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神槍使い  作者: 怠惰な男の子
1章~異世界へ~
11/58

10話 ギルマスだ!!そして年齢は……

10話目です!!

めでたい!!←区切りが良いため

偉大なる十属性の魔術師→偉大なる魔術師

読み方はレジェンドビショップと同じです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 ある部屋にいる男性……否、アーロンは自分の仲間からテイムした魔物、パラライズスピアからの定期連絡が途絶えた。という連絡と、イグナには魔物の襲撃が来なかったという連絡をさっき貰った。


「どういうことなんだろう?マジックアイテムの起動はしっかり確認した。魔物達は街に向かった筈なのに……血を求めて戦おうとするように操ったのに……」


 そこには大量の魔道具があったがそれらは全て禍々しく感じられる。


「もうちょっと強くすれば大丈夫かな?でも素材がもったいない。やっぱり魔法陣を改良していくしかないのか」


 アーロンはまた『朱なる瘴気』を改良しながら作り始める……のだが何かを思い出したように呟く。


「今度は王都に攻撃する予定で、あっ!最近、『新しい奴』が増えたからそいつに改良版を付けてもらうか」


 そう言ってから耳に付けてあるイヤリングに魔力を流し、誰かと会話をする。

 今度こそは絶対成功させる、と。

 だが彼は知らない。一人の男性(男の子)がこの計画に大きく関わってしまい始めている事を。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 魔物の意味の解らない襲撃から次の日レオンはプーサと森の中で寝ていた。


「ぅあ?ん……ん~……おはよう。ふぁ~」


 プーサよりも早く起きたレオンは洞穴の外で見張りをしているプーサに声をかける。


「お、ようやく起きたか。とりあえず今日は街に帰るぞ。と言いたいところだけど、昨日あった事俺からも報告するがお前もちゃんと報告しろよ」

「分かってるって。とりあえず行くぞ」


帰り際……


「ああ言っておくの忘れたが、お前試験に受からないかもしれないな」

 いたずら小僧のような笑顔で見てくるプーサ。

「はぁ?どういう事だよ」

「いいやこの試験には受からないかもしれないって」


 含みのある言葉にレオンは?マークを頭に浮かべていた。

 こういう会話があったとか無かったとか。


 森から休憩しながら歩いてきたために今回イナグに着いたのは夕方になっていた。もっとも休みたいといったのはプーサだけだ。レオンは宙を魔力消費無しで空を飛べるからだ。


「おっ!!レオンか。その顔はもしかして試験落ちたか?」


 そう冗談で言うデューイだったが今は間が悪かった。


「あ?」


 凄く不機嫌だったためレオンが勝手に街の中に入って行ってしまった。それを追いかけようとするデューイだったがそこで呼び止められる。


「デューイ!レオンは冒険者の仕事で外に行ったからお金は大丈夫だぞ」


 その声でデューイはなぜレオンがあそこまで不機嫌だったか理解した。


「お前がいたからか。レオンがあそこまで機嫌わるかったのは」

「いやいや今回はイタズラなんてしてないぞ?本当の事を大事な情報を抜いて話したらあそこまで機嫌が悪くなっただけだから」


 デューイの後ろにいたのはプーサ。見かけによらず異常なまでのイタズラ好きなのだが……


「それ完璧にお前が悪いだろ!」


 今回は完璧にデューイに負けるのだった。


「レオンっ!冒険者ギルドに着いたぞ」

「分かってる」


 冒険者ギルドに着いても機嫌が悪かった。しかし、武器であるブリューガングはしっかりと『無限収納腕輪』に収納したが。

 中に入るとの朝時間だったため冒険者でごった返していた。一番いるのはDと書かれたボード付近にいる冒険者で一番少ないのはAと書かれたボード付近にいる冒険者だ。だが今は夕方のため依頼の完了届けだけで、依頼をちら見している者しかいない。

 その光景に前は全然いなかったのにと唖然としているレオンをおいていきプーサはレティが受付をしているカウンターに行く。するとさすがAランク冒険者というべきかそこに並んでいた冒険者がプーサにはお辞儀をしていく。もっともレオンには睨みをきかせていたが。

