍様の仲間である私たちのことかと!!」


ムッキムキ聖人の目の前にまぁまぁな大きさの異色のオオカミがハフハフと寄り添う。シキゲロウ自身は匂いを覚えようとしてるな、前はここに捕らえられていたこの子が自分から歩み寄ろうとしている…良い事だな。


真人「ウオォ!!狼!?くすぐてぇな!良い毛並みだ…鬼龍様の仲間……お前だいぶ前にニュースになってた狼か!そこの緑と橙の髪の子と水色と茶色の髪の子も仲間か!」


鬼龍「あぁ。狼の子は死鬼牙狼、緑橙(りょくだい)の髪の子はゴブリンの熱風。水茶(すいちゃ)の髪の子はドワーフの槍冷って言うよ。頼もしい仲間達さ。 」


熱風「よろしくな!」


槍冷「……よろしくお願いします。」


顎に指を当て吟味している真人だがすぐにこう口を開けた


真人「……あぁいい仲間だな。お前さんのことだ。何か策があって違う世界の子らを面倒見てんだな。なら深くは言わねぇ。なら今すぐにはると様のご自宅に行こうとするか!」


鬼龍「おう。そうしてくれると助かるよ。」


ニヤリとする真人。フッっと笑顔になる鬼龍 だがむしゃむしゃという音と左耳から嫌がる音が聞こえ瞬時に笑顔が消え去った。


熱風「ング…ング…っごっくん!えへへ…食べちゃった…。」


鬼龍「あああぁマジで食べてるし!コラ熱風!ここは農家さんが丹精込めて作った大事な仙果だって!ってどさくさに紛れてもう一個食べるな!無銭飲食は良くないことだ!手を止めなさい!見なさい、仙果の木が折れてるさっき俺の耳に木が痛いって叫んでいたぞ。木にも謝りなさい!」


熱風「ふぇぇ…そんなに怒んなくてもいいだろぉ……」


真人「はっはっは!洞穴通り抜けたからな!腹が減っちまったもんはしょうがないな!だがな嬢ちゃん?鬼龍様も言ったがそれは農家のばっちゃんが一生懸命育てた仙果だ黙って食っちまったなんて知ったらばっちゃん倒れちまうかもな!」


おおぉ…こう言う言い回しもあるのか…さすが年の功だな。

真人の言葉に顔が真っ青になった熱風、相当効いてるようだな。


実際、仙果は天人界が天界から譲り受けた大切な木だ。仙果に実を付けさせるには相当苦労する。

そんな木を折ってしまったから鬼龍は怒っているのだ


熱風「ふぇぇ!こんな美味しいもの作ってくれてるのに倒れるのは困るよ!ああぁアタイ悪いことちゃった?ごめんなさいぃぃばっちゃん倒れないでぇ!」


???「ふえぇ?あたしゃ倒れないよ?」


ふにゃふにゃとした喋りで高速に仙果をカゴに入れながら現れたおばあさん。

入れ歯を直しながら泣く熱風の頭を撫で下ろす


真人「相変わらず神出鬼没だなぁ」


鬼龍「うお!乗岡さん!お久しぶりです。」


乗岡「ふおぉ鬼龍様か〜真人さんに善正さんも久しぶりやのぉ。前に鬼龍様が来て以来やったのぉ」


どうも。と会釈する善正さん 真人さんもおう!と挨拶する。


乗岡さん「で、どうしてこの子は泣いてんだい?うちの桃は美味しくなかったかね?」


熱風「…っスン。…ごめんなさい…。ばっちゃんがイッショウケンメイ作ってくれた桃…アタイ我慢できなくて食べちゃった…。」


乗岡「ははっは〜それはうちの桃が美味過ぎたって事だね。いいよいいよ一つくらい、食べる子は育つからねぇ〜。」


鬼龍「すみません乗岡さん…この子にちゃんと教えてなかった僕に責任があります。」


乗岡「責任なんてそんなことありませんよぉ、あたしゃもちんびい時用ありましたからなぁ。」


謝る鬼龍に気にしないでいいと言う乗岡さん。鬼龍はすぐさま財布を取り出す

それを見るや否や 熱風は乗岡さんの服を引っ張り視線を戻す。


熱風「……倒れないでぇ!」


乗岡「むぅう…だから倒れないって…なんでこの子はここまで頑なにあたしゃが倒れるなんて言うんだろうねぇ」


乗岡さんの言葉に視線を逸す真人さん 犯人はこいつかと少し鋭い視線になった乗岡さんだったがすぐに優しい目になり熱風に語りかける。


乗岡「倒れるってことに何か思うことがあるんだろうねぇ お嬢ちゃん大丈夫。あたしはこんな事では倒れないよ!こちとら第二の人生あるんでおるからね 仙果様のおかげで元気いっぱいさ!だからほら、泣き止んでおくれよ。」


熱風「……うん!」


鬼龍「乗岡さん、いくらなんでもお世話になっている方から無銭飲食はできません。これ受けっとてください。」


鬼龍の手には仙果が値段が高いことがよく分かる量の金銭を乗岡さんに渡そうとする


乗岡「こんなにいらないですよぉただこの子が食べちゃっただけで大袈裟な…。」


鬼龍「いえ。お願いします。実は木も折ってしまっていて直ぐに生水をかけたので応急処置にはなりましたが品質が下がってしまっては本当に申し訳ないので……。」


真人「いつの間に生水かけたんだよ…鬼龍様も相変わらずだな!」


乗岡「ああぁそうかい?そんなに言われちゃ仕方ないねぇ、貰っておくよ。」


お金を受け取りひと段落ついた一同。真人さんもあんまり子供をからかうなと乗岡さんに釘を刺されていた。


鬼龍「一騒動あったが、やっとはっくんのところに行けるな」


やっといける はっくんには結局ベト子が持ってた東蛇龍の卵?について調べて貰わないといけないし、それに心当たりある人物…なんで思い出せないんだろうなぁ…行ったら分かるな。


真人「だな。よっし!お前ら乗ったな?準備はできたようだな!出発進行だー!」


一同「おーー!!」



読んでくれてありがとうございます!

(*´∀`*)いかがだったでしょうか?次回はやっと!やっとはっくんに会える!

次回作に乞うご期待です(๑•̀ㅁ•́ฅ✧

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