3章 17話 闇の女神の啓司1
今回短いです。
すいません
俺は約束通り、シモンに勉強を教えることにした。
今はまだシモンに教えることができる内容がたくさんあるからいいが、シモンの理解の早さで教えていくといずれ教える内容がなくなってしまうのは間違いない。
そう思い、今後は教えるときの条件を厳しくしよう。そう思った。
案の定、教えた次の日には新しい学問を教えろと朝から部屋まで訪ねてくる始末だったので、昨日拾っておいた石ころを投げて渡して、これを金貨一枚で売ってこいと言ってやった。
シモンはその日一日色んな者に金貨一枚で買ってくれと言って回っていたと言う話をリネットから聞いたときは、腹を抱えて笑った。
シモンにはまだ応用力が足りない。俺の出してる条件はシモンを小ばかにすることも目的としているが、応用力を鍛えると言うこともちゃんと理由にある。
一日経っても売れなかったようなので、仕方なく答えを教えてやった。
「お前自身が買い取ればいいんだよ。
石ころはお前のものだ。お前自身が買い取れば、誰も懐が
痛まないだろ。
他人に売ろうとしたって、誰も石ころを金貨で買うわけないだろ。
それと、お前についてきてくれてるあの二人をあんまり
困らせるんじゃない」
前回、水の女神教の二人に手伝ってくれたことで正解したので今回も手伝ってもらってるらしいのだが、石ころを金貨で買ってくれなんて言うことを手伝ってもらえばあの二人の評判が悪くなるに違いないのだ。
だから一応釘を刺しておいた。
シモンはこのままではいけないと思ったのか、ただ勉強するだけではなく色んな事に手を出し始めた。
今まで体を動かすことにはとんと興味も持たなかったのが、今はアリスと一緒に小さい木剣を持って素振りをしている。年も近いので、その二人の姿ははたから見ていると微笑ましい。
また、料理にも興味を持ち始めたらしく、リネットが作るところを見学させてもらったりしている。
決して自身が作ることはないが、調理法や味付けなどを聞いてメモしている。
なぜ急にこのようになったのかまではわからないが、学問をねだられないのは俺にとってもいいことなので、放っておくことにした。
そんな生活が続き、いつものように自分の部屋で書類仕事をしていたとき。
「あのぉ、今ちょっといいですかぁ」
頭の中に、伸びた声が響いた。ああ、あいつだ。闇の女神だ。
「流石にぃ、助祭以上が他にいない状況はぁ、
大変だと思いましてぇ、一人増やしませんかってぇ、
提案しにきましたぁ」
先ほどまで何もなかった空間に現れる闇の女神。髪の毛は艶があって、以前見たような灰かぶりのような状態は全くなかった。
ドレスも輝きがあり、若干透けて見える肢体がまた神秘的に見えるほどだった。
「なんだか、まるで本当の女神みたいじゃないか」
「まるでじゃなくてぇ、本当の女神なんですぅ」
口を尖らせて反論する闇の女神。
「あとぉ、あのアイスって言うのぉ、私も食べてみたくてぇ」
こっちが本音か、その時の俺の闇の女神を見る目は一段と呆れていたと思う。