 レオンはその中でも自分をお財布が来たとみているような目線の人を覚えた。


「おいレティ、ギルマスとの会話をちょっとしたいんだが良いか」


 すると声を掛けられたレティは少し驚いた顔を見せてから……


「勿論良いですよ。少し待っててください」


 そう言いながらカウンターの奥にある扉を開けて中に入っていく。

 そのまま5分程するとレティが帰ってきて言う。


「それもAランク冒険者の特権だからいいですよ。だそうです。ではギルドマスター室まで行くのですが、その……レオンさんはどうします?」

「勿論行くさ。こいつのためにギルマスに会うんだからな」


 レティの質問にそうやって答えるプーサ。それにまた驚いた表情をするレティ。その会話を聞いていた冒険者はレオンが何者なのかを疑問に思い、魔法使いと呼ばれる者達はレオンの魔力を感じとったため当たり前という風な感じをしていた。

 そしてレオンとプーサはレティに連れてこられ、カウンターの奥にある扉の中にはいる。

 だが、格段寒いという訳でも無く、暗いわけでもない変哲も無いただの通路だった。

 その光景に唖然としながらもその通路を歩いていくレオン。暫くすると他の部屋とは一線をなすような高そうな扉が見えてきた。そしてその扉の前に着くとレティがドアノックを使って扉を叩く。


「ギルドマスター、プーサさんとレオンさんをお連れしました」

「分かったわ。とりあえず中に入れて」


 中から聞こえてきた声にびっくりするレオン。なぜならその声はレオンが予想していたように、老人の野太く低い声……というわけではなく、女性の高く響きわたる声だったからだ。


「はい。レオンさん、くれぐれも失礼を掛けないようにしてください」


 入り際にレティに言われた一言。なんとなく分かったのは、ギルドマスターはそういうのを気にしている人という事だけだった。


「失礼します」

「久しぶりだなイーゼ!」

「失礼します。ギルドマスター」


 高校で職員室に入るような緊張感。こういえばレオンの感じている緊張感を分かるだろうか?

 最もすぐこの緊張感は消えるのだが……

 それに対しプーサは友達にでも会いに来た感じであいさつしている。雰囲気を見る限り本当に友達に見えてしまう。

 この二人に対しレティはもう慣れたといった感じでギルドマスターが座るだろうと思われる椅子の後ろに立つ。

 その慣れたは、プーサとは違って何度も来ているから緊張はするけど慣れた、というものである。


「プーサ、久しぶり!最近誰も会いに来てくんないから退屈だったのよ。で、そっちのちっちゃい子があなたの私に会わせたい人?」

「おう!そうだ」


 『ちっちゃい』。ただそれだけの言葉だが、あるトラウマをえぐり、多大なる精神的ダメージを負わせた。と同時に……


『お前ってチビだよな!俺に追いつくのは何時なのかな?』

『もう俊ちゃん!相馬はそれ気にしてるんだから言わないであげたら?』

『ま、事実だし言ってもいいと思うわよ』


 いじられていたのは確かだが楽しかった地球の日々を思い出すレオン。

 だがすぐに自分に言い聞かせる。もう此処は地球でもないし、会う事が出来ない人もいるんだ、と。


「後ちょっと待ってくれる?少しでこの書類終わるから」

「おう。良いぞ」


 だが泣きそうになるレオンには誰も気づかず勝手に話を進めていく二人。

 イーゼと呼ばれるギルドマスターが仕事を終わるまでレオンとプーサは暇になった。そのため先ほどきになった事を質問してみた。


「プーサって、ギルドマスターと友達……とまではいかなくともなんか関係あるんですか?」

「ああ。あるさ。俺は今三十後半だけどな、あいつは70前半だ」


 そう言いイーゼを指差すプーサ。こめかみに青い血管が浮いているのだがプーサは気付いていない。

 イーゼの中ではプーサは半殺しが決定された。


「だがあいつはハーフエルフだからな。俺たちとは寿命が違い過ぎる」


 少し笑いながら話すプーサ。

 ちなみに人間の寿命は七十程で、ハーフエルフは五百年程だ。その他の種族は追々説明する。


「おっと!話が脱線しちまったな。で、俺たちは三人の仲間と、計五人で二〇年位前にパーティーを組んでいたんだよ。それで仲が良い訳。もっともイーゼはギルドマスター、俺はまだ冒険者って変わっちまったけどな」

