3章 23話 王都道中2
久しぶりに更新します。
お待たせしている方、すいませんでした。
なお今回は短めです。
「昨日は部下がすまないことをした。
これは許されざることだ。
王都に着いたなら然るべき処置をすると
騎士の身分にかけて誓おう。
それでだが……」
「随分と殊勝な態度だな。
毒殺がバレてようやく反省か?
王都の騎士とやらは随分とモラルが低いと見える」
俺より先に痺れを切らしたノエリアが毒を吐く。
「くっ……入っていたのは毒ではないではないか。
それに、本来このようなことをする奴らではない。
とは言え、やってしまったことは戻らない。
王都に戻ったら然るべき処置をするため、
今はこのことを見過ごすことを許しては
もらえないだろうか」
「ダメだ。
我が敬愛する司祭に害をなそうとした行為を許すことはできん。
見せしめで構わん。一人を処刑しろ。残りは王都についてからだ」
黙って聞いているとノエリアがだんだん凶悪なことを言い出していた。
って言うかお前敬愛なんて言葉使えるのな。お前の辞書にその文字はないと思ってたぞ。
しかし、流石にこのまま放置は無理か。
「待て」
ノエリアを制すと、いやそうな顔をしながら仕方なくと言った感じで喋るのをやめた。
「毒薬ではなく睡眠薬だったことに何かしらの思いを
感じないこともない。
彼らも流石に手を出せないことをわかった上で、
嫌がらせ程度のことをしたかったのではないか」
「……そう言ってもらえるとこちらとしても救われる」
「とは言え、ことがことだ。
このままと言うわけにはいかない」
姿勢を正した状態の騎士の顔が悔しさで顔が歪む。
「情報提供をしてもらおう。
昨日、騎士隊長殿は今回の王都出頭要請の理由を
知らないと言った。だが、本当は知っているのだろう。
それを教えてもらおうか」
「……知らない」
騎士団長は顔を下に向け、表情を隠そうとしている。
「書類の中身を知っているかどうかはどうでもいい。
こちらもおおよその推測はできている。
そうだな……国の重鎮が殺されたと言ったところか」
なぜそれを。と言った風な顔をこちらに向けてくる。
「ふむ、そいつがお前たちの上司か。
きっと気のいい人間だったんだろう。
で、そいつをうちの信奉者が殺したと?」
「知っていたのか」
「知っているはずないだろう。
そのことを先に知っていたら
こちらで先に動いてそいつらを捕まえる。
仮に闇の女神教が黒幕だったら
大人しく捕まるなんてことするわけない。
あくまで推測だ。
そしてほぼ当たっていることも確信している。
で、誰だ」
「……何がだ」
「そいつが死んで得するやつは誰だと聞いてるんだ」
騎士団長の先までの驚いていた顔はもうそこにはなく、完全に落ち着いているようだった。
「闇の女神教の司祭は随分と聡明なのだな。
10歳の子供と思うなとの噂だったが、
まさしくその通りだ。
フィリベルト・バッケル。光の女神教の信奉者の貴族だ。
人格者だと言われている。
実際、国への寄与はとても高いらしい。
殺されたアーレント・オッケルとは派閥を別にしていた」
非常にわかりやすい。
今回のことで、敵対派閥は弱くなり闇の女神教の敵は増えることになるだろう。
それが狙いなのだ。小学生でもわかりそうな展開だ。
「そうか、わかった。
もういい。今回のことは不問としておく。
こちらから何か言い出すことはもうないだろう」
「感謝する……」
頭を下げると騎士隊長はそのまま去っていった。
さあ困った。これは、王都についたらこの騎士で済む騒ぎではない気がする。
俺の黒い髪,黒い瞳はとても目立つ。フードをかぶったとしても隠しきれるか……。




