第3話 コルン
そんなアッシュと仲が良いのはコルンという少女だ。
コルンは、アッシュが世話になっている村長の家の娘。
お昼頃。
村の困りごとを聞いたり、解決してまわっていた彼女は、家に一度戻っていた。
お昼ご飯を食べるためだが、アッシュの忘れ物に気づいて。外に出る。
彼女は村人たちに少年の行方を聞きながら、歩き回る。
「ねぇ、アッシュは知らない? また村の外に出ているのかしら。お弁当忘れたから届けたいの」
「コルンお姉ちゃんあそんで!」
「お絵描きしたのみて!」
「お弁当もってどこにいくの!?」
「ごめんね。あとで! アッシュがおなかペコペコだと思うから!」
明るく朗らかで優しく、社交的。
村の多くの者達と交流があった。
そんなコルンは、捨て子であるアッシュの事をよく気にかけていた。
コルンにはお医者さんになるという夢があったが、村の人たちのためにその夢を口にはしなかった。唯一幼馴染であるアッシュ以外には。
村の中にいては医学の勉強はままならない。
しかし、村長の娘として将来を期待されているため、裏切れなかったのだ。
「アッシュ、ここにいたのね! ほらお弁当よ!」
コルンとアッシュは多くの時間を共に過ごしていた。
そのため、コルンはアッシュに淡い想いを寄せるようになっていたが、アッシュはそれを意識した事はなかった。
アッシュはまだ10にもみたいない少年で、彼の心の中は、自分の事と村を守る事で手いっぱいだったからだ。




