35話
すいません!!間違えて35話を削除してしまいました。毎度コピーを全て行っている助かりました!!
そしてそれに気づくのが投稿から数時間後……うん。像並みに気付くのが遅いんです。ごめんなさい!!
皆様お久ぶりです!!
勉強の合間の暇つぶしで投稿しました。
それではお楽しみ、の前に前回の文字数は2568文字です。
では、お楽しみください。
フワフワ、とでも表現できそうな程慎重な速度でレオンは暗い闇、地下へと永遠に続くとも思わしき闇の中ゆっくり、非常にゆっくりと進んでいた。尚、入り口はレオンが入ると同時に閉じ、外に出る事は出来るがレオン以外は入れないようになっていた。
(だけどな、これが俺に実害をもたらすとは思えないんだよな。何せ俺の体、いや、魔造人間を作ったアドルフの物とも言える物に干渉した訳だし。それにあの光っていたのは……予想でしかないから分からないな。この迷宮を創ったのは無難な考えとしてはこの国を建国した龍のエイブラハムか?)
「自分を物扱いか」と言いながらレオンは少しずつ進んでいく。
そして終わりは見えてくる。
「あれは……光…か?」
闇が永遠に続くと思われた地下への階段。それが終わりを告げる光のある場所がレオンの目に入る。それにレオンは油断してしまったのかもしれない。それも致し方ない事だが。しかし、それはやってはいけない事だった。
「…っ!いたっ!」
スパッ!と音がしてレオンの額にある物が命中する。それは光が見える部屋の奥が見えるという急ぎたくなるような場所直前に仕掛けてあった。
「何だ?」
そう言いレオンは自分の額に当たった物を『念力者』で浮かばせて自分の目の前に移動させる。
「先端がシリコンみたいな柔らかい物で出来ている矢…だな。ん?」
矢を確認し、捨てようとしたレオンの目に矢に括り付けられている紙が目に入る。
『本物の迷宮だったら1回死亡だぜ!アドルフの弟子の割には弱いな!ま、ここから先は気を付けろ!手加減無しだかんな』
走り書きという訳ではないのにかろうじて読めるレベルで書かれた文章。だが、先ほどの推測が当たっている――ここの仕掛けはエイブラハム作という事――事に喜びながらも、昔の偉大な人――龍――の残念な性格が分かってしまいがっかりするレオン。
しかし、エイブラハムには命を狙うと宣言されているためレオンは対迷宮用ともいえる魔法を使う。
……普段でも非常に有用なものなのだが。
『汝らは闇に潜みし漆黒に住む住人。肉体という器は汝らには当てはまらず、心も存在しない。だが、我の願は永久に続く闇のように叶え続けろ』
『闇人形』
『無は全てを無にする力を有する。其の力を我を守る盾とし、何人たりとも通さぬ鉄壁の守護と化せよ』
『虚無化壁』
最初に使った闇魔法『闇人形』。それを唱えた瞬間ブリューガングから闇があふれ出て、5体の黒い人形を作る。レオンは彼らを先行させ罠を発動させようとしているのだ。
そして次に使った虚無魔法『虚無化壁』。これは虚無魔法の骨頂、虚無化を壁に触れた魔法に与え一定量まで無効化するのだ。しかも、物理攻撃に対しても高い防御性能を誇る。
残るは維持の問題だが、二つの魔法はギリギリで『慈悲の腕輪』が上回るので心配ない。
要するに――
「仕掛けの心配はあまりいらないな。しかも俺の移動は空中だから足もとのトラップは掛からないし」
もちろん人形も空中を10メートル先に先行させている。
「じゃ、初めての迷宮攻略といきますか」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ここはアドルフが魔法を使用後に来た空間。そこでアドルフでは無い二人の男女が地上を視ることのできる水からレオンの様子を見ていた。
「俺ちょっと自信無くすわ」
男性はレオンがわざと人形を罠に掛け、奥へ進んで行くのをがっかりしながら見ていた。
女性はそんな男性を見ながら自慢の羽を揺らし、口を開く。
「あなたの言葉に私はちょっと驚いたわね。あなたって嘘吐けないタイプだから……でも、人間であるアドルフに封印で負けた時点であなたの自信はもう粉々砕け散ったと思っていたわ」
彼女は魔力が足りなくなり映像が不安定になっている水に魔力を足し、映像を安定させる。
「それは仕方ないだろ?そもそも俺は攻撃、お前は魔法なんだから。反対に龍に勝る、妖精に勝る錬金術に魔法、剣術に、技術、魔力に、身体能力とか……人外なんてあいつのためにあるような言葉だろ。それで話しは戻るが、罠に掛けても闇で出来ているから再生するだろ?しかもアドルフの魔法陣、『五錬成』で出てきたのが『慈悲の腕輪』だぞ!『妖精王のローブ』に『神槍ブリューガング』、『虹の羽織』は俺達が仕組んだから仕方無いとして代償無しの常時回復効果のある魔道具なんてアドルフでも作るの難しいって嘆いていたからな!しかも、その三つだってレオンの魔力で強力になってからな!主に能力の強化で『神槍ブリューガング』は何か自己進化型の武器になってるし!」
