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地獄は日常と共に。  作者: ぬい ぐるみん
12/28

第十一鬼 魔人の呪いとシエアの覚悟

閻魔殿 休養室


ベットに寝かされているシエアを確認した鬼龍はほっとた表情をしシキゲロウの方に座り胡座をかく。


鬼龍「すまない…シキゲロウ。俺がもっとしっかりしていれば…こんなことには…」


ゆっくりと手をシキゲロウの顔によせ撫で下ろす、シキゲロウはそれに安堵を込めて舌で答える。

落ち込む鬼龍にシキゲロウは優しくこう呟く…


シキゲロウ「鬼龍様のせいではありませんよ、私の警戒ミスでした。ですがもう平気です、影の中で死水を飲み回復しておりますゆえ!そんな事より鬼龍様もお体をお大事になさってください。あの者の属性エネルギーは魔人随一ですから、、、。」


あんなにボロボロになったのに俺の事を気にしてくれるのね。ったく。優しい奴だな、、、。


鬼龍「あぁ。大丈夫だよ、ただ少し身体が痺れてるけどね。にしても何であの魔人のことを知ってたんだ?」


シキゲロウ「はい。あの者は厄災そのものされていた存在なのです、ある村に住み着いては皆々を脅し支配していたり、最恐の電気属性という事もあり村を焼き街の灯りを喰らい生活を脅かしていたり…悪行が絶えませんでした。」


鬼龍「ぬ…しょうもない奴だな…そんなの殺されそうになるとはな…

まだまだ修行が足りん…。」


そんな奴が何で地獄に居たんだ?抑も何故シエさんの中にいたんだよ


ぬぅ…立ち上がることができんな…魔人の抵抗なのだろうか。

だがまだ何か足りていない感じがするな。

パズルのピースが抜けている様な…


腑に落ちない鬼龍を他所に休養室の扉からコンコンと音を立て誰かが入ってきた。


閻魔蛙寿々「入るぞ。」


扉を開け現れるは四十六寸の着物を来た女性 閻魔蛙寿々。


鬼龍「閻魔大王!……申し訳ありません。補佐を守りきれず…。気絶させてしまいました。」


鬼龍は立ち上がり跪坐くが身体が痺れ体勢を崩してしまう光景目の当たりにし動揺する様子の蛙寿々。


蛙寿々(ここまで疲弊しきった鬼龍は初めて見る。ぬ。)


蛙寿々「いやよい。魔人からシエアを引き剥がしただけでも彼女にとっては幸福な事だ。今は意識はないようだが。心地よい夢を見ておるのか和やかな顔をしておるな。」


蛙寿々がシエアが居るベットに視線を向け安堵の顔をする。


蛙寿々「然し鬼龍よ、魔人を取り込んだ事で何かしらの代償があるのでは無いか?」


鬼龍「はい、今は麻痺程度ですね、彼は熱ちゃんが住む右足の脛に閉じ込めてあります。…あの者の強さは俺の能力で感じ取りました。相当なエネルギーの持ち主の様でした…」


莫大なエネルギー…よく俺の中に納まったものだ…いや、それよりも…


鬼龍「何故あの者はシエアさんの中に居たんだろう…そもそも魔人なんて昔読んだ図鑑でしか見なかったのに。」


鬼龍の言葉を聞いた蛙寿々は、深々とため息をしシエアの事を話す。


蛙寿々「……お主が留守にしていた時の事だ。いつもの様に亡者の裁判をしていた時に閻魔殿の屋根に突然稲妻が落ちてきのぅ、幸い閻魔殿は少し焦げた程度で済んだが稲妻が落ちてから数秒後に何かが屋根から転げ落ちる音が聞こえてきてな。不思議に思い閻魔殿の裏庭に来てみたらこの子が焼けて黒焦げになって倒れていたのを見つけたのだ。昔お主が倒れていた場所にな。」


鬼龍「俺と同じ場所に倒れていた…彼岸花の所ですね?」


蛙寿々「あぁ…」


鬼龍「魔人は異世界の者…稲妻が落ちたのは属性エネルギーを使った転移か何かだろうか…でも何で焼け焦げていたのでしょうか。」


あるかも分からないがもし異世界転移したのなら電気伝達が出来る電気属性ならあり得なく無いよな…。でも何でそれでダメージを負うんだよ!


