46話 修行だ!!遊びという名の
46話目!!
題名を考えるのって面倒くさいのですよね。それと魔法の効果を説明するの。だって皆さんが分かるようにしないといけないじゃないですか?
そして今日の僕は著しくテンションが低いです。ええ、そうですよ。だって今日は地震が怖いんですもの。予約投稿した時間――16:46分なんですけれども――の少し前にも地震がありました。しかも朝は地震によって叩き起こされたのです。
……疲れた
(ったく、面倒臭そうだな)
レオンはそう思いながら断るともっと面倒くさい事になると判断し、一緒に外に出る。
だが、レオンもそこまで暇という訳では無い。そのため歩きながら用件を聞くことにした。
「それで……何の用だ?というか何であんたが此処にいる?そしてあの時何で俺に魔力を当てた?」
「…………」
その態度は明らかに敵対している者へ出すような声だ。だが、彼はそれを意に返さず無言を貫き通す。
それに不満を覚えながらもレオンがやって来たのは人目に付かないような裏路地だ。
そしてレオンは彼と向き合う形になる。
『神の遊闘場』
それは一瞬の事だった。
彼がそう呟いた瞬間レオンと彼は見知らぬ場所に転移した。
……いや、この表現には二つ違う所があるだろう。1つ目はレオンと彼が転移したのではなく、彼がレオンを転移させた。
2つ目は転移したのではなく、転移させられたのだ。
「何のつもりだ?」
「さぁな?」
『心臓の一点狙い(ハートハント)』
種族名 高位人族
名前 ガイア
職業 罪人:強欲(心臓の一点狙い・欲奪・欲与・強奪:魔力、体力、筋力、等)
状態 健康
魔法適正 土・無
称号 大罪を統べし者・原罪狩り・欲尽きぬ
オリジン魔法 大罪:強欲
→『強欲』の罪を犯せし者が持つ魔法。強欲の塊。
「クッ!?」
鑑定眼で視ていたレオンはいきなり職技を放ってきたガイアの攻撃をブリューガングで受けそこない、飛ばされてきた槍の形態のブリューガングを体に受ける。
「いきなり何だ?」
「さぁな?」
と、彼、否、ガイアは答えながら手の平をレオンへ向ける。
『強奪:魔力』
「神槍ブリューガング 第Ⅰ形態【太陽の領域】っ!」
ガイアの放った職技がレオンを襲う。だが、レオンは【太陽の領域】でそれを防御し、一気に攻撃に移る。だが、その際に魔力を奪われブリューガングが欠けてしまった。
「『記憶の追走』……設置型魔法陣複数展開っ!」
設置型魔法陣複数展開。それは魔法を発動する魔法陣をその場で詠唱するのではなく、あらかじめ設置して置き、好きなタイミングで使うというものだ。だが、これは非常に危険を伴う。理由は設置するのに詠唱が必要なため時間が掛かるためだ。ここで詠唱が必要と記述しているのは無詠唱で行うと複数の魔法を同時に使うため魔力が無くなってしまうのだ。要するに魔力の心配が無い者は便利な魔法、ということなになる。
レオンはブリューガングを元の槍の状態に戻してからこれを使う。そして、今度は設置するのではなく、嵌めるために魔法を唱える。だが、相手は手練れと判断、詠唱の小さな魔法を使う。
『我が魔力を糧にする嵐は我が力。全てを我の思いのままに』
『小嵐』
まずは風の魔法で牽制を。そして相手がそれを避けた瞬間『風鎖』で動きを固定。その魔法はあまりにも貧弱で一瞬動きを止めるだけだった。しかし、レオンはそれを待っていたのだ。
「設置型魔法陣発動っ!!」
レオンが設置した魔法陣は全部で4つ。無詠唱で設置したため本来なら魔力を多く消費する事になるのだが、ブリューガングの効果にレオンの魔力量のお蔭か、設置出来ていた。
1つ目は『乱雑な転移』、2つ目は『暴風』、3つ目は『雷虎』、4つ目は『炎球』だ。
ちなみに『乱雑な転移』とは複数の転移門を展開して、ランダムに転移させるものだ。
魔法にこれを使い、使った本人でさえ解らないランダムで相手を翻弄する。これがレオンの考えた作戦。
だが、相手は手練れだ。そのような作戦にミスミスと引っかかる訳が無い。
「残念だったな。俺にそんな作戦は引っかからないよ。少しがっかりだな」
そう言いガイアは地面に手を当てる。
『潜影土中』
「……っ!?」
レオンは自分の目を疑う。何故ならガイアは魔法を使った瞬間地面に沈み込んでいったからだ。
「ゴホっ!?」
レオンが魔法でガイアを探そうとした瞬間、ガイアが地中からレオンを殴りながら出てくる。
「魔法に頼り切っているからそうなるんだ」
レオンはガイアの声を聞きながら意識を落とすのだった。
それを見ていたガイアは呟く。
「今回の滞在は珍しく長いみたいだし、暇だからこいつで遊ぶか……」
その時のガイアの表情は黒い笑みだった。
「ん……んぅ…う~」
レオンはいつもとは違う硬いベッドの上で目を覚ます。
「お、起きたか?」
「……っ!?」
だが、そんな心地よい目覚めはガイアの声を聞き何処かへ飛んでいき警戒心たっぷりで武器を構えようとする。
「……え?」
「別に攻撃なんてしねぇよ」
しかし、レオン手元には武器など何も無かった。それも『神槍ブリューガング』、『妖精王のローブ』、『虹の羽織』、『慈悲の腕輪』、『時間停止の無限収納腕輪』、『魔溜の靴』全てが、だ。唯一あるとすればローブの下にいつも来ていたファンタジー感満載のレオンが目覚めた時から来ていた絹の普段着だろうか。
(それと『黒牙雷磁』か)
なのだがレオンには確認して置きたい事があった。
「魔法で俺以外の奴が触ると動かないように固定させていたのだが?それと話しは変わるが今は気絶してどれ位経った?」
(そういえば『虹の羽織』の存在を忘れていたな)
「それは奪っておいた。そして気絶して30分位だ」
そう言いガイアは紙に描かれた魔法陣をレオンに渡す。それはレオンが使った『空固』の回数、すなわち5枚分存在していた。
「『強奪:魔力』で切り離したのか?」
「よく分かったな。……それで、お前の魔導具が何処に在るのか気にならないのか?」
ガイアはレオンを見下ろしたまま問う。
「どうせお前の腕輪の中だろ?それも専用の品」
だが、レオンは分かっていた。それにガイアは驚く。
「それで?ガイア、お前の要求は?」
「……っ!?」
レオンの言葉にガイアは驚く。
(俺は自分の名前を言ったか?いや、そもそも何故、俺の名前を知っている?)
ガイアはそれに疑問を持ちながらもレオンに自分の思いを伝える。
「俺は暫くイナグに滞在する事になったんだが暇でな。お前に修業と称した……をして…
…せて頂こうかと」
正確には修業では無い。
「所々聞こえなかったのは俺の気のせいか?」
「聞こえなかったのか?だったら宣言してやるよ!遊びだ!」
遊びだ。
それと『修業と称した遊びをしていじめさせて……』だ。レオンはもちろん知らない。
……うん。さようなら。また次話で。




