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神槍使い  作者: 怠惰な男の子
1章~異世界へ~
17/58

16話 王様だ!!見栄は大切

16話目!!

今回は2495文字と少ないですが、17話を区切りよくするためです。

 アブルによって急に王都パウラスに連れてこられたレオン。だが、王城で発されている言葉の一つ一つがレオンにとって聞き逃せない単語が混じっていた。

 そのため、移動中なのだが前を歩いているイーゼに質問をする。尚、アブルは誰かと『念話』をしてりうようだ。


「なあ、イーゼ。質問をしていいか?」

「良いわよ!で、なに?」

 随分と焦っているが質問には答えてくれると言うイーゼ。なので、レオンは疑問を口にする。

「魔王ってどういう事だ?」

「魔王ってなんでそんな事も――」


 ――知らないのよ!という言葉をイーゼは飲み込んだ。何故なら、レオンというこの子供は今までダンジョンの外を全く知らなかったのだ。それを納得した上で完結に答える。


「魔王っていうのは掻い摘んで話せば、魔物を率いて人間を滅亡させようとしている魔人よ。魔人とはいってもたくさん種類はいるのは知ってる?」


 レオンは体に入っている筈の知識の中で魔人というキーワードを探す。だがその中には無かったため首を横に振る。


「ハァ。まさかそれも知っていないとはね。まあ良いわ。魔人ってのは、普通の魔物や人の魔力が異常に暴走したり、禍々しい魔力を無理矢理投入され人の形になった者の事よ。魔人はなぜか人間に深い恨みを持っていて知能が高いの。まあ、人に害を与える人型の魔物の事よ」


 そこでイーゼはレオンが話に着いて来れているか確認のため見る。それに対しレオンは問題ないので頷く。


「それで魔王っていうのは、人が魔人になった者じゃ無くて魔物が魔人に生物的に進化して強くなった方の『常闇魔桑朽(マルスデス)』っていう特殊変異体よ。元の種族は『魔桑腐(アシッドレッサー)』よ。詳しい事は後で話すは。次は?」


 今イーゼから話を聞き、体にある知識で調べてみるがそれは見つからなかった。

 なので次の質問に行く。


「ダンジョンが王都にあるというのと、『氾濫』の意味を教え……」


 と、レオンが言いかけた所でイーゼが止まる。

 そこは大きな扉の前だった。だがレオンはこの扉はただの扉ではないというのを直感的に感じ取った。その扉の正体は魔道具……ではなくマジックアイテム『獅子の咆哮』。見た目は銀色の獅子が咆哮を放っている細部までデザインが彫り尽くされている絵だ。マジックアイテムとしての効果は見た目とは違い単純で、見た者を畏怖させる効果を持つらしい。

だがその代わりと言うべきか、その効果は大変強く、よく見るとアブルやイーゼでさえも足が震えている。ちなみにレオンは魔力量が多いため扉の威圧が本人に届く前に殺されている。

 尚、マジックアイテムと魔道具の違いは端的に言ってしまえば。人工物か、魔力の塊かという所にある。

マジックアイテムとは錬金術師や人が人工的に作る物で、効果は魔道具に勝るような物もあれば、魔道具には足もとにも及ばない物まである。該当する物は、上級ポーションや日常で使う道具だ。

魔道具とはダンジョンで発掘される物の事を言う。効果は総じて高い物が多い傾向がある。該当する物は、魔剣や魔槍(まそう)と呼ばれる代物や最高級ポーションだ。また、例外としてレオンが作った、神槍ブリューガングや妖精王のローブなどもレオンの魔力が物質化して作られた……否、創られた物なので、こちらに入る。


「レオン、この扉の先は陛下の御前だからしっかり敬語を使ってね。行動とかは私たちを見て真似れば良いから」


 イーゼがギルドマスターの時よりも仕事口調でレオンの耳元で言う。

 だがレオンはこの時疑問に思った。「途中まで付いていくだけじゃないのか?」と。それを言おうとした瞬間イーゼがドアノッカーでドアを叩いてから取っ手の部分を持ち、『獅子の咆哮』を開く。

 その先はレッドカーペットが在り、中学校の卒業式をレオンは想像した。……のだがそんな想像はすぐに吹き飛んだ。


(この威圧感はさすが国王陛下。といった感じだな。見た目はひげを生やしていて三十後半か?若いな。今見てきた王城だと、お金が大好きとか、女癖が激しいとかはなさそうだし、良い人そうだな。ま、話すまでは解らないけどな。後ろにいる近衛兵?も充分強そうだ)


 国王が発する威圧。それは、レオンが戦闘時に出すような威嚇のようなものでは無く、国をまとめる者が出す威圧感だった。もしも、他国の貴族が来たとしもよっぽど芯が太くないと扉に国王本人の威圧で心が折れてしまうだろう。

 良い人そう。だが性格、具体的には戦力に非常に飢えていたり、我が儘な王様だったら油断出来ない。それがレオンの出した国王に対する印象だった。

 それに対し国王……否、マーティンのレオンに対する印象は凄い。ただそれだけであった。なぜなら扉と自分の二つの威圧があるのに、しかもこの国で最強と名高い『偉大なる魔術師』ですら大半の者は怯えるというのにレオンという子供は平気でレッドカーペットを歩いているのだ。それに、自分は魔眼、それも魔力を視れる高性能な目で見ても全く魔力の総量、底が視えないのだ。しかも報告では三属性、光を使えるらしい。世間には聡いみたいだが、勇者の護衛、魔法も凄腕のようなので指導も出来る。

 是非仲間にしたい。王国の発展にも手伝って欲しい。自分の我が儘な理由なのだができる限り高待遇で。だが、怒らせればこの王国が滅びるかもしれない。これがマーティンのレオンに対する印象だった。

 ここで、部下にしたいでは無く仲間と思っているところが、マーティンが『善良な国王』『国王の鏡』と呼ばれている所以なのだろう。だからシャルミア王国は発展してきたのだ。それが力を持つ者は国を嫌う風習があるこの世界でも『偉大なる十属性の魔術師』が国についている理由。国王を信頼しているのだから。


(いよいよ……か)


(出来るだけいい結果になるように祈りたいが)


 貴族がレオンを残念そうな目で、だがアブルやイーゼの事を信頼して希望の籠った目で見る。

 レオンがマーティンの目の前に着きマーティンを見上げる。

 マーティンがアブル、イーゼに会釈してからレオンを見据える。

 この二人の出会いはレオンの物語(じんせい)に深く刻み込まれる事になる。それは良い方になのか、悪い方になのか……


次回からレオンと王様の対談ですね。

題名の理由も次話で

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