「他の仲間はどうしているんだ?というかなんでパーティーを解散したんだ?」


 その質問をした瞬間プーサの顔が暗くなる。それを見て話題をぎこちなく変えるが……


「話たくないなら別にいいし俺はやっぱプーサの……」

「子供が気づかいしてんじゃねぇよ。話すぞ」

「良いのか?」


 そう返すレオンだったがプーサは迷いもなく答える。


「ああ。実は二年程前にこの街の近くにある森、魔窟の森のことだ。そこでグリフォンの討伐依頼があって、俺たちはその時この街で一番強かったAランクパーティーだったからそれを受けたんだよ。けれど予定が一匹だったが、番いで二匹いて戦闘に入ちまったんだよ。そんでシーフだった奴と弓術士だった奴が死んで、生き残ったのは俺とイーゼ、錬金術師兼補助・回復専門の魔法使いをやってた奴ってな訳だ。一応依頼は成功したがな」

「何々、なんの話してるの?」


 言いたくないような事を言ってくれたプーサに礼をしようとしたレオンだったがそこでイーゼが入ってくる。


「いや何でもないですよ」

「あらそうなの?でもさっき私の年齢を暴露していた不届き者がいたような気がするんだけどな?」


 後ろに地獄の業火でも従えていそうな程お怒りのギルドマスターが見えたレオン。そして殺気とも呼べる威圧を受けたプーサは……


「ご、ご、ゴメンナサイ」


 素直に謝るのだった。


「ま、勉強(躾・いじめ)は後でするとして、本題に入りましょ」


 しかし怒りは収まっていないご様子。レオンは心の中でプーサにご愁傷様と言い本題に入っていく。


「まずは今回の事をできれば詳しく教えてくれないかしら?」

「分かった」


 途端に厳しい表情になるプーサ。それはイーゼの方もなので、さすがに公私混合しないようだ。

 青筋が浮かんだままなのは頂けないが。


「まず俺達はイグナの近くの森、――西の方にある奴だ」

「ええ」

「そこで、あの~その~、うん。冒険者登録の試験をしたわけだ」


 そこで右手を前に突き出すイーゼ。その拳は綺麗にプーサの顔面に当たり、顔面をへこませる。

 それを見てレオンは人の顔面をへこませるのは二tの力が必要だと聞いた事があったので、イーゼだけ怒らせないようにすると決めた。


「え~と?今は冒険者登録の試験なんてやっていない筈なんだけどな?なんで勝手にやるの?私に報告しようよ?というかなんであなたはしゃべる度に私を怒らせるの?なんだっけ?あなた大道芸人か何か?それとも狙ってるの?マゾなの?虐められたいの?虐めてあげようか?私優しいからさ」


 イーゼの後ろに雷が落ちた。もしくは鬼が見えたようなレオンだったがここは静かにする。


(巻き込まれるのだけはいやだな)


 そんな事を思っているとプーサと目があったが救援要請を、目を逸らしてやりすごす。

 説教はこの後二十分程続いたので、レオンは先が長いなと思うのだった。

 それから長い間続いた二十分。その末には勉強(躾・いじめ)の時間が延びる事になり、暫く依頼が達成しても達成金が貰えなくなったプーサ。落ち込んでいるがレオンは巻き込まれたくないため無視する。


