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神槍使い  作者: 怠惰な男の子
2章~偉大なる魔術師(仮)~
34/58

32話

32話目!!

ちなみに31話は2927文字です。32話目は何文字になるのか……

あ!そうだ!これからは毎回問題形式にしますよ?当たった場合は優越感に浸ってください。

それとこの回想は単なる気まぐれです。気が向いたらストーリーとしていろいろと使うことになるかもしれないですけれども。

「わ……わぁぁぁぁぁ!!」

「助けてくれ、誰か!!ヒィッ!!」


 彼らは勝ち目がないと判断し仲間を放り投げて逃げ始めた。パニック状態に陥っているのだろう。だが、その道を塞ぐ者がいた。


「………」


 その者は一言も声を発さずにただただ道を塞ぐため。しかし、いじめっ子はその見た目からさらなるパニックに陥る。

そんな彼らを見つめる自分たち。だが、自分は疑問に思った事がありアゼルに聞いた。


「なあ、アゼル。あの狼ってどうやって倒したんだ。いや、作戦には聞いてたけど……」


 その疑問にアゼルは魔法の詠唱を中断し、自分の方を振り向く。そして淡々と説明し始めた。


「あれはね、死霊魔術で谷にあった狼の死体を全部ゾンビにしてその後そいつらに生きているのを殺して貰ったんだ。命令は道を塞ぐだけだから安心してね。でも、一応注意しおいて欲しい事があって……」


 アゼルは彼らの方を見る。自分もそっちを見るとゾンビにびっくりした彼らがこっちに向かって来ていた。それを見たアゼルは後で説明すると言い詠唱に戻る。なので、自分も詠唱に入った。


「アゼル、あのゾンビ貰うかんな」

「うん、解った。詠唱終わるまでよろしく」

「おう。……『死者の呼び声』……そして『無音移動』後は『骨酷使』の発動よろしく」

「うん。……『骨酷使』」


 『死者の呼び声』に『無音移動、『骨酷使』。『死者の呼び声』は蘇っているゾンビに呪歌(じゅか)を歌わせるというもので、これを聞いた対象者は生に強い執着を持つというものだ。もっとも他にも効果はあるが、今回はこれだけのために使ったために他は後々説明する。次に『無音移動』、これは読んで字の如く無音で移動、気配をある程度消すというものだ。しかし、ユニーク魔法の『隠す者』の特殊能力『存在証拠の消滅』には遠く及ばない。そして『骨酷使』、この魔法はアゼルと相性が凄く良い魔法だ。効果はゾンビやスケルトンとなっている魔物の骨を代償にその魔物の身体能力などをあげるというものだ。しかし、この魔法を使った魔物は二十分経ってしまうと骨が崩れ去り、消えてしまうという事が欠点となっている。なのだが、アゼルはこれを逆手に取りいらないゾンビの除去に使っている。

 この三つの魔法を使うとこの場所では悲鳴が挙がるようになった。自分がわざと急所を外し、苦しみを与え悲鳴を挙げる者。ゾンビが噛みつき始め痛みに悲鳴を挙げる者。死にたくないと叫びだす者。地獄絵図は正にこの事だとアレックスは思う。そんな中アゼルの二つの職技が完成する。


「『召喚(サモン)白黒(はっこく)魔導師(リッチ)』『死への階段』」


 アゼルの前に白い、白い骨のリッチと上空に階段が現れ、それを見たいじめグループの一人が叫ぶ。


「今度は何なんだよ!」


 それを見たアゼルは気を良くしたのか彼に説明をする。


「このリッチはね、まあお楽しみかな?階段の方は体から離れ始めている魂を強制的に吸い取りコキュートスって拷問場に送るんだ。拷問の内容も秘密」


 そう言ったため自分はアゼルの懐に戻る。それを確認したアゼルはリッチに命令し、それに頷いたリッチが魔法を使う。その声は魔力で出されている無機質な声だ。


『叫べ、叫べ、叫べ、叫べ。炎が叫べば地獄から這い出てくる黒い焔、黒焔が舞う。水が叫べば極寒より来たりし氷の如き冷たさを持つ水が雹となり降り注ぐ。風が叫べば谷より流れし突風が汝を切り刻む。大地が叫べば地に千を超える槍が生え、大地の上に存在する者を貫く。四つの力は別々に彼らを襲い、叫びを引き出すまで叫び続ける。しかし、その肉体という器と魂は死の階段へと生きコキュートスで永遠(とわ)に叫び続けるだろう。断罪ができし日まで』


『4大元素の破壊叫(クアトロ・デストロイヤー)


 共鳴魔法。別々の魔法や職技を使って使用する魔法。これはそれに属する。これを聞くと『水鳳凰の雷』を思い浮かべる者もいるだろうが、あれは合成魔法だ。この二つの違いは至極単純で共鳴魔法は別々に存在する魔法で出来る魔法。合成魔法は、複数の魔法が一つになり効果を発揮する魔法だ。そしてこの『4大元素の破壊叫』は『コキュートス』と一緒に使うからこそこの詠唱になり共鳴魔法になった。本来ならこの魔『破壊する4大元素(デス・クアトロイ)』というものだ。

 そしてその魔法が白黒の魔導師の杖から放たれ、いじめっ子に当たる。


「ワォォォォォン!!」


 筈だった。

 いじめっ子の前に突然現れた銀色の毛並の狼。その狼の遠吠えだけで魔法は減衰、消え去った。その身長は2メートルほど。しかしその姿からは圧倒的な強さしか感じられなかった。

――死ぬ

 それはこの場にいる全員が一瞬で感じ取った事だ。

 その瞬間自分はアゼルが先ほど言い掛けていた事を思い出した。


「なあ、アゼルもしかしてさっきのって……」

「う、うん。狼を殺した時にこの谷のリーダーらしき魔物はいなかった。だからもしかしたらゾンビになった戦闘狼に勝てる群れのリーダーがいたのかもしれないって……でも、そのリーダーがランクLE魔物の『銀狼(ぎんろう)』だなんて聞いてないよ」


 【銀狼】

  見た目は2メートルほどで銀色の毛並をもつこの世界にあまり登録されていないランクLEの魔物。その毛は高い魔法防御力と打撃・貫通に対する耐性を持ち、余程攻撃力の高い魔法などでなければ貫けない。さらに毛だけではなく内臓なども丈夫で、振動などによるダメージも望めない。知能が総じて高く、確認されている個体全てが非常に強力な魔法を使う。また、その爪はミスリルでも切れず、その牙はどんな物も噛み砕き、その咆哮は魔法の威力減衰や消滅の効果がある。


 銀狼は手下を殺された怒りからか、縄張りに侵入してきたからなのか、それは誰にも解らないが怒気を含んだ遠吠えでもう一度叫ぶ。


「ワォォォォォォォン!!!」


 今、蹂躙が始まる。銀狼の。


では、問題です!!今回の文字数は……

①、2373文字

②、2431文字

③、2659文字

④、4365文字

の四択からお選びください。答え合わせは次話です!!

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