第12.5章 研修③
ホストに復帰してすぐ水木から呼び出された。
「そういえば、歌舞伎町シマが何なんか説明してへんかったな?」
「はい」
「一条ハジメが世に出始めたのはいつかわかる??」
「5年ぐらい前ですか?」
「正解や。その少し前にハジメくんはプレイヤーとして日本記録を大幅に塗り替えたんや」
「そうなんですか?」
「せやで、そしたらハジメくんの知名度は爆上がりやTVにもよう出るようなってからその存在は歌舞伎町では誰も無視出来んくなった」
「はあ」
「だからハジメくんはその影響力使ってな、歌舞伎町を綺麗にしようって動き出したんや。みんな滅茶苦茶やりおるからちゃんと管理しようゆうてな」
「なるほど」
「ただな、ハジメくんが全部仕切るには少々歌舞伎町は闇が深くてな、独立する前にいたBWの社長や他の主なグループに声をかけたんや」
「じゃあ、その人達で分業して管理してるってことですか?」
「まあ、そうやな。けどな、話はそない単純やあらへん。分けてるって言うより分けざるを得へんかった」
「揉めたってことですか?」
「正解や。ただ情勢的にもこの街綺麗にしよう流れはあったからJP、BW、EM、LLそれぞれの考えに近い派閥に分かれて互いに不干渉ちゅうことになった。これがシマの成り立ちやな。要するに、一つにまとまらへんなら4つの国を作って冷戦状態にしてまうってことや」
「なるほど。それじゃあ、この間のホスト達を連れていった黒いスーツの男達はそのシマの治安部隊みたいなものですか?」
「あぁ。それは半分正解で半分不正解や。あれはシマのやつじゃなくてこの町で独立した治安部隊や。他んとこの子、自分んとこでしばいてもうたらややこしいことになるやん?ヤーさんで言うたら"返し"みたいな」
「確かに」
「せやから、他のシマでめちゃくちゃやりおるやつを取り締まる組織を外部で作ったんや」
「それは誰が作ったんですか?」
「ん?誰やろなぁ」
水木は不敵に笑う。教えてはくれないようだ。
「そういえば、Desiciveって何ですか?」
「ん〜、そやな〜。簡単に言えばお祭り、物騒に言えば戦争やな」
「戦争?」
「さっきシマの取り決めん時揉めたゆうたやん?」
「はい」
「気に食わんからってドンパチやりたい時にドンパチやってもうたら冷戦にならんやん?」
「そうですね」
「せやからドンパチやるにもルールがあるんや。年に一度、宣戦布告が出来る。宣戦布告されたら勝負内容、要求を双方合意のもと決める。まあ、基本的に何でもありや。要求やったら引き抜き、シマの領土とかな」
「なるほど」
「これがDesiciveや。各々違いはあれどみんなこの街の統一を目指してる、もちろん、ハジメくんもな」
「Desiciveはホストにとっても色んな意味でええ機会や、キミはどうやって利用する?」