「ふぅ~……疲れた。ま、この死んでるバカ(プーサ)は置いといて、レオン君?よね?まあいいわ。話を進めて」

「は、はいっ!その後はその森で『ゴブリン』『一角ウサギ』『フォレストウルフ』を合わせて二十体狩れと言われまして、初日に十二体程狩ったんですよ。そしたらその日の夜になんかおかしいなって目が覚めたんです。そしたら戦闘音が聞こえて、そこに行ったら大量の魔物とプーサさんが戦っていたんです。ここまでいいですか?」


 ギルドマスターが話に着いて来れているか確認したレオンだったがやっぱり大事な事を聞いてくる。


「うん。と、言いたい所だけど数は?種類は?目測で良いから」

「数はだいたい七百から八百といった所でしょうか。そして種類なんですけど今回試験で出された三体に『パラライズスピア』などのスピア系。その上位種のホーネット系に『大毒蜘蛛』『ゴーレム』『オーガ』や『ホブゴブリン』『ゴブリナ』その他にも数種類にいますけど、そこら辺が私の倒した魔物です。」

「七百から八百っ!?さらにそんな高ランクの魔物も!?」


 その数に驚愕するイーゼ。そのまま、「とりあえずあそこの森はいっぺん片っ端から探索してもらった方がいいわね。でもだれに……」などとぶつぶつ言い始める。

 本当は聞こえない筈なのだがレオンの無駄なのかはわからない耳が拾ってしまう。

 だがこのままも状態とはいかないので話かける。


「すいません。もうちょっとはなしたい事があるんですけど」

「えっ!ああ、うん、ごめん。で、なに?」

「まずはバカ(プーサ)に試験に必要だって記……銀色の板を渡されたので、とりあえず返しておきます」


 そう言いながら時間停止の無限収納腕輪から記録版:劣化を出すレオン。記録版の中江を言い換えたのはレオンはこの魔道具を知らないことにしているからだ。

 その銀板を見て溜息を吐くイーゼ。何故なら……


「『ゴブリン』『一角ウサギ』『フォレストウルフ』だけで六二体って、予想はしてたけれどあなた明らかに初心者じゃないわよね」

「あはは」


 それに愛想笑いで返すレオン。


「そういうの良いから」

「はい!とりあえず魔物は全部倒してきました」


 少し怒気を含ませたイーゼの言い方に思わず即答する。


「そんな事分ってるわよ。バカ(プーサ)はどうしようもないイタズラ好きだけど、仕事はちゃんとするからね。それと私が聞きたいのは結果じゃ無くて過程。どうやってそんな大勢の魔物を倒したの?」


(プーサは範囲攻撃がほとんどないのよね。魔法だって攻撃の補助の役割だし。となるとこのレオンって言う子供だけど……多分魔法ね)


 イーゼが心の中で考えた仮設。それは大当たりなのだが、それを言ってしまったことでレオンは最悪な展開を迎える事になる。


「魔法です。俺のオリジナル魔法なんですけど」

「それもそこらの魔術士よりもよっぽど強い」


 急に会話に入ってきたバカ(プーサ)。顔は大きくやつれているが。その言葉にイーゼは目を大きくするだけでレオンに提案をしてきた。


「今回の登録試験は私の権限を以ってEランクスタートで合格。という事にしますが、その条件としてレオン君には森の再調査と魔法適正・ユニーク魔法をギルドだけに開示して頂きます。もっともこの提案を拒否した場合でも合格ということにしますよ。それだとGランクスタートですが。けれどこれで良いですよね」


 この提案はレオンにとって難題だった。なぜならどっちを選んでもメリットとデメリットが大きすぎるからだ。仮に、この提案を受け入れた場合のデメリットはギルドに魔法適正・ユニーク魔法を教えるという事だ。一見好条件に見えるがそれは自分の弱点を教えているのと同じ。しかしメリットはEランクからスタートできるという事だ。ランクが低いデメリットは町中でしか出来ない依頼が多いという事らしい――アドルフから貰った体にはいっていた――ので良い事と言えるだろう。

