3話 魔導具だ!!しかし、何をさせたい
3話目!!
この大陸、『レドルフ大陸』には、昔からとある伝説があった。それは『昔、実在したと言われているアドルフという男の家が空に浮かんでいて、時折その姿を現す。』というものだ。しかし、その家は数千年姿を現しておらず、「~しないと、家に連れ去られちゃうよ!」などの怒る時の方便や、「俺、今日空に家が浮かんでいるのを見たんだ」など冗談に使われているものである。……筈だったのだが、ある日『魔物の森』深部に現れた。だが見た者は誰もいない。そのためまた今日も冗談として使われる。
「本当だって!本当に魔物の森深部に見えたんだよ!俺のユニーク魔法『視る者』で視たのが信じられないのか?」
「信じられないって……あなた昔よくその事言ってたじゃないの。今さら言ったって無駄よ。さ、帰った帰った。私だってギルマスの仕事で忙しいんだから」
冗談では無く本当に見たようだ。
信じられてはいないが……
◆◇ ◆ ◇ ◆
その家は、この数百年は音も、気配も、生命も今まで全く無かった。そう、今までは、だ。
「ん?ここは?あ~。ここがアドルフの家か」
生まれた新たな命の名前は相馬……否、かつて相馬と呼ばれていた者。
「うわっ!家具とか生活用品がなにも無い!あるのは何かの実験器具みたいな物だな。どうやって生活してたんだ?」
そんな疑問をいいながら彼は鏡の目の前に立ち自分を観察する。
(容姿は赤い髪の短髪で、黒眼か。顔はちょっと男より、か?ま、充分女にも見えるけど。短髪だから間違える人は滅多にいないだろう。背はちょっと小さくなって150cm位だな。)
そんなことを考えていた彼の視界にアドルフの言っていた魔法陣が目に入る。
「これが魔法陣ってやつか。この真ん中で魔語を唱えればいいんだよな?ん?なんで分かるんだ?あー。この体に入っていたのか」
「どうやって記憶を頭に入れたのか?」という疑問を「魔法でなんとかしたんだろ」と考えながら魔法陣の中央に来て彼は魔語を唱えた。
『五つの力よ、汝らは我のために生まれ、一度の慈悲で我に恩恵を与えし者なり。故に我の魔力を糧とし、最強の者どもを作り出せ。其の運命は我と共に』
すると魔法陣が輝きだし、自分の中から魔力が出ていく感覚を感じる。「これが魔法を使う感覚か」と思いながら1分、5分、10分と待っていると、どんどん光は強くなっていく。
そして、暫くすると魔法陣は徐々に光を失っていった。
「くっ!?魔力の殆どを持って行かれたな。魔法陣で創られる魔道具とはなんなのやら」
そして光が完全に輝きを失い魔法陣が砕け散った後、それぞれの魔法陣の中心に1~2つ、5つの魔法陣で創られた魔法陣の中心に1枚の紙。
そこでレオンは鑑定石で作られた自分の眼を思い出し、鑑定石で作られた眼で出てきたものを視る。
数分後。
「強い武器で困る事は無いと思うが……アドルフは俺に何をさせたいんだ?」
そう言いながら頭を抱えているのは男性と言うには小さく、子供と言うには少しだけ低い声を発する相馬だ。
そう頭を抱えながらも相馬はこうなった原因の槍を見据えた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「え~と?これとかが俺専用の魔道具だよな」
そういいながら相馬は出てきた物を調べていた。そして絶句した。
1つ目は両端に刃が付いていて、片方が禍々しい装飾。もう片方は神々しい装飾の『きれい』な槍だった。
名前 ………神槍ブリューガング(専用)
効果
→Ⅰ:この神槍は、使用者の殺した魔物の魂を取り込む。そして決められた量の魂を取り込むと(生物としてのレベルが高いほど量が多くなる)新たな能力解除のキーを1つ、解除となる。
Ⅱ:この神槍の使用者は魔力が増大する。
Ⅲ:この神槍は、魔法発動体としても使用できる。
Ⅳ:この神槍は、0~9までの形態が有り、それぞれの形態は設定されている条件を満た
す事により解放される。
Ⅴ:この神槍に魔力を通すと、槍としての性能が高くなる。(切れ味がよくなったりなど)
Ⅵ:未開放のため閲覧できません。 etc…..
形態
第0形態 解放済
クッション・神槍
効果
クッションになる。
神槍になる。
第1形態 未解放
???
効果
???……。
「ん?専用って何だ?」
相馬は疑問に思った事を体に入っている筈の知識で調べた。するとすぐに出てきた。
専用
→この文字が記入されている魔道具は設定された使用者以外使えない。
便利で強いのだ。だが、しかし1つ目なのにその1つ目の武器の能力が終わっていたためだ。
「強い武器で困る事は無いと思うが……アドルフは俺に何をさせたいんだ?」
作者は頑張る!!