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34.熟考



「メイリアさん、来週末は空いてますか?あっ、あと苦手な食べ物とかあったら教えてください!」

「…苦手な食べ物はありません。来週末は…所用が。申し訳ありません」

「苦手な食べ物は無し、と。日にちはメイリアさんに合わせたいので、大丈夫な日を教えて頂けませんか?」





リベラに何も話せないまま、リリー・メレスとお茶をする話はどんどんと進んでしまっている。

幸いにも、こうしてリリー・メレスと話しているところをリベラに見られたことは、無い。のに、


「さっきメイリーちゃんが話してたのって、前に囲まれてた子だよね。仲良いの?」

「…仲が良いとか、そういうことでは、決してありません」


よりによってラザフォード様に見られてしまうとは。


「でも今度お茶するんでしょ?」

「なん、でそれを…!」

「聞こえてきちゃった」


ごめんね?と小首を傾げるラザフォード様に、悪怯れている様子は全く無い。


はぐらかすことも出来そうに無かったので、リリー・メレスが歓迎パーティーでリベラに飲み物を掛けた件だけを伏せて、全てを話した。


話を聞き終わったラザフォード様は、何も言わずに暫く遠くを眺め、急に私へと向き直った。


「それ、絶対に言わなきゃダメだよ」

「…誰にですか?」

「もちろん、コールドローズ嬢に」


自分で言った言葉に自分でウンウンと頷くラザフォード様の思考には、ついて行けそうも無い。


「…どうしてですか?」

「えっまさか言わないつもりだったの?」


図星を指され私が押し黙ってしまうと、ラザフォード様は分かりやすく大きな溜息を吐き「これ以上は僕がいうことじゃ無い」と、本をパタンと閉じた。


(どうして、私がリベラにリリー・メレスのことを話せると言うのかしら)


「申し訳ございません…少し、考えてみます」

「うん、是非そうしてみて」





(考えてみる、と言ったものの…)


幾ら静かな図書館で考えてみても、リリー・メレスのことはリベラに言うべきでは無い。という判断になってしまうのだ。


遠くから鐘の音が微かに聞こえ、そろそろ戻ろうと腰を上げたところで、入り口に人影があることに気づく。



「こんにちは」



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