 レオンはその他にもメリット・デメリットを考えて、最終的にはメリットが上回ったので答えを口にする。ただし提案もするが。


「……はい。勿論良いですただ、弱点を晒す報酬としては些か安すぎません?せめてDやCランクでは?」


 その言葉にイーゼは数秒ほど考え込んだ。


「じゃあCランクから、と言いたい所だけどあまり功績をあげていない者をいきなりあげると他の冒険者から恨みを買うわ。だから、Dランクにしておいて暫くしたらCランクということで。良いわよね?」


 レオンの提案に頷きながらもイーゼは変更をした。ただ、その理由にもレオンは不満があった。


「喜んで。ただ今回の討伐に功績は……」

「ある。と言いたい所だけど今回の事は秘密にしておくわ。街の住民を混乱させないためにも。だから無理なのよ。重要なのは冒険者たちの気持ちだから」

「……はい」


 不満いっぱいに言ったレオンだったが他にも理由があったそれは……


(このギルドマスターは問い掛け方が脅しだよ。逆らうと面倒だと思うし、賛成するか)


 ようするにレオンは年の功とも言うべきもので負けた?のである


「ありがとね。森の再調査はある程度目処がたったら依頼するわ」

「はい、分かりました。それでギルドカード何時貰えるのですか?」

「今あげるわよ。……と言いたいけど後で下に行ったらレティから貰って。後、なんか依頼受ける時とかはレティに言ってね。レティが休みの時はスルニィっていう子がいるからその子にお願い」

「何で指定するのですか?」


 疑問を口にするレオンだが……


「こっちにも都合ってものがあるのよ。だからお願いね」


 そう言われると何もいえないレオンだった。


「……分かったよ。じゃ、俺は依頼でも受けていくよ」

「ありがとう」


 レオンは一度扉の前で動きを止めプーサの方向を見る。

 そして呟いた。


 ちなみにこの後下に降りようとするレオンはプーサからは助けを求められたが、イーゼが真剣な表情でプーサの方を向いている為先ほどと同じようにやり過ごした。

レオンが去っていったギルドマスター室。そこではイーゼに怯えたプーサと、プーサを真剣な目で見ているイーゼの姿がある。

そしてイーゼが口を開きまた怒られると思った瞬間プーサには予想外の言葉がイーゼの口から発せられた。


「プーサ、さっきはゴメンね。怖い思いをさせてしまって。本当は別に話したい事があったから適当に理由を付けてここに残したの。あの子にこの会話を聞かせちゃいけないから」


 その言葉は何時に無く真剣でプーサは少し驚く。だがこの表情には見覚えがあった。

 先ほどレオンに話していたグリフォンとの戦いが誤って始まってしまった時や、Aランクの試験が始まる時など。共通していたのはイーゼにとって凄く大事な時だ。


「何だ?」


 こうしてレオンの預かり知らぬ所でレオンに関しての話が始まった。


「まずはね、レオンの情報だけど全くと言っていいほど無かった。だってこの街には数日前に来たばっかりだからよ」


 その話に関してはプーサも予想をしていたのか頷く。


「まあ、この情報を集められたのもあなたの……いや、ユニーク魔法『念ず者』と『視る者』のおかげなんだけどね」


 イーゼの言う通りプーサはレオンに話した『視る者』だけではなく『念ず者』も所有している。効果としては、『視る者』はレオンに説明した通りで、『念ず者』は対象を脳裏に浮かべて念話したいという意志があると念話出来るのだ。しかしこれだけでは普通の無属性魔法の『念話』と変わらない。それが何故ユニーク魔法に分類されているかと言うと……


「お前の『隠す者』もあったからじゃねぇの。他の街のギルマス達はまだ返信が来てないぞ。これじゃ『念ず者』の特殊能力の一つ『共通想像会話(マルチイメージチャット)』と『光景転送念話(ギブュー)』の意味がないじゃ無いか」


 『共通想像会話(マルチイメージチャット)』、それは言葉通り通常一人としか出来ない『念話』を複数で、時間差なく会話できるためだ。

そして『光景転送念話』、これは写真を送る能力。という感じに捉えてしまって貰ってかまわない。さっきプーサの言葉、手練れの魔術士と聞いたのに僅かにしか顔を変えなかったのはこれのおかげだ。だが写真は写真でしか無く、その場の威圧感や魔力の感知などは全くできない。しかしその場の光景は伝わり、『共通想像会話』で状況も分かるので、イーゼは音や風などは『隠す者』で隠蔽した。

