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3章 2話 シェリー・ダンフォード

3章新キャラの登場です


私、シェリー・ダンフォードは現在20歳。光の女神教を信仰する筆頭貴族として有名なダンフォード家の長女だ。

貴族の長女がどうして聖騎士に? とよく聞かれるのだが、先にこの聖騎士と言うものについて説明しようと思う。

この世界の宗教には聖騎士と言う職位は存在しない。では聖騎士とは何か。神殿騎士であって、その中でも特に信仰が厚く、また剣や魔法の腕が高い者だけに贈られる、言わば称号である。

つまり、私は貴族の長女にして神殿騎士筆頭の実力を持っている。

そして光の女神教では、この称号を職位として名乗ってもいいことになっているので、私は好んでこの聖騎士と言う職位を名乗っている。


私がどうして聖騎士になったのかについては、生い立ちを話したほうがわかりやすいだろう。

ダンフォード家長女としてこの世界に生まれ落ち、子供の頃から玉のように可愛いと言われて育った。3歳になる頃には美形な両親の遺伝を確かに受け継いだと言われ、将来は高位な貴族に嫁ぐ者だと誰もが思うほどだったと言われている。しかし私は世間の思うようには育たなかった。


他の貴族の少女たちが嗜むような遊びには興味がなく、同年代の少年たちと剣技やかけっこなどの遊びに興じた。両親はいつかは貴族の世界に入る娘のことを思って、私に少女らしさを強制することを決してしなかった。

そして私が剣の道を進む原因となった事件が起こる。

ほかの子供とも遊びの最中に大怪我をしたことがあった。初めての大怪我に私は苦しみ、誰でもいい、早く助けてと天に請い願った。そんな私を救ったのは、現在の大司教であり、当時の司教だった。


痛みに苦しむ私に優しい言葉を掛け、魔法で傷を癒しながら司教は頭を優しく撫で続けてくれた。大怪我をした背中には傷が残ったが、私を救ってくれた司祭,そして光の女神には並々ならぬ思いを抱くことになった。このことが私を光の女神教に没頭させることになった。

剣の道ではないのか? と思っていることだろう。もう少し待って欲しい。私の話はまだ続くのだ。


それから毎日のように光の女神教の教会に通い、日に3度祈りを捧げるのが日課になった。あの時の司祭は司教になり時々説法をしてくれて、その内容はノートにまとめてある。私の宝物だ。

そして10歳になり、修道士として認められ家から通うことになった。

「あれほどお転婆だった娘が、修道士となった」両親はそう言って喜んだ。修道士となれば行儀見習いを覚えることができるからだ。

このまま慎んだ生活をし、いつかは素敵な殿方と結婚するのだろう。そう思っていた両親の思いは簡単に打ち破られることになる。

私は修道士として教会で勤めを果たす半分、両親に隠れて神殿騎士に剣技を教わっていたのだ。


本来であれば、女性が神殿騎士に剣技を習うなど認められるはずがない。だがそこは光の女神教筆頭貴族のダンフォード伯家の長女だ。流石に頼みを断ることができず、神殿騎士たちは私に剣技を教えてくれることになった。

「貴族の子女だ、すぐに大変になって諦めるだろう」そう思っていた神殿騎士の多かったことだろう。

しかし、決して諦めることはなかった。ショートソードを持って素振りをするとすぐに豆ができた。豆は潰れ血が出た。それでもやめることはなかった。

手に包帯を巻いて家に帰る毎日。当然ながら両親や親に心配されたが、家事で怪我をしたのだと嘘をついた。両親は難なく騙されてくれた。

そして、毎日素振りをしショートソードがしっかりと振れるようになって、今度は神殿騎士の訓練に参加することになった。

走り込み、素振り、実践、トレーニング、それらのことは若くそして女性である私にはとても困難であったが、充実した毎日であったのは間違いない。

使っていた剣はショートソードから神殿騎士の標準装備であるロングソードに変わった。毎日続けた結果、15歳にして光の女神教の神殿騎士として認められた。

これには両親は驚いた。修道士の服の上からはわからなかったが、私の体はとても筋肉質なものに変わっていたのだ。

しかし私を淑女として育て直そうにも遅かった。私もうすでに職位を得ていたのだ。


その後、私は光の女神教の聖女の護衛騎士となった。聖女の護衛騎士には、女性の神殿騎士しかなることができない。

女性の神殿騎士と言うのは全体数から見れば確かに少ない。だがなりたての神殿騎士がなれるほど容易いものでもなかった。

しかし、この頃には私の実力は傑出していた。あっと言う間に選抜試合を勝ち抜き、女性の神殿騎士の中ではトップの実力を誇った。

そして3年、護衛騎士として聖女を守った。

3年の任期が終わると、実力を買われ神殿騎士の副団長として従事することになり、更に2年経ち神殿騎士の選抜試合でトップに立つことができた。


幼い頃からの信仰、そして神殿騎士としてのトップの実力を示した私は聖騎士として任命され、初の任務として闇の女神教の監視を指示されたのだ。


(闇の女神教め……どうせこの教会の中に、多数の犯罪者を匿っているのだろう。

 その鼻、私が明かしてくれるっ!)


私はまだ見ぬ混沌の中に進む道を自ら選び取ったのだ。


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