表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/39

矢継ぎ早すぎるのである。

「おう、すまねぇ待たせたな」


 待った、と言えばそんな気がしなくもないのであるが、あまりにもショッキングなものを見せられ過ぎて、待ったという感覚が全くないのであるな。


 後片付けをしているネジ屋さんの後ろにやたらとスリムになった機械触手がカチョンカチョンと跳ね回っている。


 ううむ。

 今まで見てきた機械触手に比べてかなり大きいのであるが……初見、かなりの恐怖心を覚えたのであるが、こうしてみると何やら可愛い気もしなくもないのである。


 可愛い……かな?

 まぁ、懐いているのは分かるのである。


「それで、なんだったっけか?あぁ、そうだ。機械触手と意思疎通が出来るとか、そんな話だったな。ちょっと待て」


 とネジ屋さんは先程持ってきた棒の付いた箱を持ち、棒をグルングルンと回しはじめた。


 ハンドル、という奴であるかな?

 フィィンフィィンと不可思議な音を立てる箱をしばらく回していたかと思うと、


「見てろ」


 とスリムになった機械触手に手を伸ばした。


 パリッ


 とネジ屋さんの手から電気が走った。


 なんと!ネジ屋さんも電気で機械触手とお話を!?


 機械触手もネジ屋さんをピリッとし返し、ネジ屋さんもまたグルグルと回してパリッとして……。


 はたから見ていてはじめて気付いたのであるが、このやり取りは見ている側は激しくつまらないのであるな。


 兄さん兄さん、あのネジ屋さんの回している箱は一体なんであるか?


 ポンッ


「あれですか?あれは静電気発生装置ですよ」


 静電気、であるか。


「あぁしてハンドルを回して静電気を身体に溜めてスパークさせる事で会話してるみたいなのですが……私には上手く出来ませんでした。詳しくは私にもよく分かりませんね」


 ほぅほぅ。

 僕のやり方に近い気がするのであるな。トメさんもあんな箱を使って機械触手とお話しているのであるかな?


 ポンッ


「いや、トメさんは普通に話しかけて強引に説き伏せてるだけですよ。あれもトメさん独自のやり方ですから誰も真似できません」


 それはなんともトメさんらしい気がするのであるな。


「ふむぅ」


 おや?ネジ屋さんのお話は終わったのであるかな?

 グルグルの箱を持ったまま難しい顔をしているのである。


「どうかしましたか?」


「いやな。サッパリして気持ちがいいってのはわかったんだが、何か欲しがってるみたいでよ。色々聞いてるんだが、何が欲しいのか分からなくてな……拗ねちまった」


 拗ねる?

 見れば機械触手がペタンと触手を伸ばして座り込み、触手を広げてワシャワシャとバタつかせている。


 機械がのたくってるようにしか見えないのだが、拗ねてるといって見れば、小さい子供が駄々をこねてるようにも見えなくもないのであるな。


「とまぁ、俺はこんな感じで機械触手と会話するんだが、お前も話ししちゃくれねぇか?」


 まぁ、それは構わないのであるが……僕もその箱を使ってもいいであるか?


 ポンッ


「おお、いいぜ。回してやろうか?」


 自分で回してみたいのである。


 ポンッ


「おう、やってみな」


 平たくなってワシャワシャしている機械触手の前に立ってハンドルを……ちょっと重いのであるな。

 けどなんとか……。


 フィィンフィィン

 おぉ、何か溜まってくる不思議な感じがするのである。


 どうしたのであるか?


 パリッ


 おひょっ!

 痛いというよりこそばゆい感じであるな。これなら加減の必要もないし凄い良い物である。


 パリッとされた機械触手はピタリと動きを止めて、僕をジィィッと見てきている感じがするのである。


 そっと伸ばしてきた機械触手に根っこさんを伸ばした。


 ピリッ


(君は植物触手なのに僕達と会話が出来るのかい?)


 フィィンフィィン


 そのようであるよ。


 パリッ


 ピリッ


(それは凄い!君はさっき黒触手さんのお友達ともお話してたよね⁉︎それなのに僕達ともお話出来るだなんて本当に凄いよ。君は本当に植物触手なのかい?植物触手には君のように機械と話せる触手は多いのかい?)


 おおぅ。お喋りな、


 ピリッ


(僕は機械触手だというのもあるのかもしれないけど、植物触手と会う機会が中々ないからさ、こうして植物触手と会ってるだけでも不思議な感じなのに、お話してるなんて!)


 えっと……。


 ピリッ


(ねぇ、でもどうやってピリッてしてるの?黒触手さんもその変な箱を使ってピリッてしてもちゃんとお話出来ないのに)


 黒触手?ネジ屋さんを触手と思ってる?

 っと、そういえば僕も触手かもと少し思ったのであるな。


 ピリッ


(っていうか黒触手さんって変わった触手だよね?お話は下手だけど、色んな道具持ってるし使えるし。でも変だよね?黒触手さんてモサモサしてるけどあんまり自分では動かないんだよ?)


 聞いてくるのに答える暇がないのであるが……。


 ピリッ


(だからね、元気になるように、お話が上手になるように色んなネジを差し込んであげてるの。いつも困った時に助けてくれるお礼にやってるんだけどね)


 あのドレッドのネジは君の仕業だったのであるか。

 毛なしにしては変な趣味であると思ったのであるが……。

 いや、あの髪型も理解出来ないのであるから、やはり変なのは変であるな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