機械触手は凄いのである。
ピリッ
(だからね、ネジを付けてバランスを取れたらもっと上手くお話が出来ると思うのだけど、中々上手くいかないんだよ)
しかし、お喋りが止まることを知らないのであるな。
ピリッ
(黒触手さん、自分で取っちゃったりするからさ。でも黒触手さんも色々と忙しいみたいだから、僕とお話ばっかりしてる訳にもいかなくてさ)
ピリッ
(あぁでも、忙しくしてるからその時に取れちゃうのかな?上手くハマってくれる時はいいんだけど、そうでない時も多くてさ、ちょっと動いただけで取れちゃうのもあるんだよね。普通はネジピッチが細かい方がキツくハマるのに黒触手さんにはネジピッチが荒い方が相性いいっぽいんだよね)
ピリッ
(ねぇねぇ、黒触手さんて何触手だと思う?あの黒々とした感じは最初機械かと思ったんだけど質感が全然違うしさ、ゴム触手に近い気もするけど電気通ってるし)
何って毛なしであるよ。
毛なしの言葉を使えば『人間』であったかな?
とはいえこれは教えていいものか?というか毛なしはそこいらじゅうにいるのに特に何か思わないものなのであるかな?
ピリッ
(僕はさ黒触手さんて新種なんじゃないかと思うんだよ。機械にもゴムにも似ていて、大きくて頭が良くてわさわさ。ねぇどう思う?)
とピリッとしてきたそばからまたすぐにピリッとしてこようとする触手を避けた。
ちょっと呆然としてるっぽい内に棒を回して電気を貯める。
フィィンフィィン
やかましい!聞くんだったら答えを聞く前からピリッとしてくんじゃねぇ‼︎
である。
パチィン
っと思い切り蔓で叩いてやった。
蔓が痛い。
ピリッ
(お、おぉごめんよ。植物触手とお話してるのかと思うと楽しくなっちゃってさ。でも、君からしたらそんなに不思議な事でもないのかな。ねぇ君は他にも違う種類の触手達ともお話出来るのかい?)
フィィンフィィン
棒を回してる間に伸ばしてきた触手をさっと避ける。
それよりもその……黒触手さんに頼みたい、欲しい物があったのに、通じなくて落ち込んでいたのではないのであるか?
パリッ
ピリッ
(あぁ、そうなんだよ。オルタネータが欲しいんだよ。オルタネータがあれば充電しに行かなくてもいいし最高だと思うんだよね)
お、オル?
ピリッ
(でもオルタネータ回すの大変だからさ、コグベルト付けてさ、動力にエンジンとかも載せたら楽だよね。あそこに壊れたSVエンジンあるんだけどさ。あれ丁度いいと思わない?)
何かを言っているのは分かるのであるが、何を言っているのか分からんのであるな。
またピリッとされる前にお喋り機械から離れて御神木の兄さんをよじ登り、肩の上に避難した。
「どうでした?随分とお喋りいていたようでしたが……」
あーどこから話したものか?
えーっと、まず、ネジ屋さんは新種で謎の黒触手。
ネジ屋さんの頭のネジは機械触手ともっとお話出来るように頑張って付けた物。
オルタなんとかを付けて欲しい。
ついでになんとかエンジンも欲しい。
ポポンッ
ネジ屋さんと兄さん用に二つ用意したのであるが……あんなに話したのに、これだけ?
「お、話した内容の実か?どれどれ」
あっ。
「私も一つ」
まぁいいか。
「……んん?結構話ししてたと思うんだが……内容量少なくないか?」
同感なのであるが、要約するとこんなもんである。
ついでに言えばこの子は物凄いお喋りなのである。
ポポンッ
「なるほど、単語単語で話してると思ったら長文だったって事か。っていうか、俺は触手だと思われてんのか?」
そもそも『人間』という認識があるのか疑わしいのであるな。
ポポンッ
「そのネジを付けているところを何度か見たことはありましたが、そんな意味があったんですねぇ」
「俺が会話出来てるのも、会話出来る感じにムラがあるのも、もしかしたらコレのせいなのかもしれねぇな」
「とすると?もしかしてそのネジは機械触手の?」
「おぅそうだ。こいつらの身体から取ったネジばっかりだな」
??
どういう意味であるか?
ポポンッ
「あー、そうか。植物系は違うんだったな」
「そうですね。植物系も種類によって結構違うのですが、大体は同系統に近い普通の植物を生やすのがほとんどですからね」
??
「猫さんに説明しますと、機械触手の中には何か一定の物を食べることにより、一定の物を生み出す種が少なからずいるのです。つまりは……」
「まぁ簡単に言えば、こいつはネジを食うとネジが生えてくる機械触手なんだよ」
ほう‼︎
「それと、機械触手から生えてくる物というのはその機械触手の特性を受け継ぎますので、その機械触手の性質を管理してあげると、その性質に沿った物が生えるのです」
「錆びにくくて硬くなるようにご飯をあげて、そういう材質にしてやると、錆びにくくて硬いネジが生えてくる訳よ」
機械触手、凄いであるな‼︎