シキゲロウ「あの少し宜しいでしょうか?」


蛙寿々「おお、牙水狼か。」


シキゲロウ「今は死鬼牙狼ですがね、」


ん?何でえーちゃんはシキゲロウの種族名を知ってんだろう…。

特に驚いていない様子だけど、角が生えた狼なんて普通は見る機会ないのにな。


鬼龍「知っているのですか?」


蛙寿々「ん、一応な。畜生界の者が天人界来てしまったのだろう?」


畜生界…確か前にはっくんが言ってた…人が存在しない世界か。

魔物とかも言ってた気がするな…シキゲロウは魔物なのか、なんか妙に納得したよ…。


鬼龍「六道のシステムですか?」


蛙寿々「ぬりょ?お主…昔六道の事は訳が分からない言っていたが、ちゃんと学習しておるではないか…!」


そう言えば昔散々勉強させられた記憶が蘇ってきた……あぁ頭いてぇ…


鬼龍「そ、そうでしたね…。あ!そうだ、シキゲロウは何が言いたかったの?」


蛙寿々「……。」


あっ…誤魔化したのがばれたな……えーちゃんすっごくほっぺ膨らんでる。

怒らせない言葉…怒らせない言葉…えぇっとあ…


鬼龍「か…蛙の真似ですか…?」


蛙寿々「もうよい!」


そう言うと蛙寿々は外方を向いてしまう。

そろそろ話を聞いてやらないとシキゲロウまでも外方を向きそうだな。


シキゲロウ「恐らくシエア殿が焼け焦げたのは魔人特有の呪いの類だと思われます。」


鬼龍「呪い?」


蛙寿々「ふむ。魔人などが封印や封印を解除された時に稀に発生される抵抗のことだろうな。それを呪いと呼ばせ封印されるリスクを減らす目的だったのだろう。……!まさか!鬼龍お主……」


突然鬼龍が吐血し右足を抑え込む。


鬼龍「ッ!!ゴハァ!!」



すると鬼龍の頭の中に声が聞こえ始める、声の主は…


魔人(うははははは!女には耐えられてしまったが抗体を持たないお前なら……!くたばりやがれ!)


この声はエレドリ…!!!

吐血……これが呪いなのか!

右足に猛烈な痛み…意識が……


痛みに耐えきれず床に血をばら撒きながら倒れてしまう。


蛙寿々「やはり…!」


シキゲロウ「鬼龍様!」


鬼龍は皆に心配をかけまいと口を開こうとするが身体が痺れる


鬼龍「ガ、、、ハァ、、、!」


この痺れは魔人の攻撃と同じ、いやそれよりもっと酷い痛み、、、。


蛙寿々「直ぐにベットへ運べ!医者も呼び戻せろ!」


ベットに寝かされた鬼龍は物凄い汗を吹き出していた。

騒がれていた休養室に寝かされていたシエアが目を覚ましてしまう。


蛙寿々「おぉ、シエア気がついたか!」


シエア「えぇ、蛙寿々様…ッ!」


シエアが目にする光景は悶え苦しむ鬼龍、それには既視感があった。


シエア(私が取り込んだ時と一緒ッ!このままじゃ鬼龍さんは…!)


動揺していたシエアの目が決意に変わり蛙寿々にこう告げる。


シエア「蛙寿々様…私を使ってください。私なら鬼龍さんの電気属性の呪縛を抑えることができます!」


ベットから抜け出しよろよろと歩き鬼龍の傍に腰掛ける。

シエアはある技を使おうとしていた。


シエア「魂電属石(こんでんぞくせき)を使います!」


蛙寿々「シエア!それではお前の命は!」


魂属石 (こんぞくせき)

己の魂に付与されている属性を結晶石に変え同じ属性をコントロールする物。石となった者は二度とは復活することは無い。



シエア「鬼龍さんは私を蝕む魔人を引き剥がし己に封印した、あの大量の属性エネルギーは鬼龍さんなら制御することが出来るかもしれない。でも鬼龍さんは電気の抗体属性は持ってはいない。だけど私ならそれになれる、お願いです蛙寿々様!」


蛙寿々「今度はお主が、鬼龍を助けるというのだな。」


ゆっくりと蛙寿々の方を向き覚悟を決めた。それ以上に、和やかな笑顔をしたシエアだった。


シエア「はい! 」


シエア(今度は私が…!)



シエア「はぁぁぁぁぁぁ!!!」



辺りがバチバチと電気が広がり 高密度な電気属性エネルギーに変化していく。

シエアの身体も段々と薄れ 消えていき、鬼龍の上唇の中心に稲妻が輝く菜の花色の結晶石だけが残る。

石は少しづつ鬼龍口の中に入っていき悶え苦しんでいた鬼龍が少しずつ落ち着いていく…。




シエア(私を救ってくれて……ありがとう…)




読んでくれてありがとうございます!

(*´∀`*)いかがだったでしょうか?シエさん……有り難う………

次回作に乞うご期待です(๑•̀ㅁ•́ฅ✧

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