12話 『偉大なる魔術師』だ!!しかし、偉大なのか?
12話目!!
昨日はすいません<(_ _)>
毎週水曜日と金曜日は更新されていればラッキーと思って見てください。
それとこの話は3476文字です。多……め?普通デスネ。多くもなく、少なくもなく。
封聖龍アイブラハム→封聖龍エイブラハム
……という風に見えていただろう。何故なら先ほどまでは武器、もしくはレオンの格好を考えると魔法使いと考えられていたからで、武器に関してはナイフの一振りも持っていなかったのだから。
だが実力ある者は気付く。
観察力のある者はレオンの持っていたクッションが消えている事に気づく。そしてさらに観察力が高ければあれは相当に強力な魔道具という事に。
そして全体を見渡せる者はレオンの使う槍、ブリューガングが浮いている事に。
その二つ、もしくはこれを理解する知識を持つ者はその両方、それ以上の事に気づく。
それ以上とは彼は魔法を使っている気配が無い。要するにユニーク、相当な魔力量を持っている、と。
もっとも最後の意見に至ったのは一人だけ。余程の腕利きなのだろう。背中に隠してあるものが無ければ貴族のお抱えになるかもしれないという程に。
「ガキの癖になんなんだよそれっ!俺は負ける筈がねぇんだよ!!」
そう言いながら自慢の会心の一撃が綺麗に流された事を「嘘だ!」とでも言うように言葉を吐くヴェル。
対するレオンはその剣……否、斧筋を見て「さすがDランク冒険者。そこそこ早いな」と感想を漏らす。
その攻撃の後には、そのまま斧を地面に埋めた後、馬鹿力で砂を目くらましに使って、断面を鈍器のように使って薙ぎ払う。それらを全部綺麗に捌かれながらも戦意は失わない。
普段の魔物相手の戦闘、もしくは模擬戦ならそれは素晴らしい事だろう。
そのような戦闘が数分続いた。だが、攻撃は短調で、同じパターンが繰り返されているだけであり、途中からはレオンにとって面倒臭い事この上なかった。
「そろそろ終わらせないか?」
このレオンの言葉には三つの反応があった。
一つ目は……
「なに威張ってんだ。このガキがっ!どうせ攻撃手段がそれしかないから俺の戦意を失わせようって感じだろ。だがな、俺はレティちゃんの目の前じゃ折れねぇかんな!」
ヴェルのように痩せ我慢をする者。というかヴェルしかいない。
二つ目は……
「この試合ヴェルが圧勝するかと思っていたのに。かけ金が台無しだ」
「そんな事よりあの坊主凄ぇな!まだ一歩いていないぞ」
この模擬戦に賭けをしていた者、レオンの戦闘能力にひたすら感激する者達。
三つ目は……
「あの年であそこまでの腕利きがいたとはね。辺境と言った所かな?あの男の子、武器だけじゃなくて自分自身も浮いてる、もしくは飛んでいるという事は魔法の同時発動が出来るか、なにかしらの魔道具、ユニークだね。凄いな~」
冷静にレオンを観察している者だ。これも怪しい雰囲気を醸し出しているローブを着た男だけだ。
「痩せ我慢はいらないもう終わらせる」
「なに言ってんだ小僧!そんな事を言えるのは全部この武器のおかげじゃねぇか!」
その言葉に多少イラッとくるレオン。なぜなら……
(この武器を操っているのは俺なんだけどな)
「おっ――」
だがすぐに言い返すのをやめる。
(なにもこいつの挑発にのる必要はないよな。挑発では無いのかもしれないけど)
要するに、自分のユニークを自分から話す必要はないという事だ。
「はぁ~仕方ないな。俺の魔法を見せてやる。とりあえず」
そういうとヴェルを大きく吹っとばして……
『風よ、彼の者に束縛を』
風の見えない塊がヴェルの下半身を拘束していく。
『風鎖』
風魔法『風鎖』を発動させ本格的な詠唱に入る。ちなみにこの野次馬には風魔法が使える事がばれてしまったので風魔法を使う。
『我が魔力を糧にする嵐は我の力。全ては我の思いのままに』
ヴェルを中心に小さいな竜巻が出来ていく。
『小嵐』
これは『水鳳凰の雷』で使った『暴風』のミニバージョンだ。
豆知識だが『暴風』になると詠唱は
『我が魔力を生として生き、切り裂き、荒れ狂う嵐は永遠に我の力。全てを飲み込む力までもが』
だ。プチと本物では詠唱の長さや言う言葉も結構違う。勿論威力もだ。
そのためヴェルは……
「がはっ!げほっ!げほげほっ!」
血塗れで血の滝だ。周りで観戦していた者の中には吐いてしまった者や目を逸らした者、酷い者だと失神してしまった者までいる。
だがレオンはそれを気にせずある方向をずっと見ていた。その方向には試合が始まってからずっとレオンを見ていた怪しい男。だが彼は全く怪しくは無かった。レオンはたまたま見ていたのだ。彼のローブが自分の『小嵐』の風でめくれる所を。
その下に在ったのはレオンの知識にもあったマークだった。アドルフにとって要注意として。
それはシャルミア王国のある魔術師たちのマークだ。
(双剣が交差されたマークの中に竜の紋章。明らかにこの国の王家に近いものだ。と言えるけど、空間魔法の柄が混ざっていた。ようするにこいつは)
