2章 14話 闇の女神また休む
「その顔ひどくないですかぁ。
私だってぇ、今までのことはぁ、悪いと思ってるんですよぉ。
力使い果たしたのを良いことにぃ、全部押し付けちゃってるしぃ。
休んでいる間に苦労をしてたこともぉ、全部わかってますぅ。
苦労を減らすために何かしてあげたいってぇ、思ってるんですよぉ」
闇の女神は過去に自身がしたことを反省しているようだったので、雀の涙ほどは申し訳ないと思った。
よしよしと頭をなでてやると、撫でられたことが嬉しかったのか泣き止んでくれた。こいつちょろいぞ……。
話が止まったことで周りのことを気にする時間が生まれ、今更ながらこんなに騒いでおいてニルダに気づかれるのでは?! と、ニルダのベッドの方を見るが、ベッドから動いてさえいなかった。
「流石に私の存在を知られるわけにはいかなかったのでぇ、
ダークエルフさんにはお休みしてもらってますぅ。
私が帰った瞬間に起きますのでぇ、つじつま合わせとかが
必要であればぁ、フォローお願いしますぅ」
腐っても神と言うところだろうか、こういうところだけはやたらと気が利くと言うかすごいと思う。
落ち着いてきたので、溜まりに溜まった質問を一気に尋ねることにした。
まず、教会の隠し書庫について。
闇の女神教では今俺しか入れないことがわかっている。一体どういう条件で入れるのか。他の宗教でも同様のものが存在するのかだ。
「あの書庫はぁ、初代教皇が作ったものでぇ、
使徒でもあったからかぁ、力が強かったのぉ。
そのせいかぁ、教皇か使徒しかぁ、入れないのぉ。
しかもぉ、書庫の本はぁ、持ち出せないけどぉ、
持ち込むことだけはぁ、できるんですよぉ。
他の宗教のことはちょっとぉ……」
隠し書庫の中身は各教皇と各使徒によって揃えられていったことになる。転生してきた俺の知識は、あそこの本によるものが大きいので、彼らに感謝した。隠し書庫は宗教毎に存在しているのかと思っていたのだけど、闇の女神はどうやら知らないらしい。各宗教ごとに本の内容が違うんじゃないか、そう思っているのだけどその解決は今はできないみたいだ。
次の質問は、使徒についてだ。
隠し書庫にある宗教の本には使徒について説明が何もなかった。なら、闇の女神に聞くしかない。
「実はぁ、使徒についてはぁ、女神の間でもよくわかってなくてぇ、
宗教についてのぉ、何かを委任した相手がぁ、
つく職業だってことはぁ、わかってるんですけどぉ、
ほんとぉにそれ以外はぁ、わかってなくてぇ……。
申し訳ないんですけどぉ、自分で後は確かめてほしぃなぁなんてぇ」
神が、自身を信仰する宗教のことでわからないことがある、本当にそんなことがあるだろうか。
他の女神の宗教のことについてならば知らないことがあっても仕方ない気がする。
それとも、各女神たち……もしくは最低でも闇の女神より上位に君臨する神がいて、その神が定めたこととでも言うのか‥…。
これについては、闇の女神に聞いてもわからなそうだったので疑問は置いておくことにした。
では、初代教皇やその他の使徒たちが使徒の能力について何も言ってなかったのか、について。
「えっとぉ。
皆さん色々言ってたんですけどぉ、言ってることがぁ、
バラバラでぇ……。
これについてはぁ、他の女神も同じことをぉ、
言ってたのでぇ、間違いないと思いますぅ。
気になるならぁ、私のお友達の女神をぉ、
紹介しますからぁ、聞いてみてくださいぃ」
今、すごい言葉を聞いた気がする。私の「友達」の女神だって?
他の5人の女神の内の一人と仲良かったのかこいつ?!
その友達の女神なら、信徒ではない俺に祝福を与えたりすることはないだろうが、もしかしたら協力関係くらいは得られるかもしれない。
「あ、ごめんなさいぃ。
時間切れですぅ。
それではまたぁ……」
大事なことを言わずに目の前で闇の女神が消えていった。
その女神はどれだよ! それわからないと意味ないだろ!
「ばっきゃろおおおおおおおおお!」
ニルダが俺の叫びで飛び起きた。