 特殊能力にはレオンのユニーク魔法も……というか全てのユニーク魔法所持者が本能的に使えるのだがレオンは今の所気づいていない。

なお特殊能力の説明に関してはまた今度の機会に、だ。


「まあ、『隠す者』があるからこそ私は気配とか音とかも消せる『存在証拠の消滅(ロスト)』で暗殺者の役割をしていたから。これでも私街中駆けずり回ったんだからね」

「それはお疲れさん。でも、戦闘終わってすぐ連絡したからいいだろ」


 このプーサの言っている戦闘後とはレオンが『水鳳凰の雷』を放ったすぐのことだ。レオンのようにずっと放心していなかったのはさすがAランク冒険者といった所だろうか。


「はいはい、良いわよ。次は領主様に報告しておいたということよ。重要案件の所に入れてだけどね」


 その言葉を聞いたプーサがあり得ないだろう表情をした。だがすぐに思い直す。


(いや、手練れの魔術士というのは結構重要か。あれ?そういえばなんでそんな魔法使ったのに誰も来なかったんだ?)


「そうか。でも何で騎士団が来なかったか分かるか?あんな規模の魔法感知されない筈がないだろ」

「そう。今回呼んだ本命がこれよ。魔法ってはその人の最大出力で出せば出すほど感知されやすくなるの。例えば私が本気で魔法を使えば魔力は大きく感知されてしまう。けど、灯火を作る位だったら全く、それこそ『偉大なる魔術師(レジェンドビショップ)の空間を治める者』位しか感知できないわ。けれどレオンが使った魔法は、この街で一番の魔法使いの私ですらようやく感知できたような量だった。その感じられた魔力で火を作れ、って言われたら灯火すら作れるか怪しい位の。要するに……」


 そこでイーゼは話を切った。

 それにプーサは無意識で唾をゴクリと飲んだ。


「要するに、『偉大なる魔術師(レジェンドビショップ)の火と蒼焔を治める者』とか『深㷔の魔法使い』って呼ばれている私ですら彼の足もとには及ばないの」

「でも、本人は本気と言っていたぞ?」

「それは無意識的にストッパーでも掛けているのだと思う。トラウマのある人にある事よ。それがあると魔力はあるのに全てを扱えない」


 『偉大なる魔術師』というのはこの世界にある属性、『火』『風』『土』『水』『雷』『空間』『時』『光』『無』『氷』とその上位属性『蒼炎』『暴風』『大地』などを操る者達の事だ。

 これは人々が勝手に言い始めた事では無く、王国がそれぞれの属性を持つ者を集め、強い者を臣下にさせ、そういう部隊を作ったのだ。王直属として。そして今は命令がないためギルドを治めているのだ。

 その者達よりも強い。それも少しと言うわけではなく、圧倒的に。

それがどういう事が分かるだろうか?


「レオンは、この先どうするのかな?」


 その呟きは誰に言ったのか?それは本人にも分からない。

だが王に従え、一生の安泰を願うのか、冒険者として永遠に生き続けるのか。そういう意味でこぼした言葉なんだろうとプーサは思った。

 そしてプーサの呟きはギルドマスター室に小さく、だがその場にいる者には染み入るように響いた。



 その頃下の階では……


「おい坊主、なに俺のレティちゃんと歩いてんだ。しかもそのドアから出てきたってことはギルマスのお気に入りか?」


 ものの見事に、テンプレ通りに、レオンが予想し『隠密』を先ほどまで使っていた理由となっていたイベントが起こっていた。

 





今回はだいぶ多く書きましたよ?楽しんで頂けたら本望です。

しかし、見直しをあまりしなかったので可笑しい部分もあると思うので、見過ごして頂けたら、と。

指摘して頂けたら嬉しいです。

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