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ラプラスの悪魔が囁く  作者: なつ
第一章 何に彼女は怯えたのか
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 そう、耳元に。

 囁くような、声が聞こえるの。

 近くには誰もいないのに。

 いいえ、近くに人がいても、彼らには聞こえない。

 ただ、私にだけ聞こえる声で。

 耳元で。

 わたくしが愚か者だ、と。

 いいえ、いいえ。

 そんな内容ではなかったかしら。

 もっと直接的なことだったわ。

 わたくしを疑っている。

 いいえ、もっと確信に満ちた言葉で。

 わたくしを許すことができない、と。

 だから、わたくしは倒れて、震えて、どうして、こんなことになってしまったのかしら。

 わたくしは信じていない。

 少なくとも、図書棟に現れる幽霊の存在なんて、信じていない。

 信じていないというよりも、それは事実。

 そう、わたくしが思っていたから、罰だとでも言うのでしょうか。

 幽霊は、存在する、とでも言うのでしょうか。

 いいえ、いいえ。

 そんなはずはない。

 何か、仕掛けがあるはずなのです。

 でも、今でも耳元に囁く声が聞こえてきそうで。

 わたくしは、どうしたらよろしいのでしょう……


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