その言葉に彼女は少し同情の視線を向けてから結果だけを言う。
「確かにアドルフの作った魔道具にもお世話になったわ。けれどもね、それを予想せずにあの妖精迷宮を創ったあなたが悪いのよ。ま、制覇も時間の問題じゃないかしら。……でも、レオンは『虹の羽織』の存在を明らかに忘れているように思えるわね」
「ったく、俺はそういうの考えるのが苦手なんだよ。でも、まさかレオンが感じるんじゃ無くてあいつの方から呼ぶとは……気に入ったからか?」
迷宮と妖精迷宮。この二つの違いは氾濫を起こすか起こさないかだけだ。ちなみに前者が起こす、後者が起こさないとなる。
「少し違……そうじゃないのかもしれないわね。多分、レオンの魔力の量・質があの子にとって気に入ったらじゃないかしら」
「そうだよな。でも、五帝龍と古代龍の子供に気に入られるって……騒動の予感しかしないな。神さんがレオンは正体隠さないといけなくなるって言ってたからな」
彼は笑いながらレオンの映っている水を覗き込む。
「ま、あなたの贈り物を彼が喜ぶと良いわね。あれでも立派な迷宮らの攻略法でしょ?特に彼は日本?って所で漫画?を読んでいたのだから」
「あれはあれでレオンの知識に負けたって事か。まさか弟子にも負けるとは」
悔しがりながら彼は言うが、彼女はその傷をさらに深く削る。
「あちらの世界で生後10日程の子に負けるなんて……弱いわね。私は、お願いだから彼が聞いてくれると助かるのだけど……2代目世界神樹が妖精王を務めているのだからね。そのせいで世界全体に魔力に偏りが出ているようだし、森に不穏分子が入ってきてやむおえなく殺してしまう時もあるようだから」
彼は多大なる精神的傷を受けながらも、持ち前の精神力ですぐに立ち直り彼女とレオンの観察を続けるのだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
鳴り続ける轟音。それは罠――特に爆発系の罠――が多重爆発しているという事だ。これを人間が食らえば一溜りもないだろう。しかし今、爆発の中心にいるのは闇によって作られた人形。故に爆発から出てきても彼らはその不安定な肉体を霧状から人型戻して立っていた。
そして唯一爆発でダメージを受けるレオンへの爆風は『虚無化壁』により全て弾かれている。
「罠が多くなってきたという事はゴールが近いという事か?」
そう言いながらまた『闇人形』に進めと指示を出し、先ほど鑑定眼で視た迷宮の情報を思い出す。
【龍の迷宮】
作成者不明。エリアボス不明。階層1。
誰かは解らないが龍に創られた迷宮。その大きさは他に比べ小さいが、罠の宝庫と言えるだろう。そして出現する魔物はドラゴンと下級だが竜も出てくる。迷宮ボスは龍?
この迷宮は謎ばかりでレオンの鑑定眼でも全容を掴めなかった。そのため今は道を一つ一つ進んでおり選択肢を潰しているのだ。
その中で、魔力が固まり魔道具となりそれを採取した物が2つだけあった。片方はレオン、否、全ての者にとって垂涎物では済まない物だ。
【龍書録の魔法書】
龍の使用する魔法、龍魔法、竜魔法、ドラゴン魔法の全ての魔法陣が記された書。魔法陣には決められた魔力を込めると魔法を具現化する能力がある。普通ならば一度使った魔法陣は消えてしまうが、使用24時間後に本に再生される。
【甲高く吠える短刀】
魔力を込めると振動が発生し、切れ味が少し上がる。
龍の魔法など、現在資料に残されている極微少の物しか無い。しかも龍の魔法は強力なものばかりだ。だが、どんなものにも代償はあるように、通常の魔法使いならば一度最下級の魔法を使えば命まで使ってしまうだろう。
「これは切り札的なものになるな」そうレオンが思った瞬間だった。
「キシャァァァ!!」
闇で作られた人形はその竜の魔力の籠った風の刃に吹き飛んだ。
「エリアボスか!?」
この竜の名前は『風斬竜』その厄介な特性は……
『龍書録の魔法書』。最初の一文字を変えるとと禁書録の……見なかったことにしてください。書き終わったたあとに気付いたんです!!
それとレオンが見たと言っている光っているものとは……
その正体が公開されるのは何十話後なのか?伏線が早すぎるというツッコミを心の中に仕舞い、これからも登場させます。そして間を持たせてやる!!
ちなみに今回は文字数ではなく問題を出します。
Q、間に入ってきた二人の正体はだれでしょうか?
ちなみに次話の前書きにネタバレが入るかもしれないので、見たくない方はスルーでよろしくっ!!
そして僕自身に関する疑問。何時から私ではなく僕と打っていた?
うん。開き直ってこれからは僕と打ちますよ。見直しはしません。結構速い段階で僕となっていたような気がするので。ちなみに35話は3386文字です。
それでは次話もお楽しみに!!