『ご名答。僕は『偉大なる魔術師の空間』。『異間を治める者』『異間の支配者』って呼ばれているアブルだよ』
「……っ!!」
結論を出そうとした瞬間まるで思考を読まれているかのように聞こえた声……否、念話。
だがレオンはギルドで風魔法をちょっと工夫してプーサたち聞いていたため『偉大なる魔術師』を知っていた。勿論空間を治める者が魔力感知に長けている事も。
空間魔法の柄。それは端的に言ってしまえば、その属性を象った柄だ。
空間であれば透明のボックスのようなもの。火であれば炎の形といった感じでどの属性の者か分かる。
そしてその紋章にドラゴンが描いてあれば王家に近く、竜だと近衛などの位置づけになり、龍……否、封聖龍エブライハムが描かれていれば王家とこの国ではなっている。
また、龍と竜、竜とドラゴンは別物だ。強さで表すとドラゴン<竜≪龍となっている。
『そのお偉いさんが……お前がお偉いさんならイーゼもお偉いさんだな。ま、そこは置いといてなんのようだ?』
レオンが念話に応答するとアブルが苦笑いをして答える。
『ふふっ。なんで君がそんな事を知っている?という疑問は置いておけば良いか。イーゼの正体は出来るだけ隠蔽した筈なんだけどね』
『それより早く教えろよ。ずっと俺の事を観察していただろ』
『君も釣れないね。』
殺気を飛ばすレオン。
『分かった、分かった。教えるよ。実は、他にもいろいろとやることは有ったんだけど、結構魔力を使う筈の魔法をほとんど、というか全くだね、僕が本気出さないと感知出来ない程しか、体外に魔力を出さずに使っている人がいたから気になって来てみたんだ』
が、そこで疑問を持つレオン。「何故それだけで自分の所に来たのか?」と。
『ほい。そこで君の疑問に答えます。僕が君の所に来た理由。それは戦力が少しでも欲しいからなんだ。僕が辺境に来た理由にこれも入っている。もちろん他にもあるけど機密事項だから話さないよ。っと、話が少し、ほんの少しだけずれたね』
『うざい』
「なぜそこを強調する。」そう思うレオン。
だがそれをアブルは相手の考えが読める筈なのだが、レオンの突っ込みを無視して話を進める。
『詳しい事を今は話せない。ただ僕とこのシャルミア王国の王都パウラスに来てマーティン陛下と謁見して欲しい。ああ、行きと帰りはしっかりと送るよ。君はここに来たばかりみたいだからそのまま王都に住んで良いし』
この話、常人ならばメリットばかりだろう。何故なら王国のトップと会えるのだから。実際にアブルは断る事は無いと思っていた。だが此処にいるのは残念ながら常人ではないのだ。その度合いも異世界から来たというとんでも無い具合だ。なので……
『断る。というか俺のメリットが見当たらない』
『えっ!?』
こういう感じになる。レオンは別に陛下なんぞと会わなくても良いと思っていて、アブルはレオンの返事は「ハイ」とだと思っていたのだ。
『え?メリットも何も陛下と会うのがメリットじゃないか』
よって混乱。言い方を変えればテンパる。
『どこがだよ。そんな堅苦しい所に行きたくないし、俺にメリットが無いからパスって言ってるだろ』
そこで唐突にアブルが笑い出す。
『ハハハハハハ!陛下にこんなに屈辱的な言葉を吐く人は初めて見たよ。でも、それでこそ面白いね。君、王都に行こうよ!報酬は僕からもしっかり出すよ』
それからアブルの勧誘合戦はヒートアップした。
そして最終的には……
『分かった。行くから!行けばいいんだろ。だからもう五月蠅いから黙れ!!』
レオンが折れた何故なら……
『え?本当?やったー!!レオンが折れた!僕の勝ちだね』
何故かアブルが延々と来て来て、と言い始めたからだ。そしてレオンが折れ、アブルの勝ちになった。
この会話、話した時間は全部で二秒程だ。
本人達にとっては体感時間三〇分位だが。
12話目終了。……なのですが、誤字がありましたの報告をさせていただきます。
シャルニア王国→シャルミア王国
です。
ぶっちゃけ何も殆ど変っていないのですが、なんというか……こだわりですね。
明日は更新できるか不明ですが、これからも『神槍使い』をよろすくお願いします。
それと今回から初めて出てきた魔法の説明をしたいと思います。
……まぁ、これよりも前に出てきた魔法の数々は気が向いたときに更新しておきます。更新したときは報告しますよ。
『風鎖』~風魔法~
詠唱……風よ、彼の者に束縛を
効果……魔力で作られた風の無色の鎖が対象を捕獲する。
『小嵐』~風魔法~
詠唱……我が魔力を糧にする嵐は我の力。全ては我の思いのままに
効果……小さな竜巻を発生させ、風にて対象を切り刻む。
『暴風』~風魔法~
詠唱……我が魔力を生として生き、切り裂き、荒れ狂う嵐は永遠に我の力。全てを飲み込む力までもが
効果……大きな竜巻を発生させ、風にて対象を切り刻む
『念話』~無魔法~
詠唱……詠唱なし
効果……魔力の波にて対象に声を届ける。届ける対象は一人だけであり、魔力の波で会話するため魔力が歪んでいる場所などでは使えない。
今回は四つです。
ではさようなら~(^_^)/




