表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役貴族転生【女装】悪役令嬢ルート ~99通りで断罪される悪役に転生して女装したら死亡フラグが無くなる代わりに周囲の目が怖くなってくんだけど?~  作者: あずももも
1章 女装して屋敷を堕とした(7歳スタート・すでに手遅れっぽいけど)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/147

11話 我が主君――セレスティーヌ様(by ベルトラン)1

私は、ベルトラン。


ただの、平民上がりのベルトランでございます。


巷では「英雄ベルトラン」「一市民から王室騎士団長に成り上がった平民の希望」「努力の天才」などと言われることもあるそうですが――少なくとも私めは、そうは思ってございません。


特別に優れたもののない、ただの市民の両親から生まれた――少々他人に対し武芸を誇ることのできる程度の、ただの平民でございました。


しかし、私めの人生は――若きある日に、とある御方によって決定づけられました。


「――ふむ。その面……お前」


「は……私め、でございますか」


その凜とした轟くようなお声が――私めが人々の記憶に残る存在にさせた、罪深き――かつ、いと尊き御方のものでございました。


――ただの。


ただの、平民出身の兵士に。


平民出身ゆえ、当時の私めには特別に秀でた武芸も――本当に何もなく。


――無いはずなのに、無かったはずなのに、あの御方――セレスティーヌ様は。


「そうだ。お前には才能がある。その才能を、たかが町を巡回する兵士で腐らせるなど、我が王国――人類の損失よ。今日より父様の直属の騎士団へ入るように。異論は許さぬ。私が命じたのだ」


そのお美しいお声と――余りにもそぐわない内容に、ざわめく広場が強く記憶に残っております。


なにしろ、私めは平民。


周囲の圧倒的多数の騎士・貴族階級出身の方々――幼少期からの、高名な方へ師事され、訓練の内容からして違い、その上魔力も潤沢でした――の中で、多少才能を見込まれて鎧を纏っただけの存在。


「姫様!?」

「セレスティーヌ様……お戯れを」

「あれは平民の……ベルトランだったか? 哀れな」

「突飛な言動をされるお方だからな」


聞こえてくるのは、その言を真に受けるでもない――嘲笑。


私めが――いえ、その場に居た全ての方々が、あの御方の言葉を理解できなかったゆえのこと。


ゆえに、騎士団へ異動した後の過酷な扱いにも文句などありませんでした。


けれども、当時の私めはただの物を知らない「姫様の玩具」な田舎の平民。

仕方のない扱いにも、次第に心が痛めつけられていきました。


そうして数十の月が流れ――私めが、絶望に浸って居たときのお声。


「――何? 私の取り立てに対し、詰まらぬ嫉妬で嫌がらせを受けているだと?」


「全く、騎士団の質も落ちたものだ。ベルトラン、獲物を持ち訓練場へ来い。私と模擬戦をせよ。無論、私を殺すつもりでなくば、お前の首を晒して帰ると心得よ。数十時間の死闘のため、余すことなく栄養と滋養を摂った上で馳せ参じよ。――何、人間、死ぬ寸前こそに才能が開花するのよ。それも、特別にな」


それが――私めがセレスティーヌ様――当時は王国の姫であられたセレスティーヌ様に見初められ、騎士団で御身の警護を担当する栄誉を賜った時期の記憶でございます。


セレスティーヌ様――今は亡き、余りにも早くに亡くなってしまわれた――何があろうともあの御方が命を落とすなどは誰もが想像できず、故に今でも「セレスティーヌ様は亡くなったことになっているだけだ」と本気で信じている者が相当数存在するほどの御方。


彼女は――そのような、御方でした。


輝く銀の艶やかな長髪を、惜しげもなく我らに輝かせてくださり。


これが人間なのかと疑いたくなるような、かつて滅んだ帝国の遺した彫刻で象られた女神、その再来が彼女であると――いや、その女神は彼女の生誕を予見した神官が指示して作らせたと信じたくなる美貌。


全ての王国民は、あの御方の虜でした。


全ての民が姫を近くで見る栄誉に賜ることは無論無理な相談でしたが、その誉れを賜りし民が一様に讃えることを止めないものですから、いつしかそのお姿は吟遊詩人たちがこぞって語るようになり――遠く、遙か遠方の国家――文明なき蛮族にまで届いていたと聞き及んでおります。


セレスティーヌ様。


我らが人類最大の王国の、第一王女様。


その美貌は、ご誕生の際より侍女たちを通じ、すでに知られておりました。


曰く、玉のような赤子。

曰く、神の生み出されし御子。

曰く、古代の彫刻がそのまま魂を宿した存在。


その褒め称えぶりは、それはそれはすさまじいもので――当時の王宮は元より、生誕を祝うために来訪した貴族の方々、異国の王族など、この世に降臨されたばかりの御身をその眼で拝見する幸運に恵まれた方々が、郷に戻るや否や、熱に浮かされたように――短くとも数年のあいだは、事あるごとに呟いていたようです。


「あのお姿を一度でも拝見した者は、生涯『美』というものに対する絶対的な神髄を知ってしまったのだ」――と。


――大陸で知らない者は存在しない、最大版図と最大戦力を兼ね備える、名も実も人類の守護者にして魔王軍に対する防波堤である王国の姫。


であるならば、その美貌だけで後世まで語り継がれる存在。


ただそこに居るだけで、ただそこで息をしているだけで全てを魅了し支配し――子を成せば、きっとこの先数十年において人類全ての希望となられるだろう、幼き姫。


……そうでございます。


私めが――あの御方が身罷ってから2年を無為に生き長らえ、せめてもの償いとしてあの御方が残した全てを守るために全てを捨て。


少しずつ、生きる者としての宿命で、次第に輪郭がぼやけ始めるあの御方の姿――それを思い浮かべることも減りつつあった、今朝に。


「ベルトラン。話がある」


そう――あの御方が遺された、新たなるあの御方に。


思い返せば、幼きころのあの御方と聞き間違えるお声と話され方をされていたジュリオン様に話しかけられ――


「おお、ジュリオン様。本日は日光浴――――をおおおお!? セ、セレスティーヌ様ぁぁぁぁぁ!? も、申し訳ございませぬ、私めに何か不手際がぁぁぁぁ!? ために私めをわざわざお迎えに……それともこれが黄泉の国への……!? なんという素晴らしき最期なのだ……!!」


――そこに御座すは、まさにセレスティーヌ様の再来。


しかも、私めが知ることのなかった、幼きころのお姿。


……瞬間でも、「あ、私め、死んで天の国を制圧しきったロリセレスティーヌ様に呼ばれたのだ」と思ってしまっても仕様のないことでございましょう?



◆◆◆



「男の娘をもっと見たい」「女装が大好物」「みんなに姫扱いされるジュリオンくんを早く」「おもしろい」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に&まだの方はブックマーク登録で最新話の通知をオンにしていただけますと励みになります。応援コメントやフォローも嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
御母様の逸話ヤベェ! 天の国を制圧しきったロリセレスティーヌ様wwwwそういうことをしてもおかしくない人なのねww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