表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神槍使い  作者: 怠惰な男の子
2章~偉大なる魔術師(仮)~
30/58

28話

28話目!!

多分まだまだ投稿しますっ!!

 レオンは戸惑っていた。なぜなら……


「一応昨日はレオン様を何度か起こしたのですが、レオン様が今日は寝るといって一日中寝ていらっしゃったので……」


 一日中も寝ていたと言われたのだ。


(まあ、こっちの世界に来てから休む時間なんて一日も無かったからな。初日は洞窟、二日目仮眠室、三日目樹上、四日目洞穴、五日目完徹、六日目にようやく寝られた訳だし。これを考えると俺って殆ど寝てないし、殆どご飯を食べていないな)


 だが、すぐにそれも当たり前かとこの世界に来てからを思い出す。


(初日がもう遠い昔みたいだ)


 白を基調としている天井を見ながらそう思うレオン。そのまま頭の中でレオンはすばやく今日の予定を組み立てる。


(とりあえず少ない銀貨、といっても五日は持つけど、でご飯を食って、時間が余っていたらギルド……はルールをイーゼ本人に聞かないとだめだな。じゃあ、今日は城の書庫に行くか。あればだけどな)


「セフィスと行く時間って何時?」

「二時にレオン様のお部屋に行くと仰っていました」


 暫く考え込み思考を纏めたレオンはブレンダに昼になったら帰ってくると言い、外に出かける事にした。

 ちなみに道順は城そのものを鑑定眼で視て構造を確かめたのでなんとかなった。



「はい、これギルドカードね。君、いやレオン君かこの年で城に入れるなんて何かしたの?」


 そう話し掛けてくる城の門番。その雰囲気は軽く、殆どの人にとって親しまれている男性だ。見た目はその性格のように明るい金髪に白い肌、小顔だ。


「別に、王に呼ばれただけ。……『偉大なる魔術師』になれって……」


 その雰囲気はレオンにとって初めて会ったタイプなので少し引き気味になりながら答える。もっとも最後は小さく呟いた程度で、周りには聞こえなかったのだが……


「凄いね!何か功績でも立てたの?僕も早くマーティン陛下の近衛兵とかになりたいな。あ、ちなみに僕の名前はライル。よろしくね」


 彼……ライルは元気溌剌な好青年で誰にでもフレンドリーな人で、レオンもそのテンションに慣れてきたためいつもの調子を取り戻し言葉を返す。


「よろしくな。これからもここ通る事になるだろうから。ちなみに『何かしたの?』って質問だけど一週間……いや、二日経ったから五日後に判ると思うぞ」


 その答えに頭に?マークを浮かべるライル。だが、レオンはそんなライルを無視し、城の外に向かっていく。

「さーて、初めての異世界での最初の買い物を楽しむぞ」と言いながら。

 ここでシャルミア王国の王都『パウラス』の構成を紹介しよう。

 パウラスには城を囲むように全部で五つ区域があり、別の区域に行くにはそれぞれの通行許可証が必要になってくる。もちろんいらない所もあるが。

一つ目は『貧民区』と呼ばれており、主に貧乏な者や犯罪者がおり――スラムのようなもの――王都では最も狭い区域で最も治安が悪い。

二つ目は『平民区』、『庶民区』と呼ばれており、主に貧乏でもなく金持ちでも無い普通の者達が暮らしており二番目に治安が悪いが外から来た者は大半がここまでしか入れず通行許可証が必要な無い――身分証明書は必要――のはここまでだ。ギルドや武器屋、マジックアイテムを扱う店に商店、女晿などがここにある。

三つ目は『商人区』や『生産区』『学園区』などと呼ばれており、大商人や貴族お抱えの武器屋、鍛冶屋、マジックアイテム店などはこちらに入る。また、貴族の家はここらから見え始め、平民・貴族が通う学園もこの区域にある。そして罪を犯した者は此処からは入れなくなる。通行許可証は犯罪を起こさなければ発行される。

四つ目は『貴族区』や『中枢区』と呼ばれ、住んでいる者は貴族や業界で名を残した者だけで治安は他の三つに比べ格段に良く、城に近い所に行けば行くほど爵位が高い者や古参の貴族の家になっていく。他に、国の中枢機関もここに存在している。通行許可証は理由により発行されるか変化する。

そして五つ目が区では無く城で、住んでいるのは王族と認められた者だけ。警備も物凄く万全だ。さらに侵入者を感知する結界などもあり、城そのものがマジックアイテムとなっている。通行許可証は王城で仕事をする者や他国の来賓者などに出される。

その中でレオンが来たのは『平民区』と呼ばれている場所だ。そこで美味しい店を探していた。しかし、レオンがそれも分かる筈も無く……近くを歩いていた冒険者らしき男に聞く。


「すまないが、ここらで美味しいと評判の店はあるか?」


 その男はレオンを見た瞬間驚いた顔をした。なぜならレオンは宙に浮いて移動しているのだ。それの意味する事は飛行魔法を使えるという事。尚、飛行魔法とは風魔法の基本の方に入るが非常に高度な魔法だ。驚くのも無理ないだろう。……もっともレオンはそれよりももっと異常なユニーク魔法なのだが。


「……あ…ああ、それだったらここを真っ直ぐ行って裏路地に入る周辺にある宿『満月の狼亭』ってのがおススメだ」


 少し間が在ったが何も問題ない(・・・・)だろうと思いレオンは感謝の意を伝える。


「ありがとな」


 そう言って去っていくレオン。


「あの男の子は何者だ?俺の魔力をもろに浴びてもなんの反応も起こさなかったな。でも『大罪:強欲』としての俺の魔力だぞ……それに、ディエウスの方じゃねぇが懐かしいものを感じたな」


 そこへ女性が近づいてくる。


「リーダー、『原罪』が王都に来た情報はありましたがもう出た後、だそうです。そして……リーダー聞いてます?」

「いや、でも……ってゴメン、ゴメン聞いてるから」


 顔を近づけてきた女性に慌てて言葉を返す彼。だが、そんな彼を彼女は久しぶりに見たため質問する。しかし返ってきたのは彼女にも驚く情報だった。


「いや、今身長が俺の腰の胸辺りまでしか無い男の子に話し掛けられたんだが、俺の魔力を浴びても何も反応を起こさなかったんだよ」

「え?じゃあ、リーダーの『隠密』を見破ったって事ですか?」

「確かに……」

「まあ、敵では無いので良いとしましょう。私的には少し興味があるのですが時間が足りません。報告の続きですがダンジョンの原因は魔族と……」

 リーダーと呼ばれる男はレオンが向かって行った店の方向に視線を向ける。

 これがレオンの『大罪』と呼ばれるグループとの初体面だった。


2535文字ですっ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