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何故、簡単に見つけられるのか不思議である。

 うーむ。


 お家で見かけない女の子と、荷物を持った女の子のお母さん。

 そしてお母さんがタクシーで着いた場所が病院。


 であるならば、やはりここに女の子が?


 ……。


 うーん。


 さすがに病院の中には入れないのであるのよなぁ。

 特に今、僕はお尋ね者であるから、こんな所で見つかったらきっと大騒ぎになるのである。


 忍び込むなら夜であるかな?


 しかし、この病院。見るからに大きい病院であるし、しらみ潰しにというのは難しそうである。


 どうにかして探す方法はないであろうか?


 というか、ここは女の子のお家らからどの位離れた場所なのであろうか?


 見覚えのあるものなんかある筈が……あっ、あった。


 あの山。

 見覚えのある山の形と同じであるな。


 とすると、そんなに離れてない?


 ……。


 目印がデカすぎて、どっちにどう離れたのか分からんのである。


「おっ、お尋ね触手だ」


 ひょわっ⁉︎


 だっ誰であるか⁉︎


 辺りを見回して木の近くに居たのは青い毛なし一人……。


 チャラエビさん?


「わかめが、間違った情報が流れている内は絶対に捕まらない、っては言ってたけど、まさかこんな所にいるとは思わなかったぜ?」


 間違いなくチャラエビさんであるな。

 っというか、擬態はしてなくても、枝葉の中に紛れている植物触手を、何故直ぐに見つけられるのか?不思議である。


「なんでこんなトコにいんだ?別に逃げて来たって訳でもねぇんだろ?」


 それはこっちの言葉であるよ。

 チャラエビさんこそ何故ここに?


 ポンッ


 と、渡した実をチャラエビさんが口にした瞬間。うなだれた。

 おや?どうした?


「おぉ……触手君、俺ってそんなチャラいか?」


 ……。


 っあ。


 まぁ、この際だからはっきりと。

 チャラいのである。

 まぁ、僕は猫であるし、触手であるから、『チャラい』という言葉をちゃんと使えているのかよく分からないのであるが、チャラエビさんの言動と身振り手振りのいかがわしさから、もうチャラいとしか言葉が出なかったのであるから、やっぱり僕からはチャラいのである。


 ポンッ


「おぉ……おぅ」


 そんなにダメージを負う程であったのであるか。

 意外にナイーブであるのだなぁ。


「触手にまでチャラいと言われると流石にショックだったけど、まぁ実際チャラいからしょうがねぇか」


 さすがチャラエビさん。立ち直りもチャラいのであるな。


 それで、チャラエビさんは何故ここに?


 ポンッ


「俺か?俺は……オーナーがあんまり寝てるもんだからさ、死んでるんじゃねぇかって心配になってよ。それで……」


 言いにくそうであるな。殺したのであるか?


 ポンッ


「殺してねぇよ!揺さぶったら手が滑って突き落として、テーブルの角に頭打ったから精密検査してるだけだよ!」


 冗談だったのに、ほぼ正解だったのである。

 チャラエビさんは危ないエビであったか。


「それで?触手君はここで何してんだよ」


 あぁ、僕であるか。

 僕はお世話していた女の子がここにいるらしいと突き止めたので、いかに探すか考えていた所なのである。


 ポンッ


「へぇ」


 とチャラエビさんはふらふらと歩いて行き、病院の入り口の所で止まった。


 ん?手招きしてる?


 素早く走ってチャラエビさんの肩に登った。


 僕、ここで見つかるとよろしくないのであるが?


 ポンッ


「ん?まぁ待てって。触手君、その女の子って何歳よ?」


 ん?

 小学生であるかな?


 ポンッ


「するってっと小児科か?名前は?」


 名前?


 ……女の子?


 ポンッ


「それは名前じゃねぇな。ってすると何の病気かも分からねぇって事だな?」


 本当に入院しているのかも定かではないのであるが。


 ポンッ


「おいっ」


 女の子がお家に居なくて、女の子のお母さんが荷物を持ってタクシーでここに来たのであるよ。


 ポンッ


「……なら、そうかもなぁ」


 チャラエビさんが顎に手を掛けて何か考えている。


 もしかして、探すの手伝ってくれるというのであるかな?

 でもチャラエビさんがふらふらと怪しく歩いてたらつまみ出されたりしないであろうか?

 そっちのが心配になりそうなのである。


「仕方ねぇ手伝ってやるか」


 駄目であるよ。チャラエビさんが小さい女の子を探して病院の中を徘徊してたら通報されるのであるよ!


 ポンッ


「……お前、俺をなんだと思ってやがる」


 チャラエビさん。


 ポンッ


「……まぁ大丈夫だよ、探すのは俺じゃねぇから。ちょっと待ってな」


 と、キュッと掴まれて植え込みの中に投げ捨てられた。


 わかめさんに変わるのであるかな?


 まぁ待てと言うなら待っているであるか。

 実際、今の僕には何も出来ないのであるしなぁ。


 ……。


 暇であるな。


 ……。


 触手が一本、触手が二本、触手が三本、触手が……。


 …… …… ……。


 触手が五百二十四本、触手が五百二十五本、触手が


「おまたせ、触手君待った?」


 お、わかめさんの声であるな。すっかりなので何故に触手を数えていたのか忘れる所だったのである。

 植木の枝葉から触手あたまを出してわかめさんを見たなら、チャラエビさんの服、そのままのわかめさんが居た。


 今来た所であるよ。


 ポンッ


 思考から、であるが。


「こめんね。オーナーの結果待ちと、えびが立ち直るのに地味に時間がかかっちゃってさ」


 チャラエビさん、やはりナイーブな子であったか。


「さ、ここに入って。その女の子探しに行こっか」


 と、わかめさんが開いた紙袋に滑り込んだ。


 了解である。


 ポンッ

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