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神槍使い  作者: 怠惰な男の子
1章~異世界へ~
9/58

8話 試験だ!!そして魔物もいっぱいだ!!

8話目!!

そう言いながら歩いてきたのは2m程の大きな熊の獣人だった。


「俺に全く感知させないなんてただの子供じゃないと思う。だから興味が湧いただけだ」

「えっ!?プーサさんも感知出来なかったんですか?」


 カウンターから身を乗り出して驚くレティ。

 しかしレオンが?マークを頭に浮かべていると、


「プーサさんはランクA冒険者よ。感知などの索敵方面に優れた」


 と答えてくれた。が、ランクなどレオンには分からないので聞く、が


「すまないが……ランクって何だ?」

「そういうのはプーサさんの試験が終わったら教えてあげる。もちろん合格したらだけど」


 なんか最近メンドくさいと思うのが多くなってきたと考えていると2人は小声で相談し始めた。そんな小声でもレオンには丸聞こえだが。


「こういう子供は難しいのを言えば大抵やめますのでよろしくおねがいします」

「だいじょうぶだ。厳しいのをやれば途中でやめるだろう」


 2人の会話はだいたい、こういう子供が毎年いるから試験を普通のより難しいのを受けさせ15歳までは諦めさせるというものだ。

 レオンが悪質だと考えていると話が終わったようでプーサさんが話かけてくる。


「とりあえず試験は今日から3日間やるぞ。試験場所はラルムを出て近くに在る森で、倒す魔物は『ゴブリン』『一角ウサギ』『フォレストウルフ』の3種類で倒す数……討伐数は20匹だ。ちなみに3日分の食糧は自分で調達するんだぞ」


 レオンはこの説明で疑問に思った事を聞く。


「倒した魔物はどうやって数えるんだ?」

「ちょっと待ってろ」


 そう言ってプーサはレティに話し掛け、聞かれた内容に驚くとカウンターの奥にある扉に入っていった。

 暫く経つとレオンは銀色の板を渡される。


「それはあるマジックアイテムでな、倒した魔物の数がわかるんだよ。ちなみに冒険者に正式になるともっとしっかりした物、こんなのが渡されるから」


 そうやってプーサがレオンに渡したのは紫色に光るカードだ。そこには名前、年齢、職業、冒険者ランクの4つが記入されていた。


名前  プーサ

年齢  三八

職業  シーフ・暗殺者(アサシン)・剣士

ランク A


「ま、レオンもそういうのを貰えるようにがんばるんだな」


 ここでレオンは違和感を覚える。が、その違和感の正体に気づく前にプーサが出発してしまい考えるのは後回しにした。



 レオン達は街出た後、西の方角に向かって歩いていた。

 ちなみに街を出る際、デューイが来るのを分かっていたかのように保存食と応援の言葉を言ってきた。その行動に今更ながらデューイの言葉の意味が分かるレオンだった。

 そのままプーサに細かいルールを教えて貰いながら歩いていく。森に着いたのは夕方だった。


「これが今回の目的の森だ。じゃ、俺は森の入り口で3日間まっているからな!できれば早めに帰ってきてほしいだが、頑張れ!」

「分かった」


 こうして試験は始まった。

 森の中では不穏な空気が流れていることを知らずに。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


レオンが試験をする森の奥の方でその声は響いた。


「早く早く~。もう我慢できないわ!魔王様のために死ねるんだからイナグの街の人は名誉よね」

「確かに嬉しいことではあるけど、もうちょっと落ち着きなよ。君みたいに体力のある剣士じゃなくて僕は錬金術師なんだから」


 最初の声は甲高く女性の声だ。しかしその後に続いた声は低くこれだけで男女がいると想像できる。


「分かっているわよ。あっ!!それよりもダンジョンに着いたわよ。早くしなさいよ、アーロン」

「ったく何でこんな落ち着きの無い奴と来たのかな?いい加減黙れ、ルイーゼ」


 男性……アーロンは溜息をつくと一つの魔道具を取り出した。そしてダンジョンの入り口にそれを設置する。


『ここにあるのはダンジョンではなく魔王様の復活のための生贄。魔物よ、より強く・より早く・よりしぶとくなり血を捧げるために動け。その心に忠誠を誓って』


 この詠唱が終わった錬金術師は剣士を近くに引き寄せてある物を地面に叩きつけた。それは鋭く禍々しい光を発し辺りを包みこんだ。

 その光が収まった時にそこにいた者は先ほどまでいた者達では無く崩れたダンジョンとダンジョンから出てきた魔物と、大きなある生物の影だけだった。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


『炎よ集え。燃え盛りし爆炎をその身に宿して』


『炎球』


 詠唱を終えたブリューガングから、炎の球が発射されフォレストウルフに着弾。フォレストウルフは悲鳴をあげながら絶命する。

 レオンはフォレストウルフが死んだのを確認してからプーサから渡された銀板を見る。そこには「十二」と表示されていた。ちなみに内訳はゴブリンが七匹、スライム三匹、フォレストウルフが二匹だ。

 そしてレオンが鑑定眼でこのカードを確認したところ名前は『記録版:劣化』。効果は指定された魔物を殺すとその数が表示されるという物だ。


「なんか魔物の様子が変だな。俺でも分かる位になにかに怯えているみたいだし。ま、そういう問題はプーサとかギルドで解決してくれるだろ」


 この言葉通り、魔物達は何かに怯えて……否、何かから逃げるように森の外にむかっているのだ。これの問題が気になるレオンだったが今は試験中。不合格を食らったらお金を稼ぐ当てもないため意図的に無視する。


(この試験が終わったらちょっと聞いてみたりするか)


