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月影の村と恋の審判
銀の月が空に満ちる夜、王国の片隅にある秘された村――ルナ・ヴィレッジでは、百年に一度、特別な「選定の儀」が執り行われる。
この儀式の目的はただひとつ。
“神の加護を受けし花嫁”が、未来の王配を選び取ること。
だが、ただの恋愛儀式ではない。この選定には命がけの「人狼ゲーム」が隠されていた。
選ばれたのは、王都の片隅で育った孤児の少女――セリス・リュミエール。
彼女は“神の瞳”を持つとされ、千人に一人の「真実の眼」の力を宿していた。
「セリス様。今宵より、選定の館へお入りください」
神官に導かれ、セリスが足を踏み入れたのは、美しくも不気味な古城。そこには、彼女を待つ9人の貴族の青年たちがいた。
──そのうちの何人かは、人の皮をかぶった「人狼」。
選定期間は満月の七日間。
その間、セリスは参加者たちと心を通わせ、恋に落ち、自らの運命の相手を選ぶ。
だが同時に、「人狼」を見抜き、処刑しなければならない。
愛と死の選択。
疑いと信頼の間で揺れる心。
果たしてセリスは、真実の愛を掴み、人狼の陰謀を打ち破ることができるのか?