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第19話 ばけものを操る少年
スフィアには、化け物すら操る、特殊な力があった。
音の魔法で、生き物を操る事ができた彼は、ばけものになったアッシュへ挑む。
生贄として食らおうとするそれにスフィアは一晩中、魔法を使い続けて抵抗した。
様々な魔法を使いこなせるスフィアはその時代の中では一番の魔法使いだった。
スフィアと化け物の戦いは、間違いなくスフィアの人生の中で一番の激戦だった。
スフィアには、魔法だけがあるのではない。
感情も操るような音の魔法を奏でる、一流の笛の演奏技術があった。
そして、富める者として生活していた際に、一流の剣士から学んだ剣術もあった。
彼は右手で音楽を奏でながら、何もせずとも念じるだけで魔法を宙に放ち、剣を持った左手でばけものを攻撃していた。
その戦いは、偶然通りかかった吟遊詩人が歌にするほど、壮絶で美しいものだった。
一日が経った後、アッシュはその魔法の影響を受けて、彼に使役される存在になった。
スフィアは、化け物を操り、あることを成し遂げようとしていた。




