20.出立
「お嬢様、大変お似合いでございますよ」
「ありがとう。どうして侍女科と制服が違うのかしら。せっかくメイリーと一緒に学園に通うというのに、味気ないわ」
「貴族科と侍女科の制服が同じことの方が、問題になってしまいます」
エントウィッスル学園への入学を1週間後に控え、今日は下ろしたての制服に着替え最終確認をしている。
「メイリーもすごく似合ってる、可愛い」
「ありがとう、ございます」
エントウィッスル学園は貴族科・執事科・侍女科3つの科から成り、それぞれ6年制・6年制・4年制となっている。
勿論、貴族科と侍女科の女制服は違う。
「このバレッタは大丈夫よね?」
「はい、宝石ではありませんから」
学園は家柄や爵位で争う場ではないので、派手な装飾もご法度だ。
「お嬢様、次は新入生歓迎パーティーの衣装です」
「…明日にしましょ?」
「いいえ、今日で全て終わらせてしまいましょう」
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「…はぁ、なんだか緊張するわ」
「リベラ。溜息を吐くのは今ので最後になさい。淑女たるもの、常に余裕を持ち、たわやかでなくてはなりません。失礼の無いよう精励するのですよ」
「はい、お母様」
荷物は昨晩の内に荷台に乗せたので、後は馬車に乗り込むだけだ。
エントウィッスル学園は遠いので、長時間の移動になるだろう。
「お嬢様、行きましょう」
「そうね」
「メイリア、どうかリベラをお願いね」
「はい…奥様」
時折ガタガタと揺れる馬車は、エントウィッスル学園へと向かっている。
(きっとこれからが、本当の勝負)
6年後、リベラが笑ってコールドローズ家の屋敷へ帰れるように。
私が全てを失った場所で、私がリベラを救う。
20話で一応、一区切りとなります。次話からは本舞台の学園編が始まります!
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これからもメイリアとリベラの物語をよろしくお願いします!




