5話 初めての――ユニークではない――魔法だ!!
5話目!!
太陽が落ちてきて、森が暗くなっていく頃――
「今何時だ?」
レオンが時計を取り出し時間を確認すると5:36分を針は差していた。
「そろそろ野営した方がいいのか?野営するとなると場所をどうするかだが……空はだめだな。飛行型の魔物……龍に食われる事になるからな。となると、地上の洞窟とかがあれば良いが……あそこで良いか?そういえばこの体になってから夜目も効くようになったし、視力もよくなったな。で、あの洞窟なんかの魔物の住処みたいだけど……乗っ取るか」
この体の性能に気が付かなかった自分に苦笑しながらもそう結論付けてレオンはその洞窟に向かっていった。
「着いたが……血の匂いが濃いな。なんか獲物でも食っているのか?奥が全然全然見えないな。魔法を使えば良いのか?」
レオンは魔力を集中させ、魔法を使う。
『光よ。汝は我だけに見える光を具現化する者なり。その力を使い、我の視界だけを照らす光と化せ』
レオンの視界はレオンだけが視る事の出来る光で徐々に明るくなっていく。
『不可視の光』
すると、レオンの5メートル先に獣が倒れているのが見える。
「これは狐か?魔法の実験という事で治療系の魔法を使うか。襲ってきたら殺せばいい」
2本の尻尾が生えた銀色の毛をもった20cm程の狐型の魔物がいた。
「でもどこが怪我しているのか分からないな。あっ!鑑定眼があるんだ。なんで熊の時に使わなかったのかな?まあ、良いや。」
種族名 魔狐(2尾)
討伐証明部位 尻尾
名前 ???
ランク G
状態 大けが…内臓・出血多量
魔法適正 火・闇・土・雷・付与
【魔狐】
魔法の使いに長けていて全ての魔狐が莫大な魔力を持っている。
そして、尻尾の数で強さが分かる。――1本…G 9本…S――1本と2本ではあまり変わらない。長所は魔法が使え、大量の魔力を持っている。短所は近接戦闘だが、それでもすばしっこく攻撃力が高いので範囲攻撃魔法が効果的。
「……内臓か。結構魔力使うな」
そこでレオンは気持ちを切り替え、光魔法を唱えるために自分の中にある魔力に集中する。
『慈悲の光よ、我は今汝の力を必要としている。その慈悲を我の指先に集め彼の者に暖かい癒しを与えよ』
詠唱をすると暖かい白色の光がレオンの指先に集まってきた。
『慈悲の暖』
その光が完全に指先に集まり、魔狐を包んでいく。
「魔力を全くと言ってもいいほど使わなかったな」
今の魔法で使った魔力は、実は平均的な魔力量を持つ魔法使いにとっては全力で発動してようやく発動できる量なのだ。しかし、まだこの世界の人に会ったことの無いレオンにとっては知る由も無い事ではあるのだが。
それから30秒もすると傷は完全に無くなり、魔狐は目覚めた。しかし……
「キ!?キィィィィィィ!」
魔狐は、自分に攻撃してきた冒険者だと思い威嚇をする。しかし自分の体を癒した魔力はこの男の子の物だと気づき、それに自分以上の魔力を持っていると気づいた。
その様子を見ていたレオンは、急に魔狐が動きを止めたのが気になったため様子を見ていると、自分の中に魔狐の魔力が入ってくる感覚があったので、それを疑問に思いこの体にあった知識で調べてみると案の条すぐに見つけられた。
テイム
→モンスターに好かれると時々そのモンスターから魔力が送られてくるときがある。それに応え、自分の魔力を送ってあげるとテイムが完了になる。しかし契約したく無い場合は送られてきた魔力をそのまま送り返せばよい。
テイムしたモンスターは人語を理解出来るようになり個人差はあるが、知能も高くなる。
また契約者が魔物より魔力が多い場合モンスターはその量に比例して成長する。
テイムは魂の器の量だけ出来る。
このテイムに関しての説明を読んだレオンだったが魔力をそのまま魔狐に返す。
(確かに魔狐を育てれば強くはなるんだけどな。俺の武器とか使える魔法を考えると俺って遠距離物理・魔法攻撃型だしな。それに魂の器……か。流石に危ない橋を渡るのは止めておこう。魂って魔力……な訳無いよな)
実は結論から言うと魂の器とは魔力の総量の事を言い、テイム出来る魔物は自分より魔力の低い魔物でなければテイム出来ないという事なのだが、この時のレオンはまだ知る由も無い。
「キュ!?キュ~~」
レオンのそんな考えを知ってか知らぬか魔狐はレオンの元を離れていく。
洞窟から出る際にせめてもの恩返しとあることをしたのだがレオンは気付いていない。
「なんかあの姿見てると罪悪感が芽生えてくるな。ハァ~。まあテイムするのはできれば近距離攻撃型とか、万能型が良いな」
その後レオンはどんな魔物をテイムするかなどを考えながら夕食を食べて寝るのだった。
