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第13章 提案

営業が始まる。今日の来店予約は2件、どちらもSNSからだ。

入店初月の新人ホストにしては異例のスタートだが、麗人の勝負では話にならない。


LLは比較的良心的な値段設定らしい、指名+2h缶もの飲み放題で2万円とかなり高額だが、夜の世界ではそうでもないみたいだ。


飲み放題に追加で安価なお酒でもおろして貰えれば売り上げに繋がる。塵も積もればなんとやら。話題性だけで指名が貰えている現状では単価は望めない。だからこそ指名の数が必要なのだ。


「来てくれてありがとう!七条ナツメです」

「うわー!本物だ!動画で見るよりイケメン!」


LLのチャンネルでバズったこともあり、初回指名のお客様からはちょっとした芸能人扱いされる。せっかくなので乗っかることにする。


「これ名刺、サインするから名前聞いても良い?」

「やった!!ゆめです!」

「ゆめちゃん、今日は夢を見せてあげるね。LINE聞いても良い?」


指名客は、好意的に来てくれるので極端に攻めたことはしない、期待を少し越えるぐらいを狙う。


2組の指名客の接客と初回につく。初回では、2組送り指名がもらえた。今日の売り上げは、7万だった。ほぼ同期の天沢と比べてもかなり良いものだった。しかし、麗人は80万も売り上げていた。勝負相手として今日のオレなんかは話にならない。ただ接客してるだけじゃダメなことはわかる。


「ナツメく〜ん。ちょっと来て〜」


営業後、社長から呼び出される。


「聞いたよ〜、麗人と勝負するんだって〜?」

「はい」

「勝てると思う〜?」

「いや…なかなか厳しいと思います…」

「だよね。勝てるわけないよ。そもそも今、嘘でも勝てるって言わないやつは論外だよ」

「す、すみません」

「ホストは正直気持ちがすべてだからね〜。まあ、普通だったら今日も悪くない結果だからキミがそこまでで良いならいいよ?でも、面白くないよね〜」

「はい、どうせやるなら勝ちたいです」

「良いね♪ホストは気持ちがすべてだからね〜。しょうがないから1つヒントをあげよう〜。うちの強みって何かな?キミは今どんな状況にいるかな?これを考えて行動してみてね〜」

「は、はい。ありがとうございます」


LLの強み、オレの今の状況、これを考えて分析したら少しは勝負になるかもしれない。


オレはマルコDに連絡をする。


「オレに密着しませんか?」

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