 そんな事を考えながら魔物を狩っていたレオンだったが気付くと周りは暗くなり始めていた。といってもプーサと別れて小二時間程。ほとんど真っ暗なのだが『眼』が高性能すぎて気が付かなかったのだ。


「そろそろ野営の準備をしないとな。夕飯の方はフォレストウルフの肉にルプルの実でいいか」


 そこでレオンは地面に降り、肉を焼きルプルの実を食べる。

 ちなみに肉は火魔法を使い一瞬で焼いてしまい、解体は魔物を倒すごとにこまめにしていた。


「便利だな……コントロールが面倒だが」


そのような愚痴を魔法に対して言いながらレオンはフォレストウルフの肉を口に運んだ。そして、その味に眉を顰める。


「フォレストウルフの肉とレッドベアの肉は比べるとまずいな」


 ちなみに全部血抜き済みだ。だが、血抜きをしていても低ランクの魔物の肉、どうしてもレッドベアと比べてしまいまずく感じてしまう。


「ルプルの実はうまいな。これで簡単な夕食は済ませた訳だが野営の場所どうする?」


(前みたいに洞窟を見つけるっていうのはさすがに却下だな。見つかるかも解らないからな。だが地面だと魔物に見つかる。っていうのを考えると一番良いのは木の枝か?空も飛べる訳だし)


 レオンはそう結論を付けるとユニーク魔法『飛ぶ者』を発動させ、手頃な大きさの木の枝に飛んだ。

 そして横になると、倒した魔物である『ゴブリン』『一角ウサギ』『フォレストウルフ』の情報を視てレオンは眠りに着くのだった。



レオンが異変に気づいたのは真夜中だった。


「……んぅ…ん?なんか魔物の活動が昼間よりも活発のような気がするな」


プーサの話では夜は確かに魔物が活発になる。だがプーサが言っていた数の比じゃないのだ。

 その事を疑問に思っているとレオンの高性能な耳にある音と声が聞こえてくる。


「ギャー!」

「グルォォォォォォ!!」


バキバキッ! ベチャ、ベチャッ!

これは魔物の声だ。レオンがそれを確信した時にある声も聞こえた。


「ハァッ!フッ!」


プーサの声だ。

この戦闘音が気になったレオンは空を飛んで戦闘音が聞こえる場所に向かう。



空を飛び続けて十分程、レオンはプーサのいる現場に着いた。

そこには今回の討伐対象にもなっている『ゴブリン』『フォレストウルフ』などの低ランクの魔物から『ゴーレム』『オーガ』などのランクが少し高い魔物まで数えきれない程いた。

大勢の魔物を相手にしているプーサを見てみるとこの森に来る最中に魔物を倒していた動きよりも遅いように感じられた。


(それもそうか。一人で魔物の群れと戦い続けていたんだから。なら俺も参戦した方が良いな)


「プーサ、手伝うぞ?」


 その声と同時に今プーサの首にナイフを突き立てようとしていた『ホブゴブリン』の首を刈り取るレオン。

 そんなレオンにプーサは激怒した。


「馬鹿!!なに初心者が粋がってるんだよ。早くギルドに行って増援を……」


 だがプーサの激怒は意味が無くなってしまった。なぜならレオンも魔物に囲まれてしまったからだ。

 しかしレオンはそんな事は関係無いとばかりに戦闘を始める。


「チッ!だから言ったの……に…?」


 そしてプーサの目に入ってきたのは魔物達に殺されるレオンでは無く……


「これは……『パラライズスピア』か。で、あの針麻痺の状態以上が付いている。面倒だな。そしてこれが『大毒蜘蛛』で名前の通りの見た目で、ランクは蜂がDで蜘蛛がDか。蜘蛛は嫌いだし魔法で殺るか『炎球』あっ!素材を無駄にしたな」


 【パラライズスピア】

  森やダンジョンにいる麻痺が付与された針で攻撃してくる魔物。単体ではEとランクは低いが、群れを成すとCランク扱いになる。また群れを率いているのが【パラライズホーネット】だとBランク扱いになる。


 【大毒蜘蛛】

 森やダンジョンにいる魔物。動きが俊敏で攻撃するのが難しい。攻撃の仕方は獲物を毒糸で、す巻きにして毒を注入して倒すというもの。弱点はなにかと多いが一番有効なのは火系統魔法。


 怖がるどころか嬉々として魔物を狩っているレオン。しかも何故か魔物の情報をたった今読んでいるかのように余裕をみせていたからだ。

 まあ実際に今読んでいるのだがプーサはそんな事は知らない。


(はっ!?なんだよあれ?Dランクの魔物を瞬殺してるし無詠唱だと!?俺でもすぐ魔力無くなっちまうぞ)


 ちなみに魔石は魔物の心臓ともいえる部分で、一番高値で売れる部分だ。使用用途としては魔道具のエネルギーや錬金術の素材などで、見た目は宝石のようなのだが魔物の強さによって純度や大きさが変わる。

 また無詠唱は誰でも使えるのだが、魔力の消費量が数倍、数十倍と半端なく多くなるのであまり使われない。しかしレオンは元々の魔力量の多さ、ブリューガングの効果、魔溜の靴と魔力に関しては凄く多いため魔力量を気にせず使っている。

 そんな風に驚いているプーサを見てレオンは自分の中の違和感の正体がようやく掴めた。

 レオンが此処に着いてから10分程。レオンの持っている銀板には二十と表示された。



レオンが此処に着いてから10分程。レオンの持っている銀板には二十と表示された。

→本当はもっと倒しているのだが、ランクの高い魔物を狩っていたため。

といった所です。

小説を書いているときは補足の説明を後書きに入れればよいと思っていたのですが、どの場面でそういう説明を入れるか忘れてしまった場所もあるので、疑問に思った方は様々な方法で教えてください。

諸事情がある場所は説明しませんが。


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