翌朝、目が覚めるとレオンは見知らぬ場所で寝ていたため困惑する。が、自分が異世界に来た事を思い出して此処が日本ではなく異世界という事を実感した。
だが異世界に来てもレオンはレオン。
「……後5分で起きる」
相馬の頃と同じ事を言っている。しかも今日からは誰も起こす人はいないため――
「今何時だ?もう9時か。それに腹減った」
――レオンは1時間後に起きた。
そして朝ご飯の準備をしようとするが、アドルフから貰った食べ物を一つ目はアドルフの屋敷で、二つ目は飛んでいる最中に、と全て食べしまったため……
「朝ごはん何食べれば良いんだ?」
となるのだが昨日倒したレッドベアや採取したルプルの実があるのを思い出し、レッドグリズリー――鑑定眼の結果――の肉とルプルの実を食べる事にするレオン。
「出すか」
そう言いながら時間停止の無限収納腕輪からレッドグリズリーを取り出す。
その後は鑑定眼を使いながら解体していく。
「よしっ!これで終了、と」
二十程後レオンは解体というには綺麗とも汚いともいえぬ解体をソーマは終わらせた。
そして洞窟内にあった木の枝に肉を刺して火を点けるため魔法を唱える。
『火種よ此処に在れ』
するとレオンの手の中に小さな火種が現れた。
『火』
この魔法はそれぞれの属性に在るものでその属性の球体を生み出すことができる魔法だ。水ならば水球、火ならば火球といった感じだが、攻撃に使えるような大きさではない。そのような欠点も有るが、適正が在る者ならばだれでも出来、消費魔力も少ない便利魔法だ。
レオンは火種を木の枝に近づけ火を点けて消してから周りに木に刺したレッドグリズリーの肉を置き、焼き始めた。
レオンは肉焼けるまでの間これから先の目標とも言えるべきものを考えていた。
(これからの目標はどうする?ま、今思い付くのはブリューガングの能力解放に冒険者にもランクはある……と思いたいから、それを上げる事だろ。でも拠点とかも決めたいよな。それにいろんな所を旅するっていうのも有りだな。という事を考えると戦争に参加するのは極力控えた方がいいか。旅が出来なくなるし)
その他にも観光をすること。放浪の旅なんかも良いなと考えるレオンだったが現実に帰ってこいとでも言いたいのか、大きな音で腹がお腹減ったと自己主張をしてきたので場凌ぎといわんばかりにルプルの実を出して食べ始めた。だがレオンには疑問もあった。
(鑑定眼だけでここまでうまく解体出来るのかな。出来ないとしたらもしかして……)
そう。魔物の解体については全くの無知であったのだが問題無く――初めてにしては、だが――することができた。それにレッドグリズリーのいろんな知識がいつの間にか頭に入っていたのだ。が、その理由についてはレオンも察しができていた。
(多分体にいれてあった知識だろうな。鑑定眼だけじゃ絶対にできなかったし。けれど今回はレッドグリズリーに実際に会って倒した。ということは、この知識は解放するためにその魔物を殺さないといけないんだよな。ならいろんな地域を回ってたくさんの知識を解放するっていうのも有りだな)
それから暫くして肉の焼ける香ばしい匂いが立ち始める。
そしてレッドグリズリーの肉に噛みつく。
話は変わるが、レッドグリズリーはDランクとランクは低いがこの森にしか存在せず、魔法を使うため肉に魔力が染み込んでいるのですごく美味い魔物だ。そのため滅多に市場に出回らない希少な物なのだ。勿論レオンはそんな事は知らない。この森がどのような場所なのかも……
だがそんな肉……否、レッドグリズリーの肉を食べたときレオン……否、人がどんな反応するかは分かるだろうか?
そしてレオンは……
「うまいな」
ただそれだけの言葉を吐き出した。
(この肉はうまい。やっぱ魔力を含んでる肉は旨い。この世界にはドラゴンもいるみたいだし食べてみたいな。そうだっ!美味しい物を食べる旅ってのも良いな!)
レオンは呑気なことを考えながら心のメモ帳に旅の目的を書き記しておいた。
暫くたった後、朝飯を食べ終え一休憩を入れてからイナグの街に向けて準備を始めた。
しかし、作者が疲れたため今日の投稿は終了させて頂きます。
申し訳御座いません。
ちなみにレオンのテイムする魔物が出てくるのはまだまだ先ですのでしばらく期待はしないでください。
それと皆様にお願いがあります!
出来ればお気に入りのユーザーや友達にこの作品を進めてください!そしてレビューもお願いします。作者『怠惰な男の子」が『超ヤル気な男の子』になりますので。
それに、たくさんの方に楽しんで頂けると私も嬉しいです。あ!私は中学2年の健全な男の子ですよ?
文章中ですので『私」と名乗っておりますが、一人称は『僕」